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まあるい形をした絶望
あっちへほうり、こっちへほうり

子どもら原っぱ駆けながら
何でも遊び道具に変わる

月のにおいが漂い始め
みんなのお腹がぐうと鳴る

明日も一緒に ....
耳の聞こえない少女は
街中の人気者です

街の人たちは
人には言えない汚い言葉を
ここぞとばかりに少女にぶつけます

シンジマエ
アバズレバイタ
ジゴクヘオチロ

 ....
 あちこちの地面に張り付いた影たちが一斉に声を張り上げる。
  
 「細身の影はこっちだよ。ちょいと太めのあんさんも、きれいなシルエットに写してあげるよ。」

 「おちびちゃんはこっちへ ....
両親が好きな子がいた
どんな両親が好きなの
そう尋ねると
それはそれはたくさんの条件が出てきた
まだ続きそうだったので
それを遮って
ところでその条件にあてはまる両親はいたのと聞くと
ま ....
真っ白な切符が出てきた
何も書かれていない
小銭がなかったので一万円札を入れたのに
お釣りは出てこない

駅員さんに文句を言おうと切符を見せると
カチッとスタンプを押して
改札を通して
 ....
マンホールを開けて
すっぽと中に入った

地球を抜けて
ずっと抜けて
だんだん熱くなって
手足が溶けて

胴体と頭が
どろどろになって
固まって
真っ黒になった ....
鬼がやってきて
かくれんぼをしようと言った
僕たちはちょうど
何をしようかと考えていたところなので
いいよ、いいよと
鬼に賛同した

鬼が百まで数えている間に
僕は境内の ....
五月に咲いた花が
未だに枯れずにいます
まるで今朝方咲いたばかりのように
生き生きとしています

あなたは反対に
日に日に腐っていく様で
そんな風に見えてしまう私は
少し ....
私にはあんたが
次に何を言うかもう分かってるけど
じっと
じっと
待つよ

ありが・・・
そこまで出てて
その後に何が続くか
もう十分に分かってるけど
私はあんた ....
空がゴロゴロ鳴って
神様たちのボウリング大会が始まった

やんややんやストライク
まだまだやれるよスペアを狙え

ゴロゴロ

ゴロゴロ

神様たちのボウリングは始まった ....
何年ぶりかのあなたの電話から
あなたの声が少し枯れているのを聞いて
風邪などひいていなければいいのにと思います

時折繰り返される思い出話に
あなたの笑う声を聞いて
なぜか少し安 ....
少し、好きになりました

雨上がりの水溜りに
顔を映して
笑ったり、怒ったりしているあなたを見て

少し、好きになりました

煌々と照る月明かりの下で
自分の影を一生懸命 ....
子どもが三人産まれました
どれから先に取り出したのか分からなかったので
適当に順番をつけました
今日からこのヒエラルキーにしたがって
彼らは生きていくのです

一番上のお兄ちゃん ....
 彼女が朝食後のデザートを何にしようかと迷っている姿を見て、僕は昔付き合っていた恋人のことをふと思いだした。

 彼女はいちごが大好きで、いつも朝食の後いくつかのいちごを取り出しては適量のヨーグ ....
外見よりも中身を変えろと
あなたに言われましたので
いろいろなところから借金をして
お医者様に私の体の中身を
他の人と交換してもらいました

お医者様は私とそっくり同じ中身の人を ....
人を殺そうと思いました
私はまだとても幼いので
私が人を殺せば
とても大きなニュースになるでしょう

私は殺すための人のリストを作りました
私の周りにはいい人ばかりでしたので
 ....
あんたが生きたかった毎日を
死にたい死にたい言うて生きてる人もいて
そんな人と命の交換ができたら
どんなにええんやろうと思うよ

うちが生きることしかできひんなったんは
あんたが ....
僕の妹は背丈が大きい割りに
顔が幼いのを気にしていた
僕はそれでも十分だよと言っていたけど
妹はどうしても納得いかなかった

二人で町を歩いていると
きれいな女の人が歩いてきた  ....
 321回目のセックスからだ。日記につけていたから間違いない。僕は今まで付き合った女の子たちとのセックスの回数を日記につける癖がある。321回というのは、それほど多くの人と付き合っていない割りには多い ....  俺、神なんだよ。
 男はそう言った。
 そうかい。
 僕はそう返した。

 「神だって言ってもな、何があんたらと違うって訳じゃない。姿形もあんたとほとんど同じだ。」
 男は僕の ....
不思議の森の叶えの樹は
どんな願いでも叶えてくれるそうな
その樹の枝は決して折れることはなく
とある男はその枝のおかげで
安心して首を吊ることができたそうな

ただ不思議の森に入 ....
窓から見える消えかけの電灯は
一週間くらい前からずっと不定期に点滅していて
きっとそれは誰かに送る信号で
それを見た誰かは
もうすぐ徒党を組んで
この町にやってくる

きっと ....
 僕の生活はそれほど毎日劇的なものなんかじゃないし、あるいは普遍的とも言えない。僕は毎日二時間何かを勉強して、本を読み、映画を観て、テレビを観て、夜になったらまた一時間くらい本を読んで、夜明け頃に眠り .... 愛しいあなたは
きっとお腹を空かして帰ってくるでしょうから
私は私を切ったり焼いたり煮たりして
おいしい料理を作りました

帰ってきたあなたは
皿の上に載った私を平らげて
そ ....
わたしの影は
わたしの涙で
水色になりました
わたしがそっと足をつけると
ぴちゃっという音をたてます
わたしはくつをぬいで
服をぬいで
影のなかへ
沈んでいきます
 ....
 彼女は朝からずっと「思想」をこねたり、伸ばしたり、丸めたりしている。
 僕は寝巻き姿のままで、その姿をビールを飲みながらずっと見ている。彼女が試行錯誤している姿を見るのは僕の週末の一つの過ごし方 ....
切れかけた電灯の下で
私はまるで
フラッシュの照明を受ける
舞台上のファッションスターのようで
夜を纏い
黒いアスファルトの上を
踊るように歩くのです
世界は私だけを照らし ....
家族に絶望して
ああようやく私もここから
逃げ出せると
そう思いました

血のつながりを
絵の具の白で塗りつぶして
ああ白色は
このためにあったのだと
私は思いました ....
折れた木の枝は
交尾中のティラノザウルスのよう
街路樹は
地面から生えた手のよう

夜の散歩道には
昼間に見えない
不思議な生き物たちが
姿を見せる

地面に映る  ....
腹を空かせた蛇が
宇宙を丸呑みしたそうな
大きな口を開けて
パクッといった

宇宙は蛇の腹の中にあって
時折酸性雨のような
蛇の胃液が降り注いで
少しずつ世界は消化されて ....
生田 稔さんのなかがわひろかさんおすすめリスト(36)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
丸い絶望- なかがわ ...自由詩6*07-10-30
聾唖の少女- なかがわ ...自由詩2*07-9-3
【小説】影市場- なかがわ ...散文(批評 ...2*07-8-30
両親選定- なかがわ ...自由詩3*07-8-8
白い切符- なかがわ ...自由詩6*07-8-1
地球の裏側- なかがわ ...自由詩8*07-7-25
かくれんぼ- なかがわ ...自由詩7*07-7-24
枯れない花- なかがわ ...自由詩5*07-6-13
押し言葉- なかがわ ...自由詩3*07-6-11
神様のボウリング- なかがわ ...自由詩3*07-6-9
声に- なかがわ ...自由詩2*07-6-9
少し、好きになりました- なかがわ ...自由詩5*07-6-4
三兄弟の末- なかがわ ...自由詩7*07-6-4
【小説】朝の食卓にて- なかがわ ...散文(批評 ...3*07-6-4
中身変え- なかがわ ...自由詩2*07-5-31
少女の殺人- なかがわ ...自由詩7+*07-5-29
命の交換- なかがわ ...自由詩7*07-5-28
僕の妹- なかがわ ...自由詩8*07-5-28
【小説】322回目のセックス- なかがわ ...散文(批評 ...2*07-5-27
【小説】昼間の会話、神の存在- なかがわ ...散文(批評 ...5*07-5-26
不思議の森の、叶えの樹- なかがわ ...自由詩2*07-5-23
消えかけの電灯- なかがわ ...自由詩1*07-5-23
_【小説】非習慣的な夜- なかがわ ...散文(批評 ...3*07-5-22
私料理- なかがわ ...自由詩5*07-5-22
白い影の住人- なかがわ ...自由詩14*07-5-19
_【小説】彼女の「思想」とサンドウィッチ- なかがわ ...散文(批評 ...2*07-5-17
私だけのスター- なかがわ ...自由詩5*07-5-15
ファミリー・アフェア- なかがわ ...自由詩4*07-5-13
夜の散歩道- なかがわ ...自由詩3*07-5-12
蛇の腹- なかがわ ...自由詩5*07-5-12

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