あの夏の指は
空き地の夏草で切れ
薄っすら汗滲む指紋にぽつ、と赤く
劇的に熟してゆく果実を携えたように


あの夏の指は
空き地の夏草で切れ
何処にも行かないという約束 ....
お兄ちゃん、と
呼ぶのが
照れくさくて
そのまま
僕たちは年をとった。

あなたは家を出て
後を追うように
私も出て
あなたは戻り
あるいは他所の国へ
私は
死ぬまであなたの弟 ....
 深夜のプールに
 腹を裂いた犬の死体を浮かべた
 悪いことしてない
 したいからした
 細切れにされた僕が
 立ち尽くし
 一つしかない空の星を
 噛み砕いた
 
ちっちゃい鯨ね
ぼくの絵日記をみて母が言った
海色の夏休み

まちの博物館の
部屋いっぱいに展示された鯨の骨を
ぼくたちは見上げながらスケッチした

せんせい、鯨も夢をみますか ....
錯覚でもいいから一生最後の花火 林檎のミニマル、goat-No.愛に he枯りの身chilL-e田園の墓地ckの
チューリップ誘うe蝶のSon美歌ルマ 歯車si-木の星、スタートL韻のsi-starと
D座す/tar×6咲き指ガ ....
じいさんが
あの世へいってからずっと
8ミリを回すと
青鬼が映る
8ミリを映写し
妻や子供との暗い部屋で
(僕だけが斜め下におり)
青鬼を見る
木や鳥居の影などに
七五三だというのに ....
スキップをしようよ
息が詰まりそうになるときなら
何故かあの歌があたまから離れないんだ
取り巻いてみようよ
風が吹かない岬に立つなら
ねずみ色のくちばしをこっちへ向ける前にさ
あなたは、元 ....
僕の家は
山を切り崩して立てられた新興住宅地
昔はベッドタウンとして高値で売られていたけれど
今は値崩れして
半値以下だ

僕の家の
となりでは
鬼が数匹、共同生活している
ルームシ ....
おとうさんは帽子と靴だけになって
夏はかなしいですね
おかあさん

虫は人になれないけれど
人は虫になれる
と母は言う
両手と両足を地べたにつける
そうやって虫の産声に耳をすま ....
髪なびく風通り抜けるTシャツの袖つまんだら恋走り出す

真っ白なシーツに夜を預けたら眩しい光に「おはようございます」

「おはよう」とまだ寝てる声で返事する眼をこする手すぐわたしに触れて

 ....
石垣りんさんのことを書かずに倉橋さん、つーのは、詩書きとしてどー
か、とも思えるんですが…。倉橋由美子さんの作品からは、ぼく好みの
何ともいえぬニオイがして、大好きな作家さんでした。

んで ....
マリブでは
雲をぬけたあと
大きな目をパチクリした
青空が見える

さよなら
昨日の恋人
黒髪腰の位置
のれんをくぐるのは楽しかったよ

雨降ってまだ婚期も来ないって
パンティす ....
{引用= はじめに断っておきますが、これはオリジナルではありません。
 格闘家の前田日明さんが語った少年時代のエピソードがあまりにも
 いい話だったので、詩にさせてもらいました。
 もちろん、ご ....
ずっと
胸のエンブレムを隠して生きてきた
正義のヒーローが
ひとりいた
今どき分りやすい悪なんて
そこらそんじょに転がってるもんじゃないし
ギターが弾けたらよかったのに
古 ....
ミュー頭の夜呼Towerる吐−寝具Ar棟、蓮tellアー句 Marsつんざき
e蝶theディーバ 砂糖バーの卒塔婆-2、印字は虹のイズ 空の椅子の再度の認識に
座る琴葉の 魔女リョーシカ人形の二行 ....
刈り入れ、葉、枯れ

わたしたち。   

貧窮は カタカタ  呼ばわる
明るさについて。

茎が折れ、そのあたりを、
嗅ぐ。     鼻孔、ひらき、
足も萎え、
何度もなぐられた ....
緑色の蛇になった私の左手は
悪魔に魂を売り渡そうと
日々 画策している

私の目を盗んでは
悪魔の行方を捜し回っている

赤く先の割れた舌をちょろちょろと出しながら
夜な夜な
徘徊す ....
てのひらのうえに
ころがるボールペン
1

かんがえごとをしていた
アンテナの感度オーケー
かんがえごとは好き
詩の神様が降りてくるのを待ちながら
かんがえごとをすると 頭が湯だって
ピキピキ ピキ ポン!
となる瞬間 ....
朝六時
七月の光が窓から差し込む
最愛の恋人の微睡を照らす
TAIYOOの声に
挨拶を交わす
白くはためく洗濯物たちに
神の存在を感じる
美しい寝息のリズム
天使の胎内の世界の中の
 ....
ネコとヒヒとワニとシロクマ
ビーバー シマウマ シマクリネズミ
ソフトクリームを持ってやるから
僕の側にいておくれ
針金式素敵な動物愛ランド
針金式です
外では大学ノート抱えて
学者号宇 ....
戦争は人間が人間にしたこと かなしむに生きているからちんこ勃つ 赤茶けた
ぬくもりの大地に
無言の歓声を喚げる。

曠野にひとりうたうピアノ。
いつもの駐輪場の屋根の上で
虎縞が昼寝をしていた

あいつめ、昨日俺の前に来て
にゃあと鳴きやがったが
今日はすやすやか

薄目を開けても
何もやらんぞ

ちんまりと背を向け
弛 ....
=僕の部屋=

サーッ、と鳴る音に起こされる。
彼女は、ベッドに腰掛けて白い窓を見つめていた。
息を潜めたまま、彼女のひえた背に手を伸ばす。
彼女は、黒いレースの下着が好みだ。
 ....
カブトムシちゃん
にこっと笑って
ぼくのこと
好き
って言って
くれるのかい
ぼくは都会がいやなんだ
看板と海だけさ都会ってのは
山がひどいんだ
シロツメクサがおうおうおれに
あたり散らすんだおまえのおまえのその
おまえのブルージーンズがきちゃない(汚い)んだってさ
 ....
***Letters***

Lineの上に寝そべって左足を立てて右足を放り出して右手は胸に左手はおでこに乗せてシュンっっとしている。

じりじりと蒸されているようだよ。

未ダ流れるこ ....
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