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透明な地図をつくるような風は、きみの小さくふる手のかたちをしていた。
無数の髪は今日も伸び
目は開き
耳は聞き
鼻は吸い
口は吐く
首は支え
手は掴み
左の胸は一生涯とくり、とくり、と脈を打ち
腹は昼頃、鳴るだろう
そしてお尻はもよお ....
――おや
結婚飛行に乗り遅れたのかい
風に煽られ一人きりで
なんとかしがみついたものの
車のフロントガラスじゃ洒落にもならないよ
こんな剣呑な崖を登り切ってみたところで
そこには余計強 ....
病院の待合いの長椅子で
おじいさんがあくび
おばあさんがあくび
その隣のおにいさんもあくび
くたびれた私もあくび
うっかりもらっちゃったけど
あくびの正体は知りません
からくりがあっても ....
心を見た人はいません。
心に手をふれた人もいません。
それでもみんな
心の場所を知っています。
もしも心がなかったら
今日のあなたは、笑わない。
昨日の私は、涙を流さな ....
葉月の昼下がりのどうしようもなくもてあました窓の
したで、たったいま、わたしにできることをすべて思
い浮かべてみても、ただ、雨の日の猫のように四つ足
を投げだして眠ることしかできなかった。
....
ゆっくりと目覚めた休日の朝
起きるとテーブルにはもう目玉焼きができていた
おはようを交わしたまではよかったのだ
目玉焼きの ....
いまさら、あきばではないだろう。そのくらいわかってる。まきばの朝でもない。こそばゆいメルヘンみたいで絶対ありえない。むしろ上野だな。まだまだあまちゃんだし、じぇ!が足りないし、
夏ノ雨にとけたトイレ ....
海馬が海を欲しがる
海馬が馬を欲しがる
僕は君を欲しがる
非常に脈絡がないが整合しているさ
君の内臓を貫いて心臓へ達する
もちろん致命傷だ
それが僕の返礼
海馬は賢いんだから
海馬は透 ....
仄かに月は翳りようよう薄明が始まろう
短縮された歴史はこの一点に凝縮する
ストレンジデイ 僕は 獣になっていた
フロイトに精神分析されている夢をみる
そう僕の中の彼女を苦しめてはいけない
僕 ....
僕は今日は怒ってないがいつか拳振り上げて立ち上がろうと思っているんだ
何にって 僕にもよくわからないんだが 何か僕に巣喰う不条理とか
それは俺がお袋の熱いあそこからうまれた証なんだ
....
罌粟は魔性を見開いた
空の喀血の真中から
影だけが祈る 青く
静かな蜥蜴のように
ミツメルカワタシヲ
陽炎を纏った男がひとり
抱えた鞄は石ころだらけ
左手で心臓を握り潰 ....
ねぇ、知ってた?
あの、蒼い、碧い、
青い海はね
たくさんの、たくさんの
みんなの流した 涙でできてんだよ。
涙って言ってもね
たくさんの、たくさんの
....
【恋するシーラカンス】
次ニ カラダガ アクノハ イツ?
湿った瞳で 体の中をのぞいても さあ
青天も 深海なのよ
るりいろが ひるがえるパチンコ屋の銀の壁面 巨大魚に想える
あ ....
めまいがする
にじんでいる
なみだがとまらない
さけびたいのに
おれのせいなのに
こころなんて蟻さ
きよらで柔らかな生き物に
知らぬまに踏み潰されている
....
撹拌されて
まじりあう
フラスコの中の
時間が
わらわらと踊っている
次第に
重さを帯びた幸せは
底で沈殿する
浮かびあがる
透明な
うわずみ
暑い暑いと胸元はだけ
えりあし抜いて横座り
片手で団扇あおぎつつ
茗荷の香る素麺すする
今さら色気もなかろうに
....
福の種をききながら、ビールをぐびぐび
柿の種を、一粒、二粒、
あれあれ、福の種未満に見えてきたよ
*YouTube 福の種 (チャクラ)
http://www. ....
喉元を過ぎた熱さは
記憶の端に刻まれることもなく
ボトル半分の濁り水とともに
朝焼けの彼方に消えていく
問題と解答を丸暗記するだけの
退屈な学習にも飽きて
何度も同じ過ちを繰り返し ....
妄想も思い出にしている
アンコールのためのステージがある
おとこに捨てられた、
だからノラ猫になった
夜空をみあげにゃあと啼いては
まんまるお目目に三日月うつし
うろついた夜の街には
千鳥足の奴らがい ....
読みきれない程の本たちの 眠り眠ってる図書館で
そうね、壁は紫がいいわ 綺羅綺羅してるの、ライラック色
甘くて甘いアカシアの 薫りに溺れるその広間
私は独り、泣いて笑って 踊 ....
力、強すぎませんか?
....
きみのゆかた姿が見たくって 誘った夏の金魚花火 まつりの雑踏の中に 大好きなきみのうなじ
手と手をつないでぶらぶら歩く でも知ってるんだ きみが想いをよせてるひとは俺じゃないって
いとしの ....
あつい雲に夜空は覆われ
月の光がとどきません
それでも夜空をみあげ
かすかな光を探すのです
愛を謡う千の夜がありました
....
阪神野球チケット
神宮球場野球チケット
甲子園かと思ってしまった
ぬかよろこび
めがよろこび
阪神野球チケット
神宮球場野球チケット
甲子園かと思ってしまった ....
幼い子供達とはあまり遊んだことがなかった 家のローンがのしかかっていた
人生でもっとも不要なもののために 一番大切なものをないがしろにしていた
時代の風は遥か家族の上空を吹き過ぎて行ったさ ....
ぼくはさびしくなんか
ぼくはむなしくなんか
ないよ
なし崩しでいいじゃん
つぎはぎだらけでいいじゃん
どうせみんな
脳をだまして生きてんだ
脳だまされて生きて ....
夏の葉がそのままの
あめあがりのみどりに
あたたかく包まれながら
夜の遊歩道をたどる
いい匂い
みぎめのほうが
いい匂い
柔らかくしかさわれなかった
ぬ ....
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