すべてのおすすめ
出合って間もない頃
キミは言った
人が両手で抱えられるものは
とっても限られていて
だからボクは
守りたいものはいつでも守れるように
つねに片手は空けておく
そう言って手を繋いで ....
猫になりたい
と思った
近所の公園に行った
が、逃げられた
ので不採用
魚になりたい
と思った
海に潜った
が、溺れた
ので不採用
学歴はあった
求人雑誌ひろげれば
....
一
日々を連写して
間違い探しをする
遠浅の青に
いつもの魚が溺れている
鱗がまた一枚なくなったこと
それを除けば
昨日と今日の境界線はゆるい
魚は、な ....
音を立ててブナの木は水を吸い上げる。
地下の滝は光を求めて上昇する。
森は暗く木々はみどり。
凡庸な言葉が指をすりぬける。
緻密な理論はブナの木に関わりがない。
ブナはただ立っ ....
真っ暗な 寒さの
果てに
今 そっと 雫が
流れる
まるで 今日の
自分の 心の汗が
ほとばしる 感情を
裏切るように
禊のように やがて
大粒となり
傘も コートも
....
おんなのこは
とてもいじわるなので
けたけたとわらいます
たたみのうえ
すっぱだかで
けたけたとわらいます
でんきにぶつかるむしが
そんなにおもしろいのときくと
わたしはじ ....
久しぶりに着た服の
ポケットに手を入れたら
一緒に観た
映画の半券が出て来た。
ゆっくりシワを伸ばして
そっと引き出しの2段目にしまう。
また1つ想い出が増えた。
たましい…だなんて
古臭いことばを
ミルクパン
で。どろどろに溶かしたら
ハートの型に流し込む
いつから
だった
かな
球体関節人形の
股間から
生まれてきた。わたし
だ ....
ブルーローズの花びらが
足元にひとひら飛んで来る
私の前には
鴇色の世界が広がる
ブルーローズの花びらが
ベランダの向こうの子どもの所へ
ふくらんだシャボン玉を
どこまでも追いかける ....
何も変わらない街並み
古びた家々の塀を猫が歩く
穏やかな陽射しが満ち
平穏の昼下がり
縁台から君の好く吸う
煙草の匂いがした
だけど
君はもういない
坂道を駆け ....
会いに行かねばと思う
30年経った父は老けたと思う
母が老けたからきっと父も老けたと思う
会いたいなんて
これっぽっちも思っていないと思っていたと思う
少ない記憶の中の彼は
またがる肩 ....
お腹を壊してしまった
深い夜の谷底で
誰もが一人きり
カーテン越しに光を放つ
あれは確か電灯だ
冷気が身を纏っても
焼け付く陽光が注いでも
その場所から逃げられず
私だけではな ....
今日という日が重いのは
明日が軽くそれは人差し指に引っ掛けられるほどだから
今日という日が重いので
僕は日向にしゃがんでそこに唾を吐く
少しでも削れればいい
冷たい空気の中でも
太 ....
閉め切った部屋は
つんとした匂い
年に一度の大掃除
何故か三月のこの季節
お気に入りのぬいぐるみは
部屋の一番目立つところ
読み終わった雑誌は
一つにまとめる
....
星も見えない
どこまでも暗い夜
ごうごうと唸る夜の咆哮と
草原を吹き渡る風の音だけが響く
僕はひとりきりの部屋で
夜が明けるのを
時が訪れるのを
ただじっと待っている
わずかに僕を ....
人生は綱渡り
陽がまぶしくて落っこちる
風に吹かれて落っこちる
人にすがって歩くバカ
人をだまして歩くバカ
人生は綱渡り
浮かれて踊れば落っこちる
手を取り合えば落 ....
こんな春晴れの日に
この同じ空の下
貴方は何をしているのでしょうか?
鳴らない携帯電話を握りしめながら
空を見つめる
満開の桜の花に
春の太陽が眩し過ぎて
貴方が見えない
....
あなたが幸せで居ること
それはみんながのぞむこと
私がいつでも願うこと
あなたが私のそばにいれば
あなたの笑顔が見れるのに
あなたと私は向 ....
ねぇ
あなたから
優しい言葉もらうたびに
切なさと恋しさが
どんどん大きくなっていくの
あなたの言葉を
受けとるとね
心が
なんだかとっても
あったかいんだよ
あったかすぎて
泣け ....
凍える手のひらを
りんごほっぺに
ぺったりくっつけ
まっさらな
じゅうたんの上に
一人立つ私は
ホワイトプリンセス
確かここには
ゆらゆら舞い散る
桜の花びら
....
影を踏むように
引き留めても
すり抜けて
肌に服にはりつき
ぬぐいきれない汚れのように
透明でいとおしい
たんぽぽが
そこにあった、ということ
ロゼッタの刻印を
....
溢れ出したそれを
上手く、染み込ませて
作り上げるの
その後に
何で彩るかは
勿論、
作り手次第だから
甘酸っぱいあれを
乗せよう
そして
....
白と黒の狭間で
{ルビ女郎花=をみなへし} 一輪 揺るぐ
その花
は
強いらしいので
ぼくは
ぼんやり見つめるだけです
忍び寄る夜 ....
ひかりが刺す
季節を切り取って
差し出す
ひかりがさす
まぶしいから
細めて
睫に燐光がいくつか
引っかき傷もいくつか
ついて
それできみの輪郭がようやくはっきりした
....
しろ と ちゃいろ
たまご が ふたつ
ぼく は まよわず
しろ を えらんだ
とん とん とん
わったら からっぽ
そこに いのち は なかった
....
潔さにも限界がある
よく言う言葉があるっけ
「誰にも迷惑かけていないから」
例えば花
お前は誰にも迷惑はかけない
そう、
その其の侭が美しい
日々に疲れた私がいる
....
遥か遠い未来
人類は一度滅亡した
放射能に満たされた地球は
再び人類が支配していた
ようやく科学文明が芽生えた頃である
土の中から
直方体をした箱が出土された
その一つの面には上下を赤と ....
金魚、金魚
あか き くろ しろ
口呼吸 池の中
金魚、金魚
ぱしゃ ぱしゃ 葉の下
ひれの翳り 波紋ひとつ
金魚、金魚
はなびらのお船 浮かんでる
口に含んで 吐き出した
....
ねえ、泣かないで
君が泣くと
僕まで泣きたくなる
切なくなる
悲しくなるんだ
君の泣き顔も
どんな顔だって
大好きだよ
けど、それ以上に
僕は君の ....
木々のはざまに見える鉄から
遠のくことのない冬の星から
ひとりはひとりを指さしながら
凍るように降りてくる
潮騒に似た
生きものの音があり
坂の途中にかがやき
のぼる ....
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