すべてのおすすめ
君の誕生日、だとしても
ケーキの苺は譲れない
ぼくはこれでも、苺が好きだ
で、次に
ぼくのじいちゃんは船長だった
海賊船の
もう随分昔のことだけれど
なんて言ったら、笑う?
笑わな ....
せまいワンルームマンションの一室で
独り耳を澄ましている
街の喧騒は遥か彼方で
過ぎ去りし月日が俺の後頭部をくすぐる
失くして戻らないものは数知れず
今だにエンジンのかから ....
どこにあるのか
詩はどこにあるのか
死にかけの好々爺の曲がった背中か
とんでもない家のとんでもない場所に
落っこちた林檎の実の中?
詩はどこにあるのか
....
いつか やがて、
どこかで みんな、しあわせになって
どこかで かなしみに出会ったり
どこかで 別れたり
どこかで 子どもを生んだり
どこかで ひとりになったり
どこ ....
形状は杖だ
ステッキだ
傘でもいいかもしれない
扇子とか杓文字
もしくはお玉なんかでもその効力は絶大である
指輪でもいいのだし手鏡でもよろしいのだ
姿見であってもかまわないし
果てには ....
もはや平成十九年
平成生まれの人たちが社会へ出始めている
昭和天皇の崩御や元号が変わるニュースや
大喪の礼で学校が休みになるという出来事も
彼ら彼女らにとっては歴史上の出来事
....
ひとひら手のひらに舞い落ちる雪
触れたら溶けて消えるはかない命
かたくなな君の心を溶かすために
僕は幾夜も眠れぬ夜を過ごした
その冷たいまなざしはまるで雪姫
誰も愛することはない
....
胎児が 私の心臓を 小さな小さな手で 優しく撫でている
わたくしと 胎児の 太陽ふたつ。
わたくしと胎児の小さな宇宙で
天上で音楽が鳴り響いている、
太陽の鼓動、
つ ....
つうっと
静かに脚を浸す
目を瞑りながら
とぷん、と膝を抱えて
まるで生まれる前の姿で
さあっと
周りの水温が脳内で渦を巻く
水のなだらかな揺らぎと
体内の血流がユニゾン
ま ....
寝苦しさに目を覚ますと
やはりホリデーインの一室に泊まっていた
わたしの隣では
脇臭く寝相の悪いやつが
馴れ馴れしくいびきをかいていた
エーチャンのニューグランドホテルは
わたしのこころの ....
「雨上がった?」
無視。
そして尿意。
足下うろつく上昇気流
持ち手にウンコぶらさげたカサもサ
ふわーりふーわり
ふわふわふわ り
チカラクラベを挑みつつ
裸足でかけてく ....
天空に 風 乱れて
枯れそびれた 花
小高い 丘陵に
太陽の 無償 降り
保ち 立ち続け
野を 焼き払い
革まる 命の循環
灯油ぼろの松明に
秘められた 刷新
焔 や ....
わたしは詩のなかで
一本の木になることができる
地に根を張り
そこにい続けることができる
少女が来て
本を読んで
少女は帰ってゆく
わたしは詩のなかで
そらをとぶことができる
高 ....
曇りがちな心と晴れ渡った空
なんかうそ臭い天気を
恨めしげに見上げ
雲一つないことを
恐いと思った
小さなウソ
大きな矛盾
俺に背負いきれるのか
試されてい ....
湧き上がる想いに溺れそうになる
言葉にならない混沌の中に輝きを探す
ルノーの車やドンペリのボトル
ニューモデルのスキー板や君の笑顔
そんなものをずっとかき分け ....
痛いの… そう言いながら僕は赤い線を付ける
寂しいの… そう言いながら僕は 画面の向こうを嘲笑う
お前の囁きに一喜一憂するのは真っ平だよ?
そう言いながら今夜もお前の囁きを探す僕は ....
やわらかにゆれる春
少し冷たい足の裏に
わくわくが止まらない
見渡すれんげ畑の向こうを
単線の汽車がゆく
わたしの知らないどこかとどこかが
つながっている
小さな花 ....
そう、バイオリン
君は三角関数を使った見取り図で
明らかになる情熱の核心に向かって
音を奏でればいい。
そう、トランペット
君はハッブル定数を感情に見立てた
弛緩する精神に緊張を持ち込 ....
人は鏡です。
映します。
反射します。
幸せを映しなさい
相手にも見えるように。
不快を反射しなさい
一緒に不快になる
必要はありません。
合わせ鏡で繋がります。
幸せを繋げてくださ ....
「空って‥私たちみたいよね」
暖冬と呼ばれた日の朝
僕らはベンチに座ろうと
ほんの僅かに積もったキラキラと瞬く雪をはらう
空はまだ青白く薄い綿菓子のようなもやを浮かせる
お日さまも夢 ....
雨の降る日は絵の具の匂い
絵描きも今日はお休みさ
いろんな絵の具で塗った世界も
雨がみんな落としてしまう
雨の降る日は絵の具の匂い
空も街も灰色さ
ちょっぴり悲しい色だけど
雨はみん ....
あんたは
彼女のことを
神格化してるが
彼女は
あんたと同じく
神なんかじゃない
女神なんかじゃないんだよ
お前は
彼女の性格を
兎にも角にも褒めてるが
彼女は
お前と同 ....
坂を上れば風の里
力弱まり留まるも
風から風へ向きを変え
遠い空へと旅に出る
坂を下れば風の道
力の限り流れ出し
風と風とが重ねあい
遠い街へと旅に出る
目には見えない風の里
....
動かない空気のなかで
宛てもなくひらりと
便箋を翻すと
そこには
まだ言葉にならない溜息やのぞみが湧きだして
いつの間にか黒い模様を描きはじめる
遠くへ帰るひとを
いま見送っ ....
眼球の瞳孔に厚い膜を張り詰めて
下界から自身を遮断すれば
仄暗い靄に包まれた視界
赤橙色はくすんだ山吹色
些か綺麗な気もするが
疲れたからしゃがみ込んで
誰か待つような背中で
霞んだ ....
平凡でありきたりな人生に
幸せを感じる人もいれば
不幸だと嘆く人もいる
青い鳥を探す旅に出て
力尽き星になった人がいる
誰もが彼を嘲笑ったけど
その死に顔は満たされていた
どれが ....
影が動いた
はじめまして、と
永遠に動くはずのなかった影が
信じる心など、とうの昔に捨てきった
祈る心など、とうの昔に燃やし去った
頼る心など、とうの昔に腐敗し消えた
哀しむ心 ....
おいおい
もう座るのかい?
さっき歩き始めたばかりじゃないか
歩いているだけだぜ
走ってなんかいないんだぜ
上り坂もなかったぞ
第一
ここは道の上だぞ
座るとこじゃないだろ
普段 ....
ラリアットをまともに喰らい
体ごと地面に叩き落とされた
追い討ちの腕拉ぎ十字固め
骨が軋む音が聞こえる
ギブアップ?まだまだ
タップアウトはしない
9カウントで粘り続け ....
闇夜
勇壮なる雷雲
其の塊は 他のかたまりの上に
覆い重なりては 雄々しく上昇し
其れらのうねりは なぜか荘重なるものを
醸し出している
(其の荘重さにたじろ ....
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