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一切の書き込みが出来なくなったそうです。
現フォはそれほど狭量なのですか?
トコトコ トコトコ 路を拓いて歩いてきた
山あり谷あり色々あって生きてきた
雨の日も風の日も晴れた日も
トコトコ トコトコ 路を拓いて歩いてきた
路端にはいつも美しい花々が咲いていて
乾 ....
美味しいものを食べに行こうなんて
頬笑みながらきみは言った
もうすぐ別れてしまうのに
多分ぼくたちは一番親しい友達になるだろう
残された想い出たちが五月の風に飛んでゆく
あの頃は流れ星を ....
真夏の予感に誘われて
まだ暗い路を車で飛ばし
やがて東の空は鋼色を帯びてきた
ウィンドウを開けると
潮の香りが車中に満ちて
風の言葉に誘われ浜辺に着いた
五月の歓びが背筋に走る
男か女か ....
群青のうねりと尖った氷山をかき分け
巨大なヤツが俺を片眼で睨んだあの日から
俺は毎日1インチの縄をキリキリと絞り
玉鋼の銛を鍛えては研ぎ続け
ラム酒をあおってはヤツを呼ぶ歌を唄ってきた
....
人間の細胞はおよそ37兆個の細胞からなるという
元素は酸素・水素・炭素・窒素・カルシウム・リン
手元に残るのは焼骨のリン酸カルシウムくらいだけだ
残された者はそれを後生大事に故人を偲ぶ
大空に ....
胃を失ってからどれくらい経つだろう
彼方に去ったあの頃は
タンメン・炒飯・餃子くらいは当たり前で
身長169cmで体重は96kgあった
いまは62kgで絶好調! 動きやすい
胃の無い者の食事 ....
海の轟が寄せ還る寂れた街を彷徨った
街灯がぽつりと点り羽虫を寄せていた
ヤモリが一匹それを狙ってヒタヒタと柱を登ってゆく
腹が減った
赤いちょうちんと暖簾が風に揺れている
魚介豚骨醤 ....
ここ半年で二人の女性に片想いをした
妙なことに二人とも腰に複雑なボルトが埋め込まれ
夜のお付き合いは出来ないと言う
ぼくも薬の副作用で役に立たないでいる
精々がハグをしてキスをすることしか出来 ....
人はみな
命を奪い
生きている
手のひら合わせ
感謝する
6ヶ月ぶりにスーパーへ買い物に行った
まずは果物コーナーへ
小ぶりの林檎が4個で498円
買うのをやめた
バナナ4本で268円買った
野菜は冷凍在庫にたくさん有るので
ゼンマイだけ19 ....
琥珀の水を飲み
紫煙を漂いながら想いを馳せる
数十年の迷路を未だに彷徨いながら
素粒子が固まった肩を抱き締めた
言葉を失ってからどれくらい経つだろう
答えが見つからない迷路の壁は高く聳え
....
何故こんなにも深い夜がきたのか
今日という日は永遠に忘れない
二人だけの言葉を交わし{ルビ美酒=うまざけ}を飲み干した
きみの一言がひとつひとつ胸に染みる
今日という日は二度とない
きみをま ....
妻との決着は穏やかに着いた
様々な想い出が走馬灯のように通り過ぎてゆく
長いと言えば長く
短いと言えば短かった
二人は別々の路を選び
晩秋を待って別れることになった
互いに別々の白い路 ....
父はギャンブルと女に金を使い果たし
家に給料を入れることは殆どなかった
幾度となく踏切りの前で躊躇したことか
カンカン カンカン ゴォーッ ゴォー
母は嗚咽を押さえてぼくの手を ....
空がとても青いから
ぽろぽろ涙を流します
ハンカチを持っていないので
涙を拭うことはできません
地図を持っていないので
トコトコ家に帰ることも難しくて
夕陽が沈む頃 ....
あ 愛よりも深いものは何だろう、と君は言った
い 今飛び立とうとするのは
う 生まれてきた喜びを知るためだ
え 縁というものは愛より深いかも知れない
お 大空を目指して飛んでゆけ
か 彼方に ....
ヤマメやイワナは今頃どうしているのかな
釣り人の居ない冷たい水の中
安寧に暮らしているのかな
冬は餌も少なくておなかがすいていないかな
無情な魚食者の言うことではないな
美しい魚体に見惚れ
....
空の青がとても悲しくて
黄色い銀杏の葉が飛ぶ時を待っている
中庭に降り注ぐ陽射しは眩しくて
{ルビ眼=まなこ}を閉じて五体を開き暖をとる
ときおり吹く風は透明な北の便りを運んできた
午後 ....
夕暮れの中庭のベンチに腰をかけ
{ルビ鋼色=はがねいろ}の空を見上げると
鳥が矢印のような隊列を組み
還るねぐらを目指して
陽の沈む方角に飛び去っていった
病棟に戻り
やがて食事のアナ ....
成層圏を脱出してから
どれほど経ったのだろう
宇宙の果てまで
まだまだ遠く届かない
来世という未来に託すしかないのか
路傍の石ころに生まれ
泥に生まれ
虫に生まれ
魚に生まれ
豚 ....
私は私で
他の誰でもない
通じない言葉に疲れて
スマホを放り投げた朝の散歩道
きみは私を処刑しようと決めた
そう きみと二人
菜の花畑の向こうに碧い海を眺めたね
遠く水平線には洋紅色の貨物船が浮かんでいた
固く手を握りしめ
明日の行方を占った
きみの{ルビ華奢=きゃしゃ}な肩を抱きしめながら
....
磨かれた廊下に深海魚たちがゆらり
ゆらゆらとゆっくり泳ぐ
深い眠りに就いているのか
夢をみているのかわからない
天気予報では明日は雷雨
深海魚には予報も関係なくて
廊下をゆらゆらと泳いでる ....
北の湖の{ルビ畔=ほとり}に
{ルビ春楡=はるにれ}の大樹が唸るように{ルビ聳=そび}えている
その根元にきみを置いて写真を撮りたい
そそぎこむ小川には姫鱒の求愛激しく
やがて ....
Tとは小学生の頃からの付き合いだ
遊びに行くとTのお母さんが出迎え
関西弁で他愛もない話しをした
いつも1時間程
その洗礼を受けなければならなかったのだ
玄関の水槽には金魚が揺れて
猫 ....
来週の月曜日で渓は閉鎖される
天気予報は曇りだから
これが最後のチャンス
華麗な山女魚とも3月まで逢うことはできない
秋は心新たに本流の虹鱒を追いかけるだろう
清流のファ ....
釣りから帰ると
ポストに1通のメールが届いていた
{ルビ一滴=ひとしずく}の涙が零れ落ちる
それは川に流され海へと溶けていった
琥珀の水に氷を沈め
紫煙を{ルビ燻=くゆ}らせながら
そ ....
それはやはり
そうだった
{ルビ伽羅=きゃら}を{ルビ焚き染=たきし}め
熱き胸を{ルビ鎮=しず}める
秋の夕暮れ
ぼくはクラス委員をしていた
グレーのTシャツにジーパン
下駄を履きショルダーバッグで登校していた
小学校からの出で立ちだ
或る時教育委員会の人が聞き取り調査に来校し
ぼくの身なりを注意した
....
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