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海のなかでしか光らないものが、夜空で輝いている。
「月が綺麗ですね」と、雲ひとつない夜に言ってみる。
家に帰って、海のようなベットにダイブ。暗闇のなかでしか光れないものがあって、眠りのなかでだ ....
綺麗にするぞといきまいて
部屋の掃除をしてみました
どんどんどんどん捨てていくと
いらないものの多さに驚きました
どうして私は買ったのだろう
いらないのに
ためこんだのだろう
その時の自 ....
コーヒーに混じるミルク
コーヒーに混じるお砂糖
感情の共有する相手の不在
コーヒーに混じるミルク
コーヒーに混じるお砂糖
弱者と強者
優しい人と私の求めている愛を知っている人は違う
私の ....
こどもであるという無力に圧倒されていた日の秋に
よく仰いだ心ひろやかな樹樹があった
これが のちの涯の具現かと 一つの邂逅
その木立の黄葉のかがやきは確かに詩だった
うつくしく 深刻に明るく寡 ....
奇麗な言葉が見つかりません
並べ立てて綴れません
私は内容のない人間なのでしょうか
私は生きて来たのです
ここまで歩んで来たのです
言葉で表現しようとすると
拙い言葉が浮かぶばかりです
....
分厚い窓に凭れて
曲がりくねった轍に視線を
沿わせていた
共有できるものは多くは
ないがそのほとんど
は朝までに
ゆるやかに
溶けてしまうだろう
彼らが小さな声で話して
いたこと ....
あれは、さみしいひと
佇んでた 遠目からじゃ見えない
薄青い菖蒲が頼りなさげに風で揺れてる
通り過ぎて交じり合わないひとたち
全ては、約束事で絡み合って
ゆれていく
可愛い大地がさような ....
真っ白な雪に身体を持って行かれました
風が小雪を連れてきて
痛いくらいの氷の粒が頬に張り付きます
習い始めたお稽古事は、叱られてばかり
慣れないお琴で指を弾いて
痣だらけの手を氷水で浸して
....
青い靴ならそ
ちっちゃいおみ足
挫いて貼った絆創臺
手のひらで温めて
色褪せてすすけてしまった宝物
思い出はさっき心の奥に閉じ込めました
すり抜けていった幽霊はあるみにうむのはなたばを
....
白い指先でカシュカシュッと、スクイザーで絞ったレモンをレモネードにして
君は、笑顔で風を運んできた
夏の日差しをたっぷりと浴びたテラスの向こうから
今日はあなたの誕生日
あなたの足元には、 ....
それは恋文でしたか
長く綴られた美しい文字でも
過去形になると
住所も名前も内容も
要らなくなってしまうのですね
中古屋で買ったシュレッダーに
「アパート」という文字を半分消されて
....
白く細い指の様な光の線が、つぅぅとガラス面を掠めて
闇の中につらつらと水滴が垂れる
窓ガラスは、鏡となって
幽鬼の様なわたしの顔を映す
ざぁっと、広がっていくような雨の音が
わたしの意識 ....
ひょっとして
測定不能な分野は
安泰だと思ってんのか?
確かに
売上金額で優劣付けようにも
詩なんて
自分以外
誰も読まねえし
むしろ
てめえで金出すとかさ
かなりイタイ代物だ ....
最近はゴッドタンを観ない
結局誰かを貶めたり嘲笑ったり
なんかそればっかだから
正義というか飽食やね
飽食というかガリガリの飢餓
あんなに好きだったジュニアも嫌いになってきて ....
朝目覚めると空のコップが
ひとつ置かれている
わたしは満たす
さわやかな空の青さ
もうすぐ咲くだろう蕾の息遣い
少し焦げた目玉焼き ....
R-2指定の
赤ちゃんプレイ自称詩が
気色悪い
こんな気色悪いクソを
恥ずかしくもなく
垂れ流すということは
きっとブスに違いない
いや、ブスだ!
確信を持って
絶対にブスだ!
....
霧吹きのような雨はふかみどり
胸の奥まで吸い込んで
わたしは森になる
しばらくすれば
じゅうぶんに水を含み
耳を傾ける
彼らは
永遠を指し示すこと ....
見つけられないものを探している
とっくに失くした何かを
例えば棚で眠っている本に挟まって
頭を覗かせる封筒
歳月に黄ばみ
だが秘められた部分は青白く
ほのかに
呼吸して
机の上で宛名を ....
トイレで赤い卵を流したあと冷蔵庫から野菜ジュースを取り出そうとして
玉子を床に二つ落として割れてしまった。かろうじて玉子の形をとどめた
まま中身は放り出されなかったので、フライパンで割れた玉子を溶 ....
米を研ぐ
それは繰り返される日々の儀式
手のひらにあたる米粒はかたく
米どうしがぶつかりあい
じゃっじゃと音をたてあう
このかたいひと粒ひと粒 ....
どれくらい時間が経っただろう
もうずっと
海の見える街で
透明な観覧車に乗り
まわっている
昼間の
高い位置からの眺めにみつけた
泳ぐ船体はすこしずつ南方へ向きを変え
遠ざ ....
会うことのないひとたちの声
こころの輪郭(かたち)の外がわから
(空腹と眠気とにさいなまれながら
物をたたく乾いた風の音と
建物をきしませる低い空がおおう
ここから離れた場所
見知らぬ ....
ゆけなかった
ひび割れた空のかけら
拾い集めて
黒曜をながした月光
あなたのような
静謐
いだかれながら
緩やかに枯れてゆく
水底の
片羽根なくした
蝶を
想っ ....
降りしきる雨が落ち着いた頃
とある大学のために建造された駅前でモーニングをいただく
早く出たから着くのが早すぎただけのこと
Aセット:
トースト
ゆで卵
アイスコーヒー
( ....
双子だった祖母方のまたいとこはすこし胸が大きい
潤んだ神秘的な瞳は深くて
同い年なのに
大人に見える
意味深な暗号のように念仏がくりかえされるなか
むかし いっしょに あそんだはず ....
ブローした髪の毛が地肌に直接当たる感覚が好き
毛先を胸に垂らして
初夏の風を窓から受け取りながら
ゆっくりとまどろむ暮らし
ブローした髪の毛が地肌に直接当たる感覚が好き
{引用=得意ではない、
飛びかたをためしていた鳥の、
シルエットを真似て、
あるいはそういうタイトルの、
詩をかいて、
昨夜の微熱は冷えて、
花びらのような咳をした、
踏切がおりたままで ....
{引用=
毛細血管のめぐるあおい突端の、
これよりさきはもう冬の海しかひろがっていない、
さみしい風景のなかで、年増の女が、
少女のように手にもったポリエチレンの袋を、
....
{引用=
鳴らなかった、管楽器の空洞に、落葉や、
発語されなかった言葉をつめている最中に、
妻はかえってきた、わたしはなんだか、
気まずい気持ちになって、ベランダへ煙草を吸いに ....
つま先とにらめっこしているときは
変な色のペディキュア塗ってやる
おへそとにらめっこしているときは
うなじにホッカイロ貼ってやる
きっと君は怒るよね
トイレの中で何時間もえづいているなら ....
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