すべてのおすすめ
星のみえない夜にも
星は存在する
風にふれない丘にも
風は存在する
あなたが消えたあとにも
あなたは存在しつづける
両のてのひらを
まるくして合わせる
透明な卵だよ、ほら
絶望の谷に
叩きつけられたことの
ある人は
簡単に
浮いたり沈んだり
今日のメニューで
右に寄ったり
左に寄ったりはしない
眼を見てごらんよ
目が合っていても
捉え ....
やわらかい光のかたまりで描かれた
モニターで微笑む少女
RBGの明滅するパターンで
息をしている
ある男が思った
彼女を、僕の中に
6色インクのカラープリンタで少女を刷った
途端に失 ....
空き地を渡ってきた風が
草の匂いを閃かせながら
耳もとで
ささやく
「ただいま・・・」
あっ
帰ってきたの?
君と出会ったのが
いつだったか
どこだったのか
思い出す前に
懐 ....
白く煙る街
追いやられた通り雨
きみたちはあまやどりをしていた
廃屋からきこえるメロディー
甘く官能的にせつない果実
雨音がいまも耳に残って
すでに誰もいない
....
現代詩の向こう側で
、君は大味の言葉を砕いている
現代詩の向こう側で
、君はいかにもな表現を潰している
現代詩の向こう側で
、君はそれらしい物語を消している
それは確かなことだ
....
波の音
水辺を尖塔がたちならぶ
人が、」」祈りに神を利用することをやめた 昔
億年の昨日
名立たる街がここにあった
砂丘に廃墟となした オベリスクの針は
そら物語 ....
雨が地面を濡らしていた
使えない鏡のように濡らしていた
空は雲に覆われていた
寂しい景色を高速で行った
雨の日のダルビッシュ
おまえもこんな気持ちなのか
だから虚空 ....
お昼休みの中庭に
理科部の男子が
窓から放したハムスター
クローバーをむしゃむしゃ食べた
タンポポも食べるよって
誰かがいった
ストローみたいな茎のはじから
食べていって
....
いつか星のきれいな夜にきみと東のそらをながめていた
銀河のはしっこから星がもれおちてきて山の斜面に
まるでとつぜん咲いた花のように青く白くちりこぼれた
星のかけらを幾片かぼくらはポケットに ....
130924
ケミカルシューズの紐が解けるまでが勝負だ!
見得を切った連合軍対枢軸軍の狡猾な切り崩しが続く
非戦闘員 ....
あの日脱ぎ捨てた古い自分が
心の隅でそのままになっている
糸の切れた人形のように
死よりも冷たい生者の顔で
ポンペイのように時の塵に埋れ
欲望の形に空洞化した遺骸あるいは
まだ温も ....
王女の名を持って生まれ
運命のいたずら
雑草の間に
根を下ろすことを余儀なくされても
小公女のように気高く
品位を忘れぬ立ち居振る舞い
汚れない肌
たとえ
嵐になぎ倒され
獣に踏みに ....
いつもすでに記憶だった夏の日に
俺は裸体を晒した少年少女達と
沖合を鳥が群がる海を見たかったが
だれひとり気付かぬうちに
海原を舐めて広がる火の言葉に焼かれた
熱気だけが渦巻く無音の嵐に ....
わずかに赤を含んだ
初秋のねこじゃらしが
風にそよぐ
そよがれて
よみがえってくる
植物ではなくて
あいつらのしっぽだった記憶が
猫が
ねこじゃらしの横を
素通りできないわけは
....
雨にとけてしまいそうなウチ
それでも傘に入れてくれるん?
いっしょに流されてくれるん?
闇に揺らめく蝋燭の火をじっとみつめて
僕は問う
――どうすれば夢は叶う?
ふいに背後を行き過ぎる謎の影は
声無き声で囁いた
――その階段を一つずつ上るのみさ
....
会社の帰りがけに車を左折させる
道から少し離れてある実家の林檎畑が見えてくる
減反した田んぼに育てた林檎の木
今はこの世にいないはずだが 父の幻がいる
畑が物陰になり見えなくなると
右側の田 ....
あなたが泣くのなら
そのとなりで
わたしも
黙って泣こう
そう思わずに
い ....
いろんな恋の末に
じゃがいもが
えらんだ相手は
いつも隣りにいた
にんじんで
....
にぎりしめていたこぶし
ノックすることも許さず
かたくなに
閉じられていた小部屋から
誰にもうちあけたことのないまま
幾重にも折りたたまれていた
願いが
決意のように
ひらく
....
僕が君にかけた言葉に
足りなかったひとつまみの愛
投げやりになって疲れ果て
忙しくってもこれにまさるスパイスはないんだ
わすれちゃあいけないひとつまみの愛
ありあまるものでは替え ....
誕生日にひとつ歳をとる
それにぼくは一年くくられる
ぼくはなにかと似ているなあ
なんだったっけと考える
そうだ水だ
実体は変幻しながらも
本質を失うことのない
....
わたしの母は詩をかいていた。
いつもテーブルの上に無造作に置いて
あったのでたまによんでは見たけれど
それはよくわからないものであったよ
うに記憶している。そもそも小学生の
わたしにはよ ....
ねじられた
つぼみは
夜のさざなみに
ゆるゆると洗われて
空が
ほんのりあけるころ
星の形に開きます
命、うすむらさきに笑ってる
私の心も
ほどけてゆきました
盛り花ひとつ
妻の心は本当に強し
冬の寒さ
夏の激しきめげず
クリスチャン宣教なし
笑顔たやさず
ひとつの盛り花
今朝生けけり
かわゆげなる生け花
妻の口のごとく
品よき花 ....
本日は
絶好の洗濯日和
見上げる雲は
穏やかな光に浸されて
へたくそな君のハミングが
靴下とシャツの森で揺れる
色とりどりの洗濯バサミが
タオルと枕カバーの ....
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* おばけあります
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居酒屋の柱に 【おばけあります】ってあるから
....
130920
素直に非を認めないのは
家の躾が悪いのだと
親まで叱られている
其れには大いに腹が立つが
全知全 ....
最前列に磔刑宛ら固定され
急な坂をゆっくりと上って行く
頂上に何が待ち受けているかは分っている
(何故こんな日に雨が降るのか) から
(何故雨の日にこんなことをするのか)
思いを行き来する疑 ....
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