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嘘じゃなかった
嘘じゃなかった
嘘じゃなかったんだ
叶うことはなかったけれど
嘘じゃなかった
嘘じゃなかった
嘘じゃなかったんだ
僕はもうすぐなくなるけれど
....
道に数々の華が咲いて
水たまりに輪が広がってゆく
外に降る雨は
私の{ルビ心=なか}にも しとしと降る
そんな時は 心も身体も凍える
雨 雨 雨・・ ....
春の風のなかに
夏色がまじりだす
傷ついた心に
あったかさが
しみこんでいく
悲しいときは
めをつぶって
ロックでもきいて
大好きな チョコを食べよう
....
風が
砂の上に言葉を残していく
見えない指先が作り出す
美しい波
足跡を残すこと が
躊躇われる日に
その言葉の意味を知りえたなら
どんなに救われるだろう
....
朝、部屋の窓を開けると
鳥がさえずっている
実はあなた
この鳥ではないですか
朝、食卓につくと
あじの干物がでている
実はあなた
この、あらわに開きにされた
あじではないですか
....
「歪んだ世界」なんて言うけれど
この街は この国は この星は
一体いつから歪んでいるんだ
例えばこの「美しい国」ならば
戦後以降か 明治維新の頃からか
それとも織田信長の登場以来か
更 ....
一兆桁が過ぎた
誰か割り切ってくれ
そんな日は風呂にでも入ってさっさと寝よう
布のむこうから近づく光
同じかたちの虹に割れ
いつか集まり 一羽の蛾となり
風の重さを聴いている
葉と花の舟
水の上の いくつもの空
花ひらく音 ほどく音
ひとつひと ....
古びた大学ノート
色褪せたページに
静かに眠る
言葉たち
何年も前に
走り書いた
ほとばしる
想いの数々
作品と呼ぶのには
あまりにも
ふぞろいで
できそ ....
猫が
寝そべっている
にゃーん。
彼らはすごい
まるでかなわない
そのポテンシャルに
その存在価値に
それに比べて私はどうだ
大したこともできず
ぐしゃぐしゃとした ....
そうして 非現実上の 構築を 任される
モスキートの 如き 日々
天災の案山子の如き 残虐なる常
素直な 雑音は 0にも通じ
私らは かつて 鐘が 聞こえぬ
しかし 非現実は 構築の仕様 ....
夜が季節の名前ならば
今夜は惜春
雷雨が迫る黒雲
まだらに明るい空を映して
海が水銀のように揺れる
指先の温度が融点の
あなたという液体
わたしという液体
いつまでも
満たさ ....
風吹きすさぶ
いちめんたんぼ
古代からつづく広い空
一匹の虫は泳いでいる
とつぜんに
ふしぜんに
屹立し現れる
高層ビルの群れ
一匹の生物すら寄せつけぬ
冷たい石でかためられ ....
夕焼け空の中だった
買い物から帰る途中の道で
少年は子猫に向かって
石を投げていた
少年はすでに泣いていた
ぼくの家では猫は飼えないんだ
小さな声だった
ぼくが悪いんだ
お腹を ....
1
ひかりは、不思議な佇まいをしている。
向かい合うと、わたしを拒絶して、
鮮血のにおいを焚いて、
茨のような白い闇にいざなう。
反対に、背を向ければ、向けるほど、
やわ ....
ぞうさんみたいにやさしい目でいたい
くまさんみたいにふかふかでいたい
かめさんみたいにゆっくりでもいい
きりんさんみたいにながくいたい
そらいそげって
ムチ打たれたら
....
部活に疲れた放課後。
少し重く感じる鞄を左肩にかける。
ペットボトルのお茶で、からからに渇いた喉を潤すと、
いつもと違う道を歩いてみた。
最初に感じたのは、放課後になると、夏の匂いがするよ ....
橙の陽に染まる
館の奥の
床に横たえられたわたしの
からだを眺めていて
窓を開けていて
風に踊ろうとするわたしの
ドレスが乱れないように
見張っていて
そこから
流れ出る血が乾き
....
酒がキレた俺とアンちゃんは
「大きな砂浜のある」駅にあてもなく降りる
行商のオッさんはしゃべり好きで
列車の走るあいだ ずっと
ハマグリが夢をみる話とか
食べられる星を手に入れた話とか
....
電車を降りると
点字ブロックが
花野に埋もれていた
あなたはここにある花の名を
一つとしてしらない
見えることもない
それでもその眼は
厳かなほどに瞬きをするから
見えているも ....
ぱらぱらと降っていた雨の間に
少しだけ見えた
澄んだあおいろ
絵の具屋さんには売っていませんでした
とぼとぼと帰る道
水たまりの中に
もう一度そのあおいろを
見つけました
昨日もまた
日めくりの暦が一枚消え
昨日を生きた
言葉たちが静かに眠る
昨日一番生きた言葉は
虹だった
雨が止む間際の
ほんのわずかな時間だけ
光の芸術は空へ浮かび
心に架かる
....
漆を塗り
さらに金箔を張った
豪華なわたしの部屋には
窓がありません
窓際無いのトットちゃん
トホホ
髪が伸びる
ゴムのように伸びる
オホホ
扉を窓にかえようよ! ....
毎朝 4時に訪れる新聞配達人の乾いた靴の音が
新聞受けの 錆びた鉄の反射する音が
眩暈となって彼の思考に重なる
今日も黙って去っていき
錆び付いた自転車に乗って
まだ寝ている街を抜けてい ....
飴玉を噛み砕くように
その{ルビ皹=ひび}のはいりかたのように
割れてしまうのは
誰で
何故なの
五月だ
熱くも冷たくもない
こんなふうにあるだけの季節に
遠いからうつくしい
空はそ ....
ずっとむかし
ひとも蛇のように脱皮したのよ
そう言いながら
そのひとは裸になりました
きょうは
わたしの水が澄んでいるから
涙の色がよく見えるとか
そんなことを
とつぜん言 ....
新緑の赤らめる
夕暮れの畔
終わろうとしている黄金の陽が
出来事を染め上げていく
水面で月が戯れる
影絵のようにたなびく振動
弧を描きながら
擦り寄せた声
求愛の儀式
どこまでも響く愛の歌を ....
わたしたちのうつくしい夏は過ぎ去り
ただ ぎらぎらとした陽炎ばかりが
道すじに燃え残っているけれど
二度とあうことのない確信は
耳元で鳴る音叉のように
気だるい波紋をいくえにも広 ....
さようなら 風
ごきげんよう いのち
あなたのすきとおったあつみ
やぶれるようにさきなさい
そこはダメ
とか言いながら
崩れていく豆腐
ダメなとこだから
いいんじゃん
角から崩れていけばいい
そして跡形もなくなって
おいしい白和えになって
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