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天井から弾かれた様に落ちる滴
それを受ける輪郭の薄い碗
高い波紋は縁を越えて畳を濡らし
残りは緩い波となって、また静まりかえる

幻想と妄想の別も曖昧になるほど
スコッチを{ルビ呷=あお} ....
あなたが近付く音に
冷たいはずの鼓動が脈打つ
けして触れてはいけない禁忌

シャワーから流れる
生ぬるい体温に
体の隅々まで
犯されていく感覚に犯されて
頭の中が真っ白に痺れてしまった ....
私は瓶の底で
静かに沈殿している

焦げ茶色の液体に{ルビ塗=まみ}れて
歪曲した夕日ばかりが
私の唯一の慰みになり
頑なに拒んだ日はいつだったのか
もう思い出せはしない

幾ばくか ....
僕の熱を奪わないでくれ
僕を奪わないでくれ
止めてくれ、もう
熱を奪うのは
体が凍えてしまうよ
心まで冷めてしまうから
これ以上、僕を
零度の海に突き落とさないで
満たされる
病めて ....
しんと静まり返った
私は中空

見果てぬ層雲の雪崩れは
悔悟の波



あぁ

こんなにも

月は小さいというのに




清かめく狂われた木蓮の
紫を濡らせた私は ....
葡萄の房にぶらさがった
闇屋の紙魚商


食らえや食らえ


実のうそぶく方へ
甘い葡萄の滴る方へ


こっちじゃ
あっちじゃ
えんやこら

しょうかね
だいかね
ほ ....
  揺らめく波間に
  繰り返し見た雑踏
 が紛れた
  千切れた空虚は
  まるで私そのもの


         必ず会う誓いも
           砂の血のように
      ....
キクチさんの美味さんおすすめリスト(7)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
滴と器- 美味自由詩3*06-5-28
ヘロインモルモット- 美味自由詩2*06-4-9
ビー玉は瓶の底に沈殿する- 美味自由詩6*06-4-7
宵病みのアイスノン- 美味自由詩1*06-3-29
春、百舌の速贄は- 美味自由詩2*06-3-11
闇屋の紙魚商- 美味自由詩1*06-3-9
塵と挽歌- 美味自由詩2*06-3-7

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