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なんだろな
被災地つらかろに
思って見てたら
こっちも同じ
つらさがあるよ
と思いはじめていた
だから
そこにいたら
あかんよと
いつしか
おしえられる立場 ....
一週間ほど、産卵床を守り続けていた雌鮭が
力尽きて、下流へ流されていった
鮭の婚活が終わった
命から命へ
そのために、生まれてきたかのように
産卵した雌鮭は、100%、死 ....
  
 
父の隣の病床に
テレビが入院した
治すよりも
買い替える方が安いですよ
と医院長は言ったまま
ろくな治療もしない
翌朝テレビは死んだ
....
息子もいつか
フルーツパフェに登りたい
などと
わけのわからないことを言って
この家を出ていくんだろう
わたしもかつて
プリンアラモードに登りたい
と言って家を出たけれど ....
お金を数えていたはずなのに
気がつくと
銀行の人は星を数えていました
こんなにたくさん
どうやって集めたんですか
と尋ねるので
生まれた頃からあったと言いました
使いきれない ....
戸棚のクッキーが
食べられていた
何もないように
皿だけ残して
同じ大きさの
宇宙の皿に
ふたたび
クッキーが現れる
ぼくに
食べられるために
わたしは男のくせに、何も出来ないのである。これでも妻と息子を食わせているつもりであるのだが、殊、家のことになると別問題である。
先日用事があって、妻が息子を連れて仙台の実家に帰った。 ....
都会はいいねと人が言う
暮らすところではないけれど
雪国はいいねと人が言う
暮らすところではないけれど
だから人は旅に出る
暮らしを離れ
夢を探しに
ふりつもったばかりの
しろいゆきをほると
くろいつちがでてきた
そのつちをほると
こんどは
しろいほねがでてきた
しろいほねをほると
またくろいつちが
しろいほねが ....
このきもこうよう
するんだね
そういわれるひまで
どれだけの
つきひをついやしたのか
たくさんの
ごかいがあった
このきは
きではないのかと
いわれた
ひも ....
ヒロシマ
といって
アメリカをにくんだ
フクシマ
といって
ニッポンをにくんだ
そうして
わたしたちは
にくむべきものを
みうしなった
いなほが
かぜにゆ ....
しぜんはとても
ふまじめだ
こどもができたら
そだてるおかねどうしよう
がくれきは
しゅうしょくは
せきにんは
なんて
まったくおもわない
ふりょうほど
し ....
ひとつになろうと
ひとはいうけれど
わたしたちは
はじめからひとつなのだ
それなのにひとは
ひとりになるために
ひっしにいきているようだった
ひるもよるも
きせ ....
せみが
ものをいっている
ぎえ
ぎいぎぎぎい
いったい
どんないみなのだ
いみをしって
どうするというのだ
かぜはなぜ
ふいてるんだろう
しんぞうはなぜ
うごきつづけてるんだろう
ほしはなぜ
そのほしをちゅうしんに
わたしがいなくても
まわりつづけてきたんだろう
....
はらっぱで
たばこにひをつけると
いきていくために
ひつようのないことばかり
どこまでも
ひろがっていく
けむりばかりが
どこまでも
うみから
さかなをとり
はたけから
やさいをとり
ひとから
おかねをとる
うしは
おちちをとられ
そうすることで
いきている
かこも
みらいも
....
がれきのなかから
はっけんされた
テーブルのあし
そのしたから
しょうねんらしき
からだがひきだされていた
テーブルも
わたしもないた
はしらもかべも
れいぞ ....
しんさいご
しばらくみなかったひとが
かえってきていた
しんさいまえと
かわらず
もうふいちまいで
えきまえでねていた
ひびわれた
ろじょうで
わらうしかなかった ....
ちょうむすびも
おりがみもない
とおいところで
そのこはまだ
だれもしらない
てあそびしてる
おかあさんが
だれかもしらずに
つち
などではない
いのちなのだ
ひとすくいの
つちを
すくうために
きみはいのちに
きがづいた
はたらきありが
よるになっても
すにかえらない
はなは
まよなかも
さいたまま
つきとほしは
たいこのむかしと
かわりなく
ゆうごはんを
つくっても
あな ....
おかあさんがだいすきな
ぼくがひとり
ここにいる
でもぼくは
ひとりじゃない
おかあさんがいるから
きっとわたしが
しんだあとに
そのへんじは
くるのだろう
はるになれば
つぼみがふくらみ
なにごとも
なかったかのように
あのときに
もどれないのだな
そのときに
いきていたひとに
あえないのだな
わたしたちは
じくうをこえて
いきている
ここでいま
いのちのひをともす
....
つまがねむり
むすこははなうたをうたい
やがてそのはなうたも
いつしかやみ
ねむりがおとずれている
はやくねむりなさいとしかりながら
ねむってしまったつまのこえも
は ....
異常気象の年の冬
街に米が降った
街と言っても
そこはかつて
田んぼだったから
不思議なことではなかった
スコップで
米を側溝に流しながら
街の人々は言う
この降 ....
かんらんしゃのまどから
みたけしきをおもいだしている
ひとがありみたいにちいさくて
たてものもおもちゃみたい
ゆいいつおおきくみえたのは
あおいそらとしろいくも
お ....
たんぼにたって
まっている
めをとじながら
まっている
いなほをざわめかせて
やってくる
かぜの
れっしゃを
あのよからやってきた
こどもがひとり
このよのしくみを
しりはじめている
あのよへいった
かつてのこどもも
しりはじめている
おなじそらのしたで
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