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窓を開けると校長先生が欠伸をしていた
校庭ではポニーテールが僕に微笑んだ
片えくぼを連れて
まだ風は冷たかったが沢山の蕾が輝いていた
遠くの山では雪も消えはじめ
柔らかな表情へと ....
月は淋しくて蒼い光をそっと流すのだった
夜は哀しくて汽笛をひとつ響かすのだった
風は切なくて切れ切れに吹いているのだった
君は懐かしく僕の思い出の窓辺に座っていた
仄白い水仙の ....
ははーん 友達減らす作戦決行中だな
生放送に空気読めない素人がいる
月がパントマイムしている
伊東の老舗・東海館で
和室の窓外に、ゆらめく川の{ルビ水面=みなも}を
一羽の白鷺が横切った
一枚の枯葉が今
枝先を離れ、ゆらめく川の水面へ
身を{ルビ翻=ひるがえ}し宙を舞う ....
暗がりの映画館で
白黒のスクリーンには
だぶだぶの燕尾服に
しるくはっとのチャップリン
ふらりと現れた酔っ払いと
ふとしたことから口論になり
胸ぐらつかみ、胸押しあい、もつれ ....
巨大な風車の影が
枯れた笹原と採石場と
牛舎の上を繰り返し通り過ぎて行く
くねくねと形を歪めながら
くねくねと
大地の歪みをなぞり
絶え間なく地を這う影は
まるでコトバ
人の心 ....
季節の足跡が白い凍土となり
剥がれた絵の具のように
海鳴りが景色に仕方なく張り付いている
此処には君はいない
それでも此処は君のいた場所
今日君はい ....
乳色のひかり影とかす
歩くひと皆看板のよう
裸木がしんみり見つめている
血圧悲しく乱高下
とどめてるだけで
副交換神経最悪
あっ禁煙そっくり
南風みたいな ....
単純なことほど難しく
複雑なことは解らない
無器用なことを言い訳にしながら
いま退屈が僕を殺そうとする
出来ることと出来ないことの境目には
いつも壁があるから
仕方なく ....
チェシャ猫はティーパーティーが大好きでした
アリスも呼んで午後のひとときをなごやかに過ごしたら
白ウサギが言いました
すでに時は来たりまた次の物語を綴らなければ
不思議の国は終 ....
空を見上げる
あなたの隣で
わたしは
深い海に沈んでいく
夢を語る
あなたの声を聴きながら
止めどなく
涙を流している
相容れない
対極の感情がある
二分化した心は
....
鉛色の空に佇む
影法師がひとつ
アスファルトに落ちる
希薄な空気を呼吸をして
吐く血痰
地べたを這う風に
ゆらゆらと揺らめいて
逃げ込める隙間を探している
瑕疵な魂は
誰にも ....
村上春樹ではない僕の風の詩を描こうと思った
ラヴェルのモダンなピアノ曲を聴きながら風を思った
風は自由だ
あくせくしないし
僕たちは単純に生きる事を学べるのではないだろうか
ゆるやか ....
夜でもない朝でもない
真昼が俺にはお似合いだ
納屋の小麦を盗み喰う
そんな手口もいたについて
俺は名無しのガスパール
尖った爪で花を摘み
あの娘の窓辺に飾るのさ
誰ともし ....
回収する気のない伏線を張る
人気者が勝つ仕組み
それはあなたの不在より
戻ってくる沈黙が
のしかかるあいだ
かくも連ねて
欲望のあいうえおの全貌から
「ん」でふんばってる「人」よ
みえる領域に
何云うつもりないなんて
何云 ....
{引用=
春は、阿修羅の使い
むごたらしく やすらかな眠りをさまたげる
*
誰もが
ぬくもりの休息の時に、永遠をしらず
蠢きだす
けし ....
優しさで解決できないものは本来問題ではないのだな
めざしのような
ししゃものおなか眺めては
惚れたと思ったあの気持ち
いったいどこへやったのか
箸でみそ汁つついて探す
夕餉の残 ....
こころを見つめていた
だからなにをやっても
伝わっていなかったんだ
傍観者ではだめだったのだ
こころをこの肉体に
いちどはぜんぶ通してみなきゃ
傍観者ではだめだった ....
晴れた日にうたう歌がある
雨の日ににうたう歌がある
僕には、歌がある
意識の地中に
閉じ込められた想いは
言葉になることも許されず
凍てついた時間の底で
膝を抱え込んでいた
想い出したように吹く
溜息によく似た風を頼りに
出口を探したこともあったが ....
分かってる。
どうせ、
明日はくるんでしょ?
分かってる。
....
晴れた日 銀の洗濯棒は陽射しに熱され
光を宿し 立ち尽くしている
光を受けない所は 銀棒のまま
横にかけられた 渡し棒とまかれた鎖を支える
重しにはめこまれ 土の上に立つ洗濯棒
洗濯物が ....
孤独と隣り合わせの自由
愛と背中合わせの孤独
無数の愛と自由と孤独が春の風に舞う
窓から望む 菜の花畑は 春霞
重ねた手の温もりは幾つかの時のかけらを記憶の襞から呼び覚まして
....
化石少年は砂岩の中にある海中生物の
痕跡に魅入られていた
数十万あるいは数百万年の時を経て
無名の海底生物の生きた証左が地の中の眠りから
主亡き痕跡という奇跡の造形のままよみがえる
....
プラナリアに会いたい
永遠の命かもしれないプラナリア
世界は、春霞ではない 黄砂だ
降り注いでいる微妙な沈鬱が 世界を覆っている
それでも 季節はまだ めぐっている
水仙の花は ....
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