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また明日
と別れたゆきちゃんと
夜中にあいました
夕方、
星空、
寝てたら来る次の日は
まっさらな明日のはずだった
新しい明日のはずだった
夕方、
星空、
爆弾、
爆弾
....
つらいことには傷付き
楽しいことに笑って
嫌なことに怒り
中には歌が流れていて
石を見ると喜んでいる
君とはたぶん
最後の二行だけ
ちがうだろう
一度目
道に迷う
二度目は
短縮展示のため時間外
三度目、
祝日の関係で振替休み
四度目
ふてくされて向かわず
そして五度目
の
有楽町の美術館は
中に入れはしても
常設展 ....
上司といういきものは
おそらく有袋類らしく
どこか体の内側に
たくさんものを隠せるようだ
頭の先から爪先までの
ながいながい煙草とか
ちょっと一本、と出掛けていって
ずっと帰ってこないよ ....
おにぎりを握るてのひらで
詩を書いた
いつか
おにぎりのように
なるように
国道のショッピングモールに
右折して入る車たち
小さな神社と
むかし何かがあった海
忘れたい人と知らない人が
割れ目から這う
つるくさに
コンクリートを重ね塗りする
ああ
....
県南の町を
目指していくと
いつの間にか
新しいバイパスに入り込んでいた
どこでわかれたろう
さっきまで 慣れた道だったのに
わかれ道すら気付かず
私たちは
知らない道を渡 ....
太郎の家にも
次郎の家にも雪降る中を
黒いカラスよ突っ切って行け
日も昇らぬ日本海の岸に立ち張り上げる人の声こそ朝陽
まる
を描いてください
○
もうひとつ まるを
描いてみてください
○
...... ○
そのまるがぐるぐる
うろうろ 歩いていると
ほんの一点が触れることがありました
....
社食から見える
向かいの会社の平たい屋根から
ぽとぽとと
雪のかたまりが落ちていた
そのリズムは
なんだか
アヴェマリアに似ていた
某神様は
奇跡のようなのを
起こしてるのかもし ....
学校で
話しちゃダメよ
うちでどんな
新聞とってるかなんて
話しちゃダメよ
お父さんとお母さんが
どこの党に投票したかなんて
どうしてお母さん
戦争は人が殺されるから
反対っ ....
誰かを責めることは
何かを為すことではないと
知っていながら
思っていながら
それでも
こんなにも難しい
ここでは
わたしには
まだらの夜に一声
鳥が鳴いた
かじかんだ足が
....
僕が好きなのは
きっと 君ではなく
君の声
澄んだような
歪んだような
僕が好きなのは
きっと 君ではなく
君の姿
分度器ではかった
かざりもののような
僕が好きな ....
穴を測る
縦の長さと横の幅と
私がよじ登ってきた深さを
塞ぐのに必要な
土の量を知るために
そして
もし塞げないならば
この穴を渡す橋を
かけるために
土に手を置いて
穴を ....
逢いたいという気持ちは
雨風に擦りきれ
いつの間にかぼろになった
継ぎもあてられないほどに
擦りきれたこの気持ちを
もうこれきり
引き裂いて
わたしは 織ろう
愛しいや あこが ....
この路地のつながる先がどこなのか知るはずなのにわからなくなる
とちの実が落ちてきますと言うから手を繋いで走った
ほとんどがみどりの中にひとふたひら色素の薄いきみの熱情
内陸の町の夕陽 ....
咆哮せよ
のどからの
ひ弱な声ではなく
身をふるわせて
黒々とした
月の照る下
咆哮せよ
咆哮すればこそ
きみの声は
艶やかな音の 一点を突 ....
あなたと私と
彼女は
私を真ん中にして
つながりそうで
つながらない血筋
それなのに
なぜこんなにも
目鼻立ちが
風情が似ているのか
誰もが認めるほど
あなたと私と ....
あいだに ある フェンスに
ひとすじ
つる が 絡み付き
夕にしか咲かない花を
咲かせている
僕は 動かない
動かないまま 君を見ている
動かないまま見ることが
いつのまにか ....
透明なビニール傘が
人の間をいったりきたりしている
ときおりの悲しみや
優しさのように
きのうまであった
いのちです
花ばさみ取ってけねが と
庭からあなたの声がする
走り寄って
手術用具のようなそれを渡すと
あなたは百合やひなげしを
少し摘み取ってくるのだった
花ばさみ取ってクダサイ と
庭か ....
はいよ、どうも。
…ここかい?あんた、お客さん、虹の市は初めてなのかい。ここは反対屋さ、そら、そこらに反対が売ってるだろう?そっちの端が一番安いので、お客さんの正面ぐらいがまあ、ほどほどの反 ....
ひらひらした服で
私の少し上を走り抜けるあなたは
真上からの光で
まるで影法師
暗闇のあちこちに手を振ると
また走り出していく
愛憎を背守りのようにくっつけて
....
用の美から外れた私は
フルーツサンドイッチを頬張る
血肉にはあまりならないが
構わない
用の美から外れた私は
生き抜くと定めたことからも
やっと少し外れた
新緑の下
鼻唄を歌う ....
れんぎょう
れんぎょう
れんぎょう
と三回呟いたら
小さく黄色い翼がはえた
小さすぎて
私の身体は浮かないが
こころは先に
あなたのもとへと行けるようだ
右にはスミレが咲いており
左にもスミレが咲いている
何もないのは中道だけだが
そこには黄色い蝶が飛んでいた
左右に弾かれながら
けれど前に
ありがとう
ごめんなさい
あいしています
ともうひとつを呟いて
にくしみや
せつなさや
あのひとを
まっしろたいらにしたら
じぶんもすきで
ぐっすりねれて
世界もや ....
目ェ凝らすと
吹雪のなかサ
色んた色した人たちが
手ェあげておどってらった
赤ェの青白ェの、黄色いの
さまざまな手やら足が
終わりの雪のなか
ヒラリヒラリとおどってらった
あぁ ....
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