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眠れない夜は永い
幼い日のぼくは
またあの夜も物思いに耽る
取留めもなく溢れ出る
イメージとイメージ
その断片を渡っていると
ふとしたはずみで
不思議な世界へと迷い込む
心 ....
蒼い海峡の水面に、座礁した街がゆれる。
煌々と月に照らされて。
わたしが走るように過ぎた感傷的な浜辺が、
次々と隠されてゆき、
閉ざされた記憶の壁が、満潮の波に溶けて、
どよめいては、消えて ....
ブラボー!
物言わぬ獣だって
そんなときには
ブラボー、ブラボーと叫ぶんだ
なに言ってんのそんな暇に
自転車ドロボー掴まえろ
2本足なら十分だ
羽根が生えたから飛んでった ....
「さわさわ(ノ・・)ノ」
「はい!( ̄△ ̄)ノいまのセクハラだと思いまーす」
「(・∀・)でも実は嬉しいんじゃないんですかー?」
「そうでーす(ー_ー)」
「勝訴!!\( ̄ ....
上には何かがあるらしい
「上を向いて歩こう」
そんなことばに勇気づけられたり
「上を向いてもきりが無い」
そうなんだよねと頷いてみたりして
お空だなんて恥ずくて言えやしないけど
上にあるら ....
今日もまた
あなたのいない夜が来て
私の裸体に
常夜灯が点々と灯ります
あなたの吹きかける息だけが
ランプの中で揺れている
赤い炎を消すことが
できるのです
一つ一つ
あなた ....
私にはあなたを焼き尽くすような強さはない
筆圧が愛の重さを表すというのなら
私の愛は軽薄にして
紙面に刻み付けるほどの価値もないのかもしれない
あなたの書く文字が美しくて
それがあなたの愛の ....
あなたにこころをまかせられる
それって好きとか嫌いとかじゃなく
ずっと以前から知っていたような
どこかで一緒だったことのあるような
懐かしくて不思議な気持ち
見つめられて
見つめかえして
....
やさしさと、
いつも呼んでいた
傷つきやすいその心を
やさしさだと、
呼んでいたあなたの
傷つきやすい心
秋の終わりの
....
流星群は行ってしまった
銀の光の尾は思ったほどの残像を残さず
地に這うものと宙空の距離を
夜という名で引き離す
星が流れる
わたしは物語として知っている、
祈りのかたちで
手を胸 ....
メモ帳を開けて
売り上げを認める。
肥大した大地で
クシャミしながら
朝来た道を辿るので
ギンガロン ギンガロン
はみ出し野郎 ....
唇噛んできみは
嘘つきだね
本当は泣きたいくせに
街灯りに雨は白く煙って
アスファルトに伸びた
影を揺らしてる
黙ったまんまで
何を見てる
何を探してる
言葉に出来ない
夜 ....
なんということ
こんなにもきれいな
瞳をしているのに
のに
祖母は私の瞼に触れて
また少しちいさく
かすれてゆくかのように
そう言ったんだ
薄い皮膚で感じた
あなたの ....
昨夜に限っては
悪夢にもうなされず
いっときだけ
窓をたたく雨の音を
聞いた気がする
夜の中にあって
感情を露わにしないまま
目覚めたのは幾日ぶりのことだろう
確かに雨は
濡れたアス ....
1
十二月の眠れる月が、遅れてきた訃報に、
こわばった笑顔を見せて、
倣った白い手で、ぬれた黒髪を
乾いた空に、かきあげる。
見えるものが、切り分けられて――。
伏せられ ....
ぼくらはいつも
見ていたんだね
同じ窓から
午後の青空
透ける葉脈
震える小枝
それらにも似た、未来
ぼくらはいつも
感じていた
同じ風を、違う感受性で
教室にいる ....
つらくて悲しむ日
苦しくて泣く日
たくさん たくさんある
だけどその分
うれしくて笑う日
楽しくて心弾む日が
きっと来るって信じてるんだ
あなたはどうですか?
少し 信じてみません ....
みかん畑の夢を
あなたもいつかきっと見るでしょう
深い緑に
橙色が星のようです
母なる木の枝に包まれて
静かに眠るみかんの実は
いつか生まれた場所を遠く離れ
めぐり逢った人に必ず ....
春からひとり
流れてきた
おまえ
こんこん冬と
墨染めの宵の川は
さぞ冷たかろう
月様には出逢うたか
さぞ澄ましていたろうに
あれは誰かを
好いている
一に ....
雨が降ると
紫陽花の咲くあの場所を思い出す
カタツムリは今日も
葉っぱに隠れて雨宿りをしているのかな
高校生の頃
雨が降った日には
よく二人で放課後の音楽室で時間をつぶした
君の奏で ....
胸のボタンを外すとき
あなたの狡猾な指先を思い出す
背後から不器用そうに
それでいて
未来に待ち受けているものを欺くかのように
(それなのに忘れられないのは
部屋の灯りを消しても
情念の ....
ひとりでいることって
決して好きくはないんだけど
ひとりでいたいときがある
壁のカレンダーを眺めてみれば
いつもと同じこよみなのに
この日だけは特別だよって囁いている
瞬くイルミネーション ....
1
漆黒の夜を裂いて、神楽の舞が、
寂びた神社の、仄暗い舞殿で、
しなやかな物腰を上げる。
右手は、鈴の艶やかな音色が、薫る。
あとを追う鳥のように、左手の扇子は、鈴と戯れる。 ....
すこしずつ、歩みつづけているんだ。
こんなふうにしてでも。
このたましいは、どこへゆくのだろう
なに者に、なるのだろう
このこころは ....
かいちゃんはまだ歩けない
もうすぐ一歳と五ヶ月になるのに
まだ歩かない
だけどハイハイはとっても上手
ものすごいスピードで突進して来る
逃げるのだってとっても上手
おむつ替えや着替 ....
このナミダは
可愛がってくれたあなたのため
生まれ変わったら
私また
逢いに来る
毎日やさしいことばをかけてくれてありがとう
私ひとりにじゃないとわかっていても嬉しかった
....
この街にまだ雪は降らない
灰鼠色の空は浅い冬のまま
恋人たちの吐息や
ブランコを揺らす手に護られている
わたしの何処か深くにある黒いものや
寒い、と寂しい、が似ていること
それに気 ....
それで ええねん
そんなふうに やさしくしてくれたりな
そんなことでも ええねん
その気がないことだとか
そんなことは ええねん
むしろ 期待することが ....
ほら
雪って、生きているのよ
空からここまで辿ってきた足跡が
真っ直ぐじゃない
一粒ずつみてごらん
そうしたら、ね
小さな顔がある
あ、いま 目線が合った
雪はそのむかし 薄紅 ....
雪ん子舞い散る故郷から
童子たちのまぶしい笑顔が消えた
あの頃の笑い声は
顧みることを忘れた古いアルバムのなか
北風ぴゅうぴゅう寒かろう
すっかり刈り取られた稲田を望む
古 ....
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