すべてのおすすめ
銀色のバケツに残された水
明日の朝にはまるい薄氷が張る
そんな冬の楽しみは
氷越しにのぞいてみる
とじこめられた宇宙
あなたのために冷えていました
冬の清涼な日々も
ずっとは続か ....
嘔吐物の匂い
リネンの手触り
二日酔いの痛み
神さまが死んだあとに
うまれてしまったので
自分の重みを
神さまとわかちあえない
昨夜
目につく鏡をすべて割ってしまった
や ....
小さく丸まった背中に
触れようとして
手をのばせなかった
盆の季節までさようなら
しわしわの笑顔で
手を振る人
何度も振り返って
手を振ると
小さくなった姿が
まだ手を振っていた
....
ひとひらの灰
切れそうな電線で赤い鴉が鳴く
あれを訳してみて
意味のない歌のようです
そう
また歩き出す
瓦礫の橋で合成肉を齧る
この川を渡るのですか?
てんとう虫がとまる
....
私たちが暮らしてゆくのに、
米を買うのにも窮するような毎日だったら
きっと憲法第25条は守られていない
ご飯と納豆だけの朝飯を食べ、
お昼は抜いて、
夜はカップ麺を食べて眠る
そん ....
千人の仙人、殴り合う。
それが、最初のヴィジョン。
笑っちゃうだろ。
もちろん、「僧侶」のパロディさ。
有名な詩人たちが殴り合うのも面白い。
だれが、だれを殴るのか、興味があるし、
殴り方 ....
曇る空を見上げれば、少し小降りになったようだ。
突然、雷雨に急かされるように外へ飛び出した。
全身の筋肉という筋肉
骨格という間接の隙間から湧き上がる汗だ。
あたまの先からつま先まで
....
春をどんなに嫌っても
憂いを製造しながら
春はやってくる
薬局でのど飴を買う
漢方ぽくて効きそうなやつを
「噛まずになめてください」と書かれているのに
気づくとがりがり奥歯で砕いてしまい
....
毎日アンパンを食べている
このアンパンはすべての栄養がバランスよく入ってると宣伝されていて
飢えないためだけに食べる
完璧な栄養のアンパン
それを手にしたブラウン管のなかの刑事、張り込みを ....
私以外の人間がグレーの幾何学柄になって
頭を垂れたまま小さいネオンを見ている
国道沿いを走っている事はわかってないだろう
少し開けた窓から
春ぼこり
乾いた目が更に
泣かせてくれな ....
『詩人の素顔』という本を買った。
シルヴィア・プラスのことは
ガスオーヴンに、頭を突っ込んで死んだ詩人
ってことくらいしか、知らなかったけど
読んでみたいと思った。
死に方にも、いろいろある ....
花粉が賑やかに飛ぶころ
木蓮の花の蝋燭が灯る
さようならも言えないまま
誕生日みたいに巡りつづける年
降り積もってみれば
だんだん記憶も曖昧になって
凝縮された切なさが
心に小波を起こし ....
ひとつだけ席を離れて座る
みんな携帯を見つめているから
混み合う電車の中には広告のチラシが ....
ビリーバンバン
な
方とかを
知っても
むさか
いわはきごうなんだわ
でもでも
さるのは春も
夏も
秋も 秋も 秋も
そうなるんでしょ?
ですから
そう ....
よもぎが新芽をだしました
そろそろ餅をつくころです。
茹でて混ぜてペッタンペッタン
餅がだんだん色づきます。
一口切りにとりわけて
きな粉をふって
はい、お地蔵さん
その、あしもとに ....
何気なくひらいた
絵本の頁のなかに
千代紙で折られたお雛様が
はさまれていた
どうしてそこにいたのか
記憶をさらっても
出てくるのは
春の真水ばかり
けれど
そのお雛様には見覚え ....
あなたは
とうに知っているだろう、自由に書くということの{ルビ荊棘=けいきょく}を
はるかにふかいふかい穴の奥底から
虐げられた名馬たちのいななきが聴こえる
ではただちにそれを装備し また外 ....
体温を摩耗した少しずつ違う服
対人に摩擦したヒダと整合するひだ
ときにぴたっと嵌りつつ
春に忘れて
ねつにうなされ
風のじゅうたんに浮かされ
斜線の人差し指にいちげき
さくら ....
とうに終わったエピローグと
いまだ始まらないプロローグの
狭間に佇む
記憶はずっと仮縫いのまま
予感もずっと仮縫いのまま
だから
来たるべき時のための衣装も
ずっと仮縫いのまま
....
己の立場に満足してなさげな人がいる
方々にバカと言って回っている
何とも残念な
キャパの狭さなのだ
人間は賢いと言えるほどの何物も
持っていない
レスバになった場合
ただ強情 ....
ヒーターの三時間ごとの自動消火を知らせる音源がまた聞こえている
あれからもう三時間も経ったのだと
日の長くなった乳白色の外を見る
あれをやらなければならない
これもやらなければならないと思って ....
(マジ、ウケんだけど〜)
接待最高! ラーメン美味
人生百二十年 平和八十年 長寿社会
名人輩出 偉人続出
直感力に優れ 海外アーティストにも愛される国
優しい人々が、住まう国
天皇万歳! ....
私が何も新しいことは言わなかった、などとは言わないでもらいたい。内容の配置が新しいのである。
(パスカル『パンセ』断章二二、前田陽一訳)
もはや、われわれには引用しかないのです。言語とは、 ....
何故こんなにも深い夜がきたのか
今日という日は永遠に忘れない
二人だけの言葉を交わし{ルビ美酒=うまざけ}を飲み干した
きみの一言がひとつひとつ胸に染みる
今日という日は二度とない
きみをま ....
さくら 咲く RUN 走りだし
過去のすべてを 肥やしにかえる
さくら咲いたあとの さくらんぼ
昨日までといっしょにカゴのなか
咲くだけさくならくだらんなのか
桜見よ ....
そのときに、
瞬間に取り零した、
水は溢れて、
破れたグラス、
フローリングに染みて、
{引用=(とけて、溶けてゆく)}
染みついた壁の、
模様になにかが視 ....
気づいたら
私だけの公園であそぶ
誰もいなくて誰も来ないから
邪魔されない自由
反省と戯れる
止まらないブランコ 気持ち前後に振れて
おりてしまえば大したことはない
のぼ ....
あなたは
ひかり ぬくもり みずのつめたさ
たべてるごはん たいようのまぶしさ くつをはくおと
おおきなかぜ しおのにおい うみのみず まぶた
むねからこみあげるなみだ
あなたは
....
ベルゼク、ダッハウ、ビルケナウ。
このあいだ、阿部ちゃんの勤めてる旅行会社が
収容所体験ツアーを組んでた。
現地の施設で実体験できるなんて
とってもステキ。
ひとつに砕け ....
おはようと爽やかな声
振り返るとクラスのマドンナ
それだけでちょっといいこと
いいことは探しちゃだめ
無造作に落ちているわけじゃない
常日頃のちょっとした ....
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