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緑の角柱
ビルの屋根
聳える街の
ショー・ウインドー
マネキンガールの姿には
なんとなく
緑の角柱のように
細い姿が浮かんだ
川の流れの水色に
澄んだ水が
ショー・ウィンドーの ....
出かけるのなら
帽子を被ってお行きなさい
いざという時には
バケツになるから
出かけるのなら
傘を持ってお行きなさい
空から降ってくるのは
優しい雨だけと限らないにしても
出か ....
強烈な腐敗臭がする
淀んだ汚いドブの水に
長い間 私は浮かんでいた
そこから見える空は
暗雲に隠れて 鈍い光を放つ
偽者の太陽だった――
這い出そうとすれば
誰かが足を引っ張って ....
やっと今日の仕事が終わった
選び間違えた 水の様なアイスコーヒーを飲み干して外へ出る
工場の騒音のなかで暮らしていると帰る頃には
虫の音なのか 耳鳴りなのか全く区別がつか ....
特別養護老人ホームで
夜勤のアルバイトをしている
夜勤明けに施設の門を潜ると
男子高校生が
度胸試しに
施設から出たゴミ袋
すなわち
うんこ山盛り袋にタッチしていた
元気な俺な ....
そう多分必然とそうなってしまうんだからそう思うのは私が休む間も無く歩き続けている最中だから関係性が焦れて塵になればよいのにと両手を伸ばして空に考えている記憶を媒体を変えて未来中に描いている現在を通過中 ....
考え過ぎると
知恵熱が 出ると
知った
冷たい汗を
拭う瞬間に ばかり
ゾクッとした
感触が
ぬるり
張り付いて
離れない
いつから
瞬間接着剤に ....
先が明るいから
感謝するような人生ではなく
感謝に満ちているから
先が明るいと思える人生がいい
そうしたら後悔や嫉妬や疑念
そんなものもなくなるのだろう
秋の光 ....
冷えすぎません
電気要りません
上の空間に氷入れます
その氷が溶けるまでです
わたしがアイスボックスでいられる時間は
あなたからもらった
昨日の茉莉花が
せめて今日だけでも
芳 ....
アリエッティににてるから好きって
きみは、わたしのせんたくハサミのようなかみどめをはずしながらいった。
わたしはこびとじゃないわって
いうと
きみはこいびとだよっていって
かみをくしゃくし ....
新月欠けていく パリ 香港 アメジスト
私に優しいあなたは
私じゃなくても優しい
それが悔しくて
唇を強く噛みしめる
ひとり占め出来ない男は
心を{ルビ蝕=むしばむ}む
胸が苦しいの
肌が紅く染まっていく
女の身 ....
美しいモノが見たいというなら
それはもう美しくないかも知れない
汚いモノには目を覆いたい
だけど匂いはどうしようもない
私はたくさんの言葉を紡いできた
そこには僅かな真実があったのか ....
私の耳元で
乾いた音がする
してはならない
タブーを誰かが冒す
音がする
見てはならぬ!
呪いを架けた
白いヒトガタ
ロザリーよ
おまえもまた結界を超えてゆくならば
自 ....
虫の鳴き声がする
星が動くように見える
夜の高くを
何処かのひかりを
吸った雲が流れていた
別れ話のそのあとには
永遠のふりをした
永遠でないものが
....
疲れに目を瞑りほんの少しの間
眉間に指を押し付け俯いていると
瞼に張り付いた幾つかの映像が
こっちを向いている様な錯覚を感じる
かつて焦がれていた横顔のよう
微かに心奪われた笑顔のよう
....
あなたの瞳に、僕が映る
僕の瞳に、あなたが映る
あなたの中に、僕はいる
僕の中に、あなたはいる
あなたの内に、天はあり
僕の内に、天はあり
天の内に、僕等はいる
....
夢をごらん
今の君だからこそ見られる夢を
その身に纏う翳りさえ透明なうちに
夢をごらん
翼ある夢を
コーヌコピアから溢れる花と果実に
彩られた夢をごらん
君の心から生まれつづける ....
「あの子が嫌い」
と
彼女が一言そういえば
パタパタパタパタ
音を立て
私のオセロは翻る。
黒なら白に
白なら黒に。
「あの子が嫌い」
と
彼女が一言そう言うたびに。
....
コスモスが道をふさぐ
迷っている私をみすかすように
濡れたコスモスが
ふれて冷たい
いかなくちゃ
そうおもうときほど
いかなくてすむ方法を
想ったりする
大人になるって
迷わ ....
やたらめったら起こる奇跡を奇跡と呼びたくない
生臭いゴミの匂いがした
いい匂いのふりをしていた
季節の夕暮れのひかりに
ぼくは金木犀じゃないかと見回した
歩きだせずにいた
ひかりは姿を
ゴミの匂いは形を
....
パントマイムの光る町で
100円玉を 見つけました
なんて 格好良い セリフを
吐けたならば 幸せ
履かれたならば 臥しあわせ
マッサージ タイムには
上に 乗っからないで 下さい ....
見上げた灰色の空に
風が答えるように 霧雨をよび込む
屋根岩二峰
小さな張り出しの下にたどり着いても
漂う水滴から 逃げる事はできない
吸う息も 吐く息も
踏みしめ ....
美術の造形で手の形のを作った。
更衣室で皆で
蹴って遊んでいた。
そうしたら私の蹴ったのが
友達の目の上に
当たってしまった。
縫ったそうです。
傷は一生残っている
とても大切 ....
朝起きたら
おもいのほか寒かったのです
肩がひんやりします
すっかり秋ですね
早起きしても
ひぐらしの声はどこにもありません
朝起きたら
寝違えていたのです
眠りながら何かを間違う ....
9月からアメリカの小学校に入学した娘
2日目の朝吐き、早くも欠席
3日目お腹が痛いと昼前に早退
4日目から毎朝目が覚めると学校に行きたくないと、泣くようになった
「なんで行きたくないの?」 ....
それぞれの許されない世界は
こまるかもしれない
パートのないオーケストラは
ハーモニーを奏でない
ぼくは遇いたくない人間にはあいたくないと
思っている動物
話したくないのはぼく ....
人を
ただしい場面で
ただしい順序で
ただしい角度に
揺すると
泣く
そのただしさを
習得することを
愛とか技とか
呼ぶ人びとを
軽蔑し
憎んでいるわたしも
ただしい角 ....
秋とは肩を寄せ合い歩きたい
約束なしで出会っては
流れの渦に留まり続ける
紅葉とイチョウの落ち葉のように
ゆっくりと語り合いたいものだ
何一つ声に出すこともなく
....
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