すべてのおすすめ
あかも。
....
ここに
コンクリートの破片がある
砂と水を固めて
作られた人工の石たち
人が集う会館になり
公園の遊具になり
学校の名を刻む門となり
新しい道となり
駅となり
小さな島に架かる橋 ....
傷つく準備
傷つかない準備
私は傷つく準備のほうをとる
一人では生きてゆけないから
なんども分かったことだから
傷つく準備のほうをとるのだ
傷つく準備
傷つか ....
台風の目の中で
りんごの皮をむく
なすがままに
つらつらと
草原を照らす月を眺めていた グレイハウンドバスはバーモントの月に似合っているし
僕に煙草をおくれよ まだポケットに残ってる筈さ ねえ君
僕たちは広いこの世界を放浪してきた 旅の終わりはいまだに ....
梅雨の合間の抜けるような気候に責任はない
ただ
普段よりは眩しい昼下がり
向かい合うその人を連れ出したことには
ふわふわとした意図しかなく
上ずった笑顔と屈託のない笑顔を並べて
....
ジャンヌ・
エビュテルヌ へ、
{ルビ類=たぐい}なく
五本、僕には絵筆を自由にする指がある
夏の陽射しのなかで
あからさまに 風景を絵画にきりとりながら
固定らし ....
妻の花々と野菜たち
妻と農協へ行った
大きい肥料の袋
を二っ買った
朝には青い朝顔が
三つ四つ笑顔を見せる
花と野菜たちに
たっぷりと肥料をやる
すくすくと育つ
みどりのト ....
不幸な少年はバスに乗る 何処へも着かないバスに 最果ての街に行きたかった
月の無い夜に生まれた いつも夜を宿している 言葉を持たない
銀河の端っこから滑り落ちてきた魂だもの 空を見上げる
....
おいてきたものに
未練はない
きれいさっぱり
忘れるのみ
遠くに
海を見た坂道も
庭に置いてきたつるバラも
咲きかけていたリラも
つぼみだった
ラベンダーも
既に
季節は ....
平和な殺戮は淡々と行われる
青臭い血の匂い 寡黙な絶叫
ゆるやかな風は心地良く運ぶ
住居を追われ逃げ惑う虫たち
ピンポイントで狙いを定める
鳥たちは戦闘ヘリ
うららかな陽射しの ....
笑え、笑え
この世の下らぬ嘘を
全部笑ってやれ
その嘘で人を騙す者を
笑ってやれ
その嘘を信じ抜く者を
笑ってやれ
その嘘を愛する者を
笑ってやれ
その嘘に一生を賭け ....
「はい」その一
はい!はい!はい!はい!はい!
はいは一回!
{引用=はい}
「はい」その二
はい、はい、
はいは一回!
{引 ....
淡い光があたりを満たしている そういつもそうなんだ 違った世界
瞼の裏の光景さ 気にするほどでもない そうさ海をゆく
失速してストンと墜ちる そんなことを繰り返して生きている まあいいさ
光 ....
父は修行中らしい
はじめての経験だから
父も大変なのだ
だから みんなで助けて
供養して下さいと
和尚様が言う
およばずながら
いちの子分 長女 私
そのに 長男 次男
そのつれ ....
不規則に配置された
文字間から
いつも僕は
君の世界に忍び込んでいた
大雑把な地図しか
持っていないから
いつも僕は
君の世界の迷い人のひとりだった
草原の向こうから
手 ....
日比谷線はいう、秋葉原、小伝馬町、人形町、人形とは「ひとがた」、エレキテルな水平移動の装置から視神経に憑りつく駅名は、脳のどこかの襞裏で痺れ、角砂糖のように崩れ、蟻の行進に流れてゆく、投げ返してくる、 ....
{引用=
谷の戸に
雨景の万華鏡をのぞけば 幾何学の
狂い咲く色のはざまに
あのときのアマガエルが いました
肩をはじく雨の
その中を走るのが、好きだと
狂人のように喜びな ....
ギターは女のよう 心をこめなければ響かない
ギタリストはやわではいけないんだ 夜は長い
ときにしくじる事もあるさ ときにはね
でもねインプロビゼーションは最高 もう漏れそうだぜ
雨上が ....
一筋の糸のように
あとからあとから
繋がっている
連れてくるのだ
思いだせない何かたちを
そんな蜘蛛 ....
いつもその日一日生きれればいいとおもっている 多くは望まない
望んでも身の丈に沿わないものは無駄になるだけ 誰かに進呈しよう
身の丈に合わない結婚生活のなかで似合わない幸せを願った事もあった ....
圧縮された白い時間が
空に取り付けられた
タイマー仕掛けで吹き出した
入道雲
あなたが使うシェービングクリームみたいだ
毎日せっせと伸びるヒゲ
剃っても剃っても
誤作動せずに
めげ ....
ポプラが空を掴む
悲しみにざわめきながら
母の袖を引く幼子のように
風の指先がかき分ける
激しく 優しく
トランスする巨人たち
幾千万の囁き
言の葉は巻貝を廻る
古の涙から ....
ウハって
穴をのぞいて
エって
みあげたら空
竜骨座の主星カノープス 大小のマゼラン星雲 月に遊ぶ人魚 南天の星々は僕を魅惑する
散文的な日常 それも嫌いではないのだが 僕はほんらい空の生き物らしい
ただ地上では羽をもがれたバッタのよ ....
少し横顔を見せただけで
思わせぶりに去っていく夏
雨が 家々のトタン屋根から
ライラックの葉の一枚一枚から
信号機の黒ずんだカバーから
夏を洗っていく
雨が 夜更け ....
ぼくは
命なのだろうか
魂なのだろうか
心なのだろうか
精神なのだろうか
それをいつか感じられたら
ビジネスで
文学で
愛で
ぼくたちで
....
ひたひたと
ありったけの水を吸い上げ
あおく
あかく
丸く
咲く
装飾花は結実しない
ただ
水をひたらせる
小雨
大雨
さみだれ
にわか雨
夕立ち
根拠のない憂鬱 ....
谷中ぎんざの通りには
石段に腰を下ろした
紫の髪のお婆さんが
せんべいを割り
群がる鳩に蒔いていた。
向かいの屋台は
木の玩具屋で、おじさんは
「ほれっ」とベーゴマを ....
私は人に、まかせます。
一つの大事なお仕事を。
おまかせするということは
人のこころにいらっしゃる
神におまかせすることです。
そうして神のお返事は
日々、目の前にあら ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142