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きみの悲しげな 薄茶の瞳が
雨に濡れた 捨て犬の耳に重なる
愛してるんだよ と 大きな声で
もし あの雨の日に戻れるのなら
真っ直ぐな思いに 応えられなかったのは
どこかに 罪の ....
150507
からからになった台地を背負う
神話時代の住民たちが大型休日も作り上げた
なかなか好い後輩が増えて増えて
今では曲紹介する可能性を
ディスクジョキー ....
拝啓、冷蔵庫様
長い間ご苦労さま
十六年間、寝食を共にした
おまえが逝ってしまい
わたしはとても寂しいよ
突然のお別れだった
何だか、冷えが悪いと思っていたら
冷凍食品が自然解凍 ....
君は一杯着飾っていたね
着けるだけ飾るだけ幸せになれると
友達も言っていた
君には複雑な鮮やかな柄が似合う
肌着はもっと暖かい真っ赤が良いよ
もっともっと着飾った方が
君はいつ ....
誰とも喋りたくないとき
メールは便利だ
日々を繕うことが出来るから
喋ってしまって
交感神経優位にならないですむから
活動・緊張・ストレスこそが
生きてる証拠みたい ....
なんでも一気にやっちゃおうとする
この国のいけない癖で
来年、広島遷都が発表されるという
2025年、終戦80年を目指すのだそうだ
これによって内需を拡大し
世界へは平和 ....
まだ若い老人であったころ
同僚と紅葉の山麓へドライブ旅行にでかけた
秋空のもと 静かな集落を抜けるとき
前方遙かに 背をかがめた人が横切るのを見た
同僚はスピードをやや落として言う
「老人は ....
蛍光灯に照らされた
知らない空き地がとても静かだ
行き過ぎる車窓から
ジオラマみたいな町を見つめる
ひとびとの明かりのなかに
わたしは幸福っていう二文字を見つめる
....
貴方なんてだいきらい
みんな不幸になればいいのに
つらい
めんどう
やってられない
一番捨てたいのは私
嫌い、っていうと
とうめいなこざかなが
わらわら 集まって
そこに
かすかな波を生じる
なんだろうこんな不安は
好き、っていうと
ちいさなひなげしが
いっせいに帆を上げて
あ ....
一瞬で
りんごもにんじんも正論も砕かれ攪拌されてどろどろのジュースになるみたいな
彼女だけの鋭いミキサーのすいっちは日常のいたるところで押されるのだった
あるいは一瞬で
女子なのにおおかみ ....
男女の歩行者
人の模様と
いうものを考えた
ことがある
中肉中背の
男女二人
素敵な印象
ソッソッソッと
歩いていた
ウォチマン
広いガソリンスタンド
車のトラブル
なかなか、解決できぬ
頼むと、ウォチマン
駆けてきて
直してくれた
人のために働くことは良し
そう思って
そっと書いておく
日々のおおまかな動線や微細な素描に
こころの絵の具の淡彩で色をちらしてほっとする
ビュッフェのようなリトグラフの陰翳の鋭い世界も良いが
ちょっと太陽のぬくもりをもらったような
なにげない淡 ....
もし――凸凹な
パズルのピースである、僕等が
舞台の上でスクラムを組んだら
明日へ光を放射する
一枚の絵画になるだろう
八重よ、八重、
お前はどこからやってきた?
海の向こうの和の国の
家族がお前も恋しいか?
八重よ、八重、
お前はいつからそこにいる?
出逢った時からお互いに
白髪も相当溜めてきた
....
狂い凧すぐに寝る
ビルが朝陽にかじられて
吐き出された陽光は窓をすり抜け
昨夜の恥部を暴き出す
人々は慌ててカーテンを閉じ
ベッドを隠し
朝を始める
わたしと来たら
病室のカーテンを開け放ち
....
右の頬が激しく打たれた
しかし左の頬は無事だった
額がスズメバチに刺された
でも後頭部は無傷のまま
左目に火の矢が突き刺さると
右目はとっさに視線を逸らす
耳は恐々 欹てるだけ ....
正当に生きることを肯定してくれる人を買った
最初の一時間で自分が何者になりたいのかを問うて
それからゆっくりと満たしていく
物質ですらない存在に触れては注意深く撫でさする
スイッチではない箇所 ....
ときどき、神さまについて
考えてみることがある
私は無宗教だが
神さまを侮ったりはしない
イメージは漠然として
先祖の霊だったり
大自然の力だったり
稲荷大社の狐だったり
見え ....
ダンサー
ダンスィング・パートナーと
しての男性
女子が安心して
身をゆだねる
ダンサー
この人なら
大丈夫、安定してるは
そんな思いで
抱かれて踊る
そんなテレビの一場 ....
無垢な聖域で飛び回る小鳥
そして口のきけない少女が笑っている
パンドラの最後の希望は
この地で淡い松明に囲まれて飛び立つ瞬間を待つ
百年の孤独から目覚めた太陽が泉から怱怱と昇る
....
花吹雪舞う道を ひとりで歩いた
分かれ道で手を振って きみは去った
あたしのことは すぐに忘れる
夏が来れば 陽の光に夢中になって
花びらは風にのって どこへともなく
青い月夜の ....
心と身体が離れている
その隙間に不安が滑り込む
いちいち手足に呼びかけないと
動作しない人間型ロボットみたいで
いろんなものを詰め込んだ
底の抜けた南京袋
唇から直腸まで
排 ....
久々に一人で実家に帰る、晩
何処か名残り惜しく
幼い息子の肩を抱きつつ
嫁さんに少々草臥れた足裏を揉んでもらう。
*
久々におふくろの味で腹を満たした、朝
何処か名残り惜しく
....
これから幕を開ける
旅の予感を胸に
玄関のドアを開き
月夜の散歩に繰り出す
路面に照らされた
我が影は
我であり
我で無い…誰かのような
いずれにせよ――宇宙に只一人の僕
で ....
あなたにうがいを教えたことはないけれど
あなたはうがいを体得していた
言葉で教えられるよりも
見て覚えることのほうが
きっと何倍も簡単なんだと思う
それでもあなたが
うがいってなんなの ....
夜の静寂に歌のような言葉
耳たぶに引っ掛かって時を揺らす
此処にはいないはずの
あなたが聴こえてくるのです
朝の雑踏に歌のような言葉
靴紐を解いて時を忘れさせる ....
四番目の息が聞こえる。
父の息。
母の息。
私の息。
そして、聞こえる。
他には居るはずがない誰かの息が。
まだ幼かった私は、父母に挟まれ、狭い二階の一室で、毎夜訪れる暗闇と遭遇してい ....
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