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さいごの蝉が

真夏のふりをして鳴いていた

この坂は高校のときあがっていた

風が吹いていて

UFOみたいな雲がどきどきした


ぜんぶはぐれ雲だ

ぜんぶひとつの空だ
 ....
全部全部ネットの上にあるなんて思うのは大間違いだ
本当に伝えたいことはこんな画面の中にはないのだ
夕暮れの空の色がグラディエーションで変わっていく美しさを
言葉で表現することはどだい無理なのだ
 ....
今年さいごの蝉が叫んでいた

地球さいごの涙が溢れていた

時計はもう戻ることはないのだ

だから哀しみ導いてゆこうか

せせらぎに小石の色

真っ白い月に青い影

海にささや ....
テステステス
ユーフラテス
私の苦しみを
君は知らない

周りの人が
助けてくれる
正気と狂気を
さ迷い歩く

自分が悪くないと
答えが出る。
全ては良い方向に向かっている
 ....
女と女の親戚と三人で喫茶に入った

そのときの女のやわらかな目とちからのぬけた肩や背中を

今日はなんども思い浮かべてしまう


あのときぼくは女の血族だったのだ

女もそう感じてい ....
今夜月は小鳥の詰まった冷蔵庫で
君は蟹のはさみの間で夢見られた砂の花
だから僕は君にバンジャマン・ペレの詩のような
曲がりくねった定規に満ちた美しいキスをする
「絶望」という名の燃え上がるバー ....
蝉の鳴き声が止んで
鬼ごっこしていた子供達が
みんな消えてしまった
木陰の小さな窪みには風が休んでいて
小さなため息を一つついている

じっと息を潜めていると
いつの間にか違う世界に
 ....
 
 
あの日、きみと
秘密の場所に埋めた
玩具のクハ103は
地下鉄になって
今ごろどの辺りを
走っているのだろう
お腹の弱いきみと
意気地なしのぼく
二人を乗せたままで
 
 ....
きょうもいくつか裏切られ

それでもきょうは平穏だった

この夏スーツで通した俺じゃないか

たとえ悪意があろうとも

悪気はないんだ仕方がないんだ

日々の試されに

逃げず ....
やさしさが雨になって/降り注いだ真夜中

渇くばかりの僕達は/いつだって孤独が恐ろしいということを/宇宙に吐き出している

うちゅうは こどくの かたまりだ

真夜中の雨/さびしいと哭 ....
咲いたあとのしなびたアサガオ
ひらひらとゆれる紫のスカート

ただ今はパンをたべる
わたしは夜が明けたのでたべる

すー とする空気
誰かのたんじょうび

そのことばのままに
手を ....
重みのみ
かたどられて
古びたソファに
なお
居つづけるものあり

存在しないことの
実在
居つづける
無きもの

その日の窓枠が低すぎたので
思惑どおり
その人は落ちて ....
          
悪い癖だと叱られた
食べてすぐ横になると牛になると言われたが
病人は食べてすぐ横になっても
牛にはならなかった
子ども心に不思議に思った

病人は注射を打っているか ....
幾世紀もの家族がつながった半島の先端
岬はいつもそこにあって
空と海の高さを測り 
見知らぬ明日の水平線を描いてきた
海を渉る鳥たちのために
半島に帰る人びとのために


灯りの落ちた ....
{引用=一}

地面がないときは歩かない
そう決めてたっていうのに
地面がない
地面がない
地面がない
ぼくはこわくて ひたはしる

足がないときは歩けない
そう思ってたっていうの ....
君がまだ小さい頃
仕事が一段落すると
すこし秋めいた アスファルトを歩いたっけ
まだ うまく喋れない君の
小さな手を引きながら
やっと歩くことのできる君にあわせ
二人で歩いていた
あたり ....
毎日が慌ただしく
そしていつも半狂乱の俺
今日も寝返りをうって窓ガラスを割り
半裸で流血している
茫然自失と疲労困憊……

明け方の憂鬱と
夕べの倦怠が
俺を無気力の彼方に押し流す ....
もう骨身にしみて
地上の風景が分かっている我々。
地上には乾涸らびたバッファローの頭蓋骨
灌木に砂、掴むことの出来ない短い丈の草と
土煙を上げて往来するトラックの群れ
遠景に岩山が望めるが
 ....
水たまりに映る月影
安堵の帯びる人々の話し声
再び訪れた平和

通りはいつもより少しだけ明るい
やまないあめの
のきしたでまっている

おじぞうさんが
むかえにくるまで

ひとがてのひらを
あわせている

いのちが
あめになるまで
靴下をはいた雨が
廊下を明るくたどる

つめたいの 爪に隠れる
雨の手

この指で消えてしまうと
笑いこむ 

トタン とたあん

泥つぶ ついた足
で ごめん



 ....
止まっている
と言われた
アルバムの狭間で色褪せていく夕日だ
と言われた
食べかけたパスタの山麓で
僕は唇を噛み締めた


進め!


滞っている
と言われた
だまし絵の ....
トランク一つで旅に出よう
遠い遠い異国の地へ

木の橋を渡り森を抜けるのだ
憧れていたムーミンの家
扉をノックしたのなら、彼は出迎えてくれるかしら?

可愛らしいお家の中で、お茶 ....
彼岸花が咲く
ある日突然咲いている
地獄の手紙みたいだ
曼珠紗華ともいう
けれど茎だけの禍々しい紅色の花は
なるほど死人の声を思わせる

秋の野面に咲いている
風は盲を押して行く
つ ....
ろうそくの寿命を
保たせたいのなら
使わないこと

点けても
すぐ消すこと

大事に
大事に
しているうちに
なくしてしまう
こともある
けれど


(おまえは
 ....
車のライトに浮かび上がったふたつの影は、やはりどこか
不釣合いだった。
男のジャンバーの下からはスウェットがのぞき、女は短い
スカートに、つんのめりそうなハイヒールを履いていた。

ヨシダさ ....
か弱いものでも生きてゆける
それが人間らしさってこと

それなのに時には誰かを押しのけては前に進み出て

この一歩が生死を分けるのよね
なんて言い訳をする




世の中は悲し ....
 
 
夕食の支度をする
そう言って彼女は
地下鉄に乗り込み
買い物に出かける

何となく僕は
ビールが飲みたくて
反対のホームから
地下鉄に乗る

笑っている人
泣いている ....
僕に詩(うた)を下さい
書き損じの紙切れ
池に舞い落ちた木の葉
真夜中の月の海

僕は何処かに置き忘れているのかも
駅の遺失物の棚
旅先のホテルの一室
ツンドラの森に

いつも
 ....
ふたり 夜空を見上げて
満天の星のした
夢 語り合ったね

不安な僕の心を
君の笑顔が支えてくれた
自信のない未来を
君が拓かせてくれた

ずっと君の隣を歩いてゆくと
思っていたけ ....
subaru★さんの自由詩おすすめリスト(4502)
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