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川伝いに伸びる
でこぼこ道の向こうから
菜の花がきれいね、と
懐かしい人が
光をまとってやってくる
どこかで硝子製の呼び鈴に似た
澄んだ鳥の声が響く
あなた、
ずいぶんともう
大 ....
クロレッツを二粒
鼻腔を流線形が疾走する
春よ来いの大合唱
彼女は鼻腔に猫を飼っている
空には翼を持った豚
犬と羊が阿呆面で見上げる
五輪は四輪より速い
すべては風の前の塵に同じ ....
わたい、もやしはきらいや。
病室のベッドのうえで
母がぽつりと言う
六十年も付き合ってきて
母の好き嫌いをひとつも知らなかった
そんな息子だ
お父ちゃんがな、腹切ったときに出て ....
時間は記憶のなかに堆積して
想い出になるものだろうか
涙は溶かした時間を映しながら
様々に色をかえてゆく
きみのハンカチを染めないでその色に
きれめのない時間のなかで
ピリオドやは ....
C51の動輪光る
平和ニッポンの裏口を
急いで回る
こっそり回る
素早く回る
古ぼけた寝台車
古ぼけた3等車
金持ちの2等車
ひととおり引き連れて
今日も上野をこっそり出てゆく
煙 ....
故あってかどうかわかりませんが
猫に生まれまして
たいへん恐縮している次第でございまして
私が人間なら大変かなあともおもうこと
多々ありすぎて
申し上げることも躊躇いたしますが
あえて ....
オートバイの神様よ
僕にオートバイを運転するだけの
必要最低限の才能しか恵んでくれなくて
ありがとう
レーサーになる腕前も
白バイ警官になる技術もなく
暇さえあれば峠に繰り出し
運が ....
まさか 夢にみるとは思わなかった
明け方の私の夢に現れた
君のことは何も知らないのに
ネットという魔都で知り合ったのは
ずいぶんと昔のことだった
私が詩を書き始めた頃
君の書く詩はとて ....
突然
中1の長女が私の単身赴任先のアパートに転がり込んできた
つまり家出だ
終業式まで後2日
どうしたんだ?
洗濯 掃除 ご飯の支度
全部やるから ここにいさせて
....
【五色の指】
靴下を履かせた
五本の指に それぞれに 五色の靴下
おやゆび りっぱ
ひとささんゆび させないよお
なかゆび めだたないよ
くすり ....
蟄虫啓戸
すごもりのむしとをひらく
ギィっと
闇に穴が開くと
部屋は一瞬で眩しさに満たされた
クラっと
意識が旋回して
しばらく身動きが出来なかった
何の理由も告げ ....
140318
のろまなびるまなどという呟きが聞こえるので思考を中断、先へ進む
遂行するのはノルマ
のろまな奴では達成できないからその後ろには懲罰が手ぐすねを引い ....
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真珠秘話
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海に照り返された日射しだけが 剥離し球体になって昇っている
あれは、太陽なのか。
美しい白銀の オパールに私を変える
変色しつ ....
春が降り注ぐ
固くこわばった雪山に
冬の汚れをこびりつかせ
シャーベットに足を取られ
車が跳ね上げる泥水に
コートを汚され
春が降り注ぐ
微笑がこみあげる
春が降り注ぐ
....
捕まえられた殺人犯は
群がるマスコミ関係者に向かい
マスクをずらし
何か 喚いた
「あっ、彼が何か叫んでいます。
なんと言ったのでしょうか?
ちょっとよく聞き取れませんでした・・」
....
どこからか
たしかに
沈丁花の匂いがする
どこからか
たしかに
満月の夜のした
真昼の駐車場のむこう
失意にあらたな日常が
入り込んでくる
....
世にでているものは厳しいなあ
世にでようとするたびそう思う
死んでゆくのも厳しいなあ
死にゆくひとを見送るたびそう思う
それくらいの自由
かえってくる
じぶんに ....
ありがとう
ごめんなさい
あいしています
ともうひとつを呟いて
にくしみや
せつなさや
あのひとを
まっしろたいらにしたら
じぶんもすきで
ぐっすりねれて
世界もや ....
春の日射し
山間の里
富士の清水の恵みを人々に振る舞う
酒蔵の蔵開き
心に沁みる酒
わさびと酒粕のかおり
皆の笑顔と笑い声
一年振りの再会は
社交辞令の欠片もなく
互いに肩を ....
髪を切りました、ばっさりと
決別です
春です、今日からわたしは
持ち上げては
こき下ろす
嘘をつかない人間はいないのだが
良い目を見たから許せないのか
騙されたから許せないのか
自分の嘘はばれたくないものだが
真実を追求する
マスメディアもか ....
春の柔らかな外套はいらない
寒風をしっかり遮る重いコートが欲しい
凍てついた大地を確実に踏みしめる足と
流れる雲をよみとる眼差しを
桟橋に繋留するための無骨な舫い綱あるいは
海底ふか ....
チミ!
今度の研究のテーマは
「道に迷った認知症の方が家に帰れる方法」にしよう
え〜 社長
それって うちの商品に関係ありますか?
そんなことをしたら
お金をドブに捨てるようなもの ....
企業は社会の一機関であり社会の為にある。
企業の目的は企業の外にある。
このふたつの示唆は、紙に円を線で描いたとき、円を線の内側と捉えるか、それとも円を線の外側と捉えるか、そんな禅問答に似 ....
命が散る
飛散する
ビッグバンをものまねしよう
命が散る
飛散する
宇宙の最初をものまねしよう
それをお花見のように眺めよう
そしてお花見のように別れよう ....
140315
売れ残りのさんけーテレビを売り歩く
早く売り払わないと消費税が8パーセントになってしまうし
4Kテレビの宣伝も激しい今、売れ残ってしまう ....
価値観のベクトルは
進歩と発展ではなく
共存と調和
競争原理が働かないので
社会の進歩はゆっくり
先進技術も先進医療もない
平均寿命は70歳ぐらい
でもほとんどの人間が死ぬまで楽しく働い ....
生と死、幸と不幸を分ける境界線の
なんと曖昧なことか
一体彼らが何をしたというのだ?
彼らと私の違いなど何もないではないか
奪われた二万千五百十名もの尊い命
決して癒えきれぬ悲しみを不意 ....
いつ
スイッチが入るのか
分からない
それが
ONなのかOFFなのか
分からない
そもそも
何処にスイッチがあるのか
分からない
行方不明のUSBメモリを探そうと
....
何事もなかったように光る海
廃線路の先には菜の花が咲く
網棚に取り残された箱を開ける勇気もなく
揺れる電車
ねむりを誘う振動
座ったままのうたたね
かしげてゆく首
透明な重力に引かれる右 ....
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