海の上だけが居場所
心があるのは網が続くどこか
魚たちが網目をくぐって去っても
くぐる様子を波音に伝えて
それが繰り返し鳴っている
確かなこと
いなくなった魚たち
駄目ではない
そ ....
信号機の青 と、
群青色の空が重なって
眩暈に吊られてしまいそうになる

一日の仕事が終われば
世界の一日が始まる あさぎりの夏

また朝刊二軒分ほど残ってしまった
むろんわたしの ....
きびしい、
現実の靴底に、容赦なく踏みつぶされた、
その蝶の夢の、ぐちょぐちょが、
きみの蛹をかたちづくった、
ごくありふれた、
きわめて地味で地道な蛾が、
ごくありふれた、
日常の風景 ....
運転中 

不意に現れ 目の端で捉える

蔦の絡まる建物

 もう、その時期か

あの夏から

幾度 高校野球が開催されたか

懲りずに毎年 

十七歳の夏に引き戻され ....
真夜中、夜の公衆便所
  消毒済の白磁の便器のなかで
    妊婦がひとり、溺れかけていた
      壁面の塗料は、鱗片状に浮き剥がれ
       そのひと剥がれ、ひと剥がれのもろ ....
髑髏山の蟻塚は
罪人たちの腐りかけた屍体である。

巣穴に手を入れると
蟻どもがずわずわと這い上がってきた。

たっぷりと味わうがいい。
わたしの肉体は余すところなく美味 ....
遂に人のAI化が始まったか
これは序章にしか過ぎない

今の文化は模倣から始まる
勇者英雄のマネ聖女のマネ

マネーがあっても楽しいから
お金がなくてもコピーで満足

「それ ....
山本山、下から読んでも山本山。九歳年下の友人、山本君はとてもとても大食漢で、今日はそんな彼との映画鑑賞(映画を見る前、きっとヤツはコーラとポップコーンを絶対に注文するだろうなって思っていたら、案の定、 .... 七階から見下ろす階下
サイレンのなる街

駅から数分のマンション
ざわめきやノイズ
観葉植物の葉を
  てに載せる

試験体と友達になって

とうめいな容器のなかで ゆっくりと呼吸 ....
アボカド
ブロッコリー
椎の木
言葉
滑り落ちていく坂道
ブランコの途中
ところにより雨
ソファーで聞いてる
包丁の音
いつもの思い出話
壊れた玩具と
無くした部品
外 ....
 
 広くつづいた枯野の道は
 骨ばかり
 高く乾いた冬空に
 黄昏月の悲しげな瞼の赤らみ

 涙の匂いがしないように
 化粧水をたっぷりふりかけて
 いかなる慰めも求めていない
  ....
                 

                          午前四時半の蒼い空
ひときわ煌めくのは金星か

               身体を這う汗
    ....
入ることができたのか。
家の中に
わたしがどうやって
家の鍵を無くした

          わたしがどうやって家の中に入ることができたのか。

合鍵  
        愛の ....
乱雑な狂騒の中で何とかかたちになろうともがいているいくつかのものたち、崩れ落ち翻る一瞬の、つむじ風のような思考がそこら中に牙を立てようとして頭蓋の内側は引っかき傷だらけだ、まるで土葬された人間が土 .... 生きるために生きる
生きるとは、簡単な
答のない問いだが
自らの問いに
自らがこたえること



悪いことも
楽しもうとする
部分があるので
人生はいのちがけの
ゲームだと思 ....
ダイエットじゃなくて

全部飯に関わるものを

置くな

飯が飯を呼ぶ

ぶたぶたぶ




いつの日かのおまじない

なんでかな

余計ふとっちゃう

いっそカ ....
少し高めの声や
心地よく響く歌声が

いつまでも引きずっていた
執着という名の足かせを外すから

私はもう一度
誰よりも幸せになろう!と思い返し
誰よりも高く飛ぶためのスタート地点へと ....
空から落ちてきた
一粒の火の粉が発芽して
庭に硝子の意志が蔓延った

温い月光を受け止めた
水盤には真鍮の孤独が湧き
何匹かのメダカが犠牲になった

溶けたアイスキャンデーの
「 ....
知らないところでさり気なく
「うちの妻が」と言ってもらいたい

時代に逆行しても
「思い出に残る熱い先生でした」と卒業式の寄せ書き

オルガンをうまく弾けなくても
「あの子守歌、背中がこ ....
子と行きし回転寿司や夏祭り

夏祭り検査の予約入りにけり

夏祭り消息絶ゆる{ルビ女=ひと}想ふ

夏受診余談の混ざるゆとりかな
出かける準備に
君は右往左往している
もう出ないといけない
ジリジリとする内心

何か手伝おうか

さあもう出かけよう
服はそれでいいだろう
せっかくの
楽しみを
最大限に味わい ....
繊維の構造に
光が降り注いで
戸惑ったわたしは
少しだけ早口になった

アジノタタキ、と
呪文を唱えた
日除けの帽子は
柔らかな海になって
凪いだまま
わたしの身体に
収 ....
 青空が遥か高く張りつめた時
 草も花もない地上に
 私は頼りなく立っていた

 掌の感触は忘れていない
 あなたの爽やかな顎をなで
 たくましい肋骨を数えた
 奇妙に光る瞳で私を縛 ....
白い本をひらく

そこは、永遠てしのない階段が続く

教えられたままに ゆっくりと登っていく

いつか空に近づくころ 段差は代わりに五線譜になった

そこからは、音符の上をのぼりはじめ ....
死に
たかる蟻たち
夏の羽をもぎ取り
脚を引き千切ってゆく
死の解体者
指の先で抓み上げても
死を口にくわえてはなさぬ
殉教者
死とともに
首を引き離し
 ....
それはそうときゅうりに飽きた僕は
河童と名乗っていいのか?

いつもの茂みで寝転がり
雌の事ばかり考えている

世界がどんなに美しくても
そんなことどうでもいい

忘れられないのだ
 ....
猿と甥回る、春は舞い踊るさ。
さるとおいまわるはるわまいおどるさ


対価にちまちまとまちまちに書いた。
たいかにちまちまとまちまちにかいた


美しい電子看板。晩夏。心停止。苦痛。
 ....
残るのはからっぽの部屋と、開かれた扉だけが、正しい それでもいま、ここに 破水したのは 空のほうだった みっつ折りのまま 寝返りを打つ 網のあいだで、骨が増え うしろむきにあったような 子宮の .... 見えていないものがあると
判断が狂う

実に、何も見えていないのである

天才と狂人は紙一重という
今は、天才とバカは紙一重という

僕にモザイクが入ったのだ

そういうわけで
 ....
星がふたつに割れて
あなたはどちらを選ぶのか
選択を迫られる
わたしは毎日洗濯物を干している
あなたは輝いているお琴
強い野心のある男がいいわ
まだ17才/参政権を手放しても ....
wcさんのおすすめリスト(1940)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
心のすみか- 自由詩11*25-7-29
認知症ぶれいく- 洗貝新自由詩16*25-7-29
青虫- 本田憲嵩自由詩12*25-7-28
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蛞蝓。- 田中宏輔自由詩14*25-7-28
蟻。- 田中宏輔自由詩10*25-7-28
AIの侵略- 足立らど ...自由詩3*25-7-27
山本山- 本田憲嵩自由詩925-7-27
水槽- ryinx自由詩10*25-7-26
まどろみ- たもつ自由詩8*25-7-26
ヒヤシンス- リリー自由詩10*25-7-26
一昨日より昨日よりも今日- 洗貝新自由詩9*25-7-26
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詩情は畏まって座っていたりしない- ホロウ・ ...自由詩5*25-7-24
※五行歌_四首「いのちのために_生きる」- こしごえ自由詩4*25-7-23
半開きの窓- 林 理仁自由詩3*25-7-23
出会い- 梓ゆい自由詩225-7-23
酷暑- 夏井椋也自由詩11*25-7-23
目ざめる前に- 唐草フウ自由詩17*25-7-23
今日から宇和島牛鬼まつり- けいこ俳句5*25-7-22
出かけよう- 自由詩10*25-7-22
アジノタタキ- たもつ自由詩6*25-7-22
ノイバラ- リリー自由詩13*25-7-22
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蟻。_- 田中宏輔自由詩17*25-7-21
かっぱ君- 雲野しっ ...自由詩4*25-7-21
遠い夜、良い音。(回文)- 水宮うみ自由詩225-7-21
あめふらし- あらい自由詩5*25-7-19
論点、争点、盲点- りゅうさ ...自由詩5*25-7-19
愛のビンゴ- 洗貝新自由詩8+*25-7-18

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