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父さま ふらりと旅に出た
おむすびひとつ 手にもって
あの山こえて ひとまわり
ここはいったい どこやろか
父さま ぼんやりしすぎてよ
きた道わすれて おおまわり
いちばん星が 見え ....
書きとめられることのなかった言葉は
綿毛のように目の前をただよい
掴もうとする指の間をすり抜け
風に流され消えていった
明け方に見た夢を思い出そうと
目を瞑っても白く掠れていくイメージ
....
日暮れとともに出港し
太平洋を南下する航路
フェリーの舷側が
海面を撫で
闇の中に小さな白波を立てる
夜半に目が覚め
風にあたろうと
デッキに出る扉を開き
手すりにもたれた
夜空 ....
雪が降ってくる
どこまでも続きそうな猛暑の日
日々の熱を溜め込んだアスファルト
太陽で熱された屋根瓦の上で
小さな雪の結晶はあっけなく
蒸発して消えてしまう
しかしそれは少しずつ
....
気温は三十度を越えた午前九時
父は誰にも告げず、徒歩で家を出た
まっすぐな国道を四キロも歩いた末
暑さのせいか、何かに躓いたのか、転倒した
通りがかった人や周辺の住民が介抱してくれ、
一 ....
四月に種を撒いたヒマワリは
梅雨のさなかに大輪の花を咲かせ
真夏の太陽を待たずに萎れ始めた
虫食いの穴だらけの大きな葉には
小さな小さな{ルビ精霊蝗=ショウリョウバッタ}が二匹
同じ方を ....
風景が霞むほどの雨のあと
水たまりには青空が映る
梅雨明けも近い
空を見れば
もう次の雨雲が控えていて
ころころと変わる空模様
そんな空の下を
こどもたちが
笑いながら走ってい ....
日々豊かに降り続く雨は
山の頂きから川を下って
大地を潤し
海へと流れ
やがて世界の端から
宇宙へと降りそそぐ
波に流されるまま
地球からこぼれ落ちた私
遠ざかっていくのは
距離 ....
あふれる想いは
言葉を見つけられないまま
ため息となって、夜空を漂い
暗い海へと吸い込まれていく
焦点の合わなくなった目には
沖合いの漁り火も星座も同じ
水平線の、さらにその向こう
....
まあるい命たちが
ぽんぽんぽんと
軽やかに跳ねるように駆ける
陽だまりのなかで
艶々とした瞳
揉み合って取っ組み合って
じたばたとひっくり返る
小さな手足を伸ばして
ころんと横 ....
亡き両親や兄弟の名を呼んでは
途方にくれる
あなたの心の中では
彼らは今も生き続けていて
鳥や草木、岩、風、雲
家よりも山にいる方が好きだった
鳥のさえずりや川のせせらぎを
心が求め ....
何の行列でしょう
いつからやってるのでしょうか
こんな時間だというのに
ずっと通りの向こうまで
途切れることなく
行列が続いていて
手に手に灯りを下げて
歌を歌ったり
泣いたり ....
広場では若者たちが
燃え盛る松明を投げつけ合って
それを眺めている紳士たちの顔は
夕闇の中 脂ぎって光っている
商売人は屋台を出して
売り子は声を張り上げる
稼ぎ時を逃すまいと
仕入 ....
ひとりが好きな傷つきやすいあなたは
ある日突然
真新しい窮屈な制服を着せられて
教育者たちの話はうわの空で
たくさんの見知らぬ同級生と整列し
汗ばんだ手を握りしめる
十年後の四月
堅 ....
この町のどこか
古いアパートの
薄暗い部屋の片隅にひとり
力なくうずくまっている
私を見つけたら
無駄な足掻きでもよくやったなと
労ってあげてください
あるいは
都会の真ん中で、大 ....
春が来た、カーテンを閉めよう
落ち着きのなさを気付かれぬように
行く人、とどまる人、帰る人
私の行く場所はどこかと、心が騒ぐ
花をつけ始めた桜は堪える
激しい雨風に打たれても
花の散っ ....
本田憲嵩さんのヒロセマコトさんおすすめリスト
(16)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
わらべうた
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ヒロセマ ...
自由詩
7*
24-11-26
フラグメント
-
ヒロセマ ...
自由詩
15*
24-10-27
青と碧
-
ヒロセマ ...
自由詩
13*
24-8-31
薄氷の時代
-
ヒロセマ ...
自由詩
10*
24-8-13
遠足
-
ヒロセマ ...
自由詩
10*
24-7-20
ヒマワリ
-
ヒロセマ ...
自由詩
16*
24-7-16
雨に濡れても
-
ヒロセマ ...
自由詩
13*
24-6-29
天空の果てを想う
-
ヒロセマ ...
自由詩
11*
24-5-26
海、夜気、無言
-
ヒロセマ ...
自由詩
12*
24-5-18
すこやかに
-
ヒロセマ ...
自由詩
12*
24-4-26
さまよいびと
-
ヒロセマ ...
自由詩
9*
24-4-16
パレード
-
ヒロセマ ...
自由詩
10+*
24-4-8
火と風と
-
ヒロセマ ...
自由詩
4*
24-4-8
四月の杞憂
-
ヒロセマ ...
自由詩
6*
24-4-2
伝言
-
ヒロセマ ...
自由詩
12*
24-3-25
急ぎ足
-
ヒロセマ ...
自由詩
8*
24-3-18
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