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150716
中原が昼夜逆転したのは、19歳の時だった
作家を目指して古今東西の文学を漁り
夕刻、人気の無い干潟を散策しては遠くを眺め過ぎ
足元の柔らかい深み ....
真夏の{ルビ陽炎=かげろう}揺れる
アスファルトの、先に
琥珀に輝く円い岩が
ひとつ、置かれている。
額の汗を拭って、歩く
旅人の姿は段々…近づき
数歩前で、立ち止まる。 ....
ちいさな夜想曲を想う
ドイツの作曲家でもなく誰かの
こころはとめどなく夢をさまよう
意味もなくいきているような
きもするのだが
いつでも永遠を信じて生きていようとおもう
体はく ....
こんなひは
ひんやりとした床で
寝たふりをするより
とったばかりのいんげんと
てんぷら油の格闘に
歓声をあげてみたり
....
霧が湧き 雲は下り
天と地の息吹が交わり合う
噛み合わされた大地 喃語の潤い
ぱせり ぶろっこり やまのみどり
熊や鹿が嗅ぐ土の匂いが知らしめる
地脈の辿り 遠く 深く 息みて
....
こんなの詩じゃないと
お叱りを受けそうですが
まあ、いいだろう
と、寛大な心の方はご覧ください
*
小さい頃のわたしは
引っ込み思案で 恥ずかしがり屋
自分から友だちを ....
ふいに 風がカーテンをゆらし
とおいあの頃が 窓の外にある 気がした
みわたすかぎりの原っぱの向こう側には
そこなし沼に こわれかけの小舟が一双
沼を取り囲む山に続く なぞの けもの道 ....
君は今日も、渋谷ハチ公前の
路上でギターを掻き鳴らし
スクランブル交差点を行き交う
無数の靴音の、彼方には
紫色の夕空と…ひとすじの雲があり
警察に止められ、君の路上の歌声は
3曲で終 ....
私は生きることが好きだから
すべての生き物が好きです
犬は子どもの頃に
一度だけ飼っただけで
それ以来
飼ったことはありません
彼らはあまりにも人間に
忠実すぎて
どんな理不尽 ....
150713
リサイクルゴミを夜のうちに整理する
朝、早く、食事前の忙しい時間帯に
お父さんに出してもらう
お父さんの仕事はもうそれだけの気がしたが
お父さ ....
つらいことには傷付き
楽しいことに笑って
嫌なことに怒り
中には歌が流れていて
石を見ると喜んでいる
君とはたぶん
最後の二行だけ
ちがうだろう
風をたくさん挟んで
送り出す
君への便り
いつまでも止まらない翼は
想い出を回し続け
空に漣を描いていく
今日あった小さなぶつかりは
すぐに修理できるから安心して欲しい
....
150709
小河内地貯水池なんて済ましてやがって
てめえ昔はダムと言われていたんだろう
ダムよ
返事が無いのはどういうわけだ
蜘蛛の糸を伝わって降りてきたのは
....
嘘ばかりで安っぽいお伽噺じゃないのにね
雨音が小舟を脅かす夜に
嵐の中、揺れる吐息
生きている
自分も世界も欺いて
生きている?
誰かがドアを叩いている
此処が何処だか分からない魂だ ....
生あるかぎりです
だれしも遮れない旅をしているとおもうのです
たぶん滅びるのもちかいのかもしれません
ちょっとなにかを選択するのもめんどうくさいのですが
いつも可能性と不可能のコードの端を ....
黄色いシーソーが二つ
同じ方を下げて
ならんで寝ころぶ恋人同士みたい
ブランコも二つ
風にほんの少しだけこぎ出して
仲睦まじそう
のっぽの滑り台はひとり
空を見上げている 雨が ....
願いが叶ったかどうか
わからないまま
一年が過ぎて
今年も七夕は雨だった
短冊を結んだ笹は
燃やされて
煙になる
煙になったあと
願いはどこへ行くのだろう
いくら目を凝ら ....
パソコンに向って
キーボードを打っていたら
ブ~~~ン
という音が聴こえてきた
蚊か?
気づいた時にはもう遅い
手と足と三ヶ所 刺された後だった
痒い 痒いと掻きむしりながら
蚊の気配 ....
かわりにひとは旅など計画する
梅雨なのにあじさいは
冬枯れしている
切なくて拙なくて刹那くて
いっしょう一緒のはずなのに
ひとり泣きふるえた夜
聖なる夜になにを ....
赤く透き通った
血の様なワインを飲んでいる
酔っているので
詩は
書いてはいけない
酔っているので
なおさら書きたい
自制心が効かない時ほど
熟成しないまま
今すぐ
投 ....
小指姫
清水のはじまりを
そっと草をひろげて
ゆびさきで たしかめるとき
七夕の日の心の岸部から
あなたの冒険が 始まります
笹船に乙女がのることができるとしたら
親指姫 ....
一度目
道に迷う
二度目は
短縮展示のため時間外
三度目、
祝日の関係で振替休み
四度目
ふてくされて向かわず
そして五度目
の
有楽町の美術館は
中に入れはしても
常設展 ....
リビングにおいた
鉢植えのシクラメン
水だけやって
かれこれもう2年
元気なんです
これがまた
冬の花だと思っていたら
去年の夏
狂ったように咲いていた
意地か
誇りか
はた ....
原爆が広島と長崎に落ちて
いつのまに真夏の最中
戦争が終わり
港街には帰還兵と
占領軍の兵士があふれていた
マッカーサー元帥の命令で
英語が出来てレポートが書ける
反骨精神があり眼と目で ....
神様が作った骨の成り立ちを考えれば
猫背であることはとても自然な成り行きであるのだけど
猫背である自分をウインドウ越しにうっかり見てしまえば
あんまり素敵じゃなくて
ちょっとだけ無理をして背中 ....
はい 間違いございません
わたしが〝ラッキーストライク〟です
本家本元
「首相投卵事件」以来
多くの有名著名人ばかりを狙った
スロウアンエッグテロリスト
今や多くの模倣犯が現れて
巷で ....
150703
どろぶねにのつているつもりはないのですがと、せんちょう
演劇部の練習は今日も順調
ささのはを頭に載せた艮狐
美人に化けるのもお上手で ....
閉じ込められていた扉が開いて 一斉に流れ出す
群集に紛れる 安心感に包まれて
たくさんの孤独は 水族館の鰯になって
同じ水槽の中を 泳ぎ続ける 死ぬときまで
独り暗闇に潜んだ金魚の ....
言葉はなぜあなたにつたわるのだろう
あなたの脳内で維持されている
概念に呼応する音声あるいは文字列を
話し手と聞き手が相互にいれかわりながら
違和もさしてなく理解できる不思議
中国の ....
という訳で、と 切り出してもて わかる方は解るくらいに 回数を重ねてきた
るるりらのお祭りのお知らせです。
わたしたち 現代詩フォーラムのすべての参加者は、詩を介して より幸せになりたいと ....
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