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夜、開け放った窓から、
しとしとと雨の水の気配、
その少し生ぬるい涼しさに、
ぼくはなんだか妙にワクワクそわそわ!
夜、その湿った夏の夜風に混じって、
青々とした草木のにおいが、
さやさや ....
きびしい、
現実の靴底に、容赦なく踏みつぶされた、
その蝶の夢の、ぐちょぐちょが、
きみの蛹をかたちづくった、
ごくありふれた、
きわめて地味で地道な蛾が、
ごくありふれた、
日常の風景 ....
山本山、下から読んでも山本山。九歳年下の友人、山本君はとてもとても大食漢で、今日はそんな彼との映画鑑賞(映画を見る前、きっとヤツはコーラとポップコーンを絶対に注文するだろうなって思っていたら、案の定、 .... 鶴のおおくいる村に、
温泉へと向かいました、
露天風呂に入ったあと、
石だらけの日本庭園のベンチに座り、
その竹垣のまわりには、
樹々が青々と生いしげっており、
その葉がそよ風にさやさやと ....
恋人が蝶だった、ひらひらと羽搏きながらじゃれ合って、夏のあおぞらへとどこまでもどこまでものぼってゆく、その陽と風と葉はとても明るかった、ぼくはたしかに蝶だった、やがてそれぞれの夏空へと旅立っていってし .... 初夏はまだ始まったばかりだというのに、早生まれのトンボがもう死んでいる、アスファルトの上にその細い細い機体を傾けて、まだ生きていたかった、みたいに、そのうすいガラスのような透明な羽を、そよ風にかすかに .... 梅雨時の雨あがりに、まだ濡れている、
いくつもの、
綿毛となったタンポポが、
まるで細密な白いガラス細工のように硬質化している、
それぞれに、
きわめてミクロな水晶の玉の粒を、
無数に煌め ....
五月五日、
なかば強制されている春、
どうしてもせざるを得ない、
タイヤこうかん、
いっぴきの蜜蜂はわざわざ庭先にまで見学に来て、
となりの家の庭では、
紫と白、ツツジがいつの間にかもうす ....
失われつつあるものを思うことは、
まるで水のように渇望する、
真っ赤な炎に染まった夕焼けの光景だ、
その時になってそれは何と美しかったのだろうと、
その時になってようやく特別なかがやきを放って ....
{引用=
いったい誰が言ったことか。冬は女の子をもっとも白く可愛くする、という理論をそのまま体現していたかのような君の白い睫毛には、もはや雪ではなく白い花びらが、いま雪のように掠っている。


 ....
きみ、
こけし、
その目をつぶれば、
やわらかなこけし、
その目をつぶれば、
切り揃えたばかりの、
茶色いショートボブのヘアーが、
その瞼の内がわで、
そよ風になびいて、
あかるい、 ....
この灰いろの曇り空の下、
君のくちびるだけが赤い、
mysterious eyes,
そんな、頬杖の突きかた、
はる、
勉強机と低い本棚の間に架けられた、
一本のクモの糸、
その事が今なんだか妙にうれしい、
それは春が春のなかを渡り歩いたという、
ささやかで、
たしかな軌跡、
ひさしぶりに開け放っ ....
夕景、
日ようび、
電信塔は、
今日、という休日を、
あるいは、平日の日々を経た、
この一週間、
を、ほぼ締めくくるように、
この赤い夕陽のなか、
きわめて、
黒い、
きわめてシン ....
生きてるか?ガンバってるか?
ケガに気おつけてな、
それがどんな詩よりも、
やさしい、
顔になった、ことば、
{引用=
夜の終わり、ねむり、やがて抱き合って半透明になりながら夜空へと浮遊してゆく存在たち、存在たち、灰色の雲の膜を張るように、あの輝く満月に一つになりながら覆いかぶさってゆく、覆いかぶさってゆく ....
きみの手は、
しっとりとした雪が、
もうすでに降り積もっている、
ひんやりとした夜の雪原である、
夕方まで盛んに降りしきっていた吹雪。部屋の床の上に転がっている、くしゃくしゃに丸められた、クズカゴの縁に跳ね返ってしまった。いくつもの紙クズ。それらに混じって、いつもよりもすこし早めに破り捨てた、今日 .... おむすび、
お出かけする、
にちようびの晴れた朝に、
握ってくれた、
台所の海のかたまり、
炊きたての、
白いゴハンの湯気に混じって、
海苔と塩の蒸せるような香りが、茶の間にまで活き活き ....
もみじ、
肩まで浸かった露天風呂からのぞむ、
さりゆく、秋の赤い夕ひが、
ひとすじの、きまぐれな寒風とともに落としていった、
いちまいの、
星のカケラ、
休憩室の掲示板に、ずらりと並んで立 ....
きみ、
夏でも秋でもスノーマン、
おさげ頭のスノーマン、
白いましゅまろみたいなほっぺたを、
ふたつの手のひらでおさえながら、
首をすこぉーしだけ斜めに傾げて、
笑うと、目が細くなる、
 ....
「冷やし中華はじめました」、それは夏を大まかに括っていた、水色の一枚の暦のように、町中華の古びたガラス製の開き戸に貼られていた、その水色の張り紙を、店主のおっさんの手がゆっくりとひき剥がしてゆく、ぽっ .... はる、
にちようびのそくどで走ってゆく、
ひとときの、
ゆるやかな午睡、
草木は徐々に生いしげってゆく、
山沿いの線路で集約される、
一両の田舎の電車、
ちいさな無人駅のような、
ささ ....
俺「向日葵がうな垂れるほどの猛暑の中、
  ヤッケを着ての作業、
  水、泥水、土のけむり、構内のホコリ、そして自らの汗、
  そしてときには鉄骨、
  そんな、
  荒々しい太陽にまみれた ....
ともに歩いている砂浜、
こちらをむいて、
つよい波風にすこしウェーブがかかる、
花のように、首を、傾ぐ、
ながい黒髪の、まるでオニキスのようにまるい、
とてもおおきな瞳、
しろいレース柄の ....
夕景、
いちにちの役割を終えて、
港の工業王国に静かにそびえたっている、
ぼくのちょっとした、すこし傾いた、
鉄骨のキャッスル、
工場の七階から、
淀んだ窓を開け放って、今日も少しだけなが ....
たくさんの秘密を分け合おうよ。ときには魔女のように下卑た笑みをいっぱいに浮かべながら、沸きたつ好奇心に駆られて、たくさんの楽しいことを。
たとえば小学校の男子用トイレ。その鍵がかけられた個室のドアー ....
台所を独壇場にする、
梅干しよりも止めどない、
はるかに暴虐的な唾液の滝、ほとんど果汁にも紛うほどに、
強烈な、そのかおり、
それでいて、
主役の実力を才能以上に引きだす、きわめて個性的で有 ....
夜、路地裏の、暗がりを、
口に咥えられた、折れた刀身のように、
青白くひかる、
狼のように、一目散に駆け抜けていった、
黒猫、太刀魚、青い月、
紅葉、
寒さとはうらはらに、
じんせいという、
かじつの暖色が熟成された、やまやまのジャム、
ジャンパーを羽おった、
老夫婦はなかむつまじく、
晩秋のソウゲンにつがう、
二羽のタンチョウ ....
wcさんの本田憲嵩さんおすすめリスト(40)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夏夜のトイレ- 本田憲嵩自由詩725-8-3
青虫- 本田憲嵩自由詩12*25-7-28
山本山- 本田憲嵩自由詩925-7-27
虻湯- 本田憲嵩自由詩1125-7-6
蝶の夢- 本田憲嵩自由詩1025-7-1
寂静- 本田憲嵩自由詩1925-6-21
露綿毛- 本田憲嵩自由詩14*25-6-14
初入道- 本田憲嵩自由詩14+25-5-6
夕焼けのアメンボ- 本田憲嵩自由詩1025-4-29
雪びら- 本田憲嵩自由詩1025-4-20
こけし- 本田憲嵩自由詩825-4-6
手摺- 本田憲嵩自由詩1025-4-5
春の糸- 本田憲嵩自由詩1825-3-21
たそがれ- 本田憲嵩自由詩725-3-21
五行歌_どんな詩よりも- 本田憲嵩自由詩825-3-10
海月- 本田憲嵩自由詩1225-1-26
雪手- 本田憲嵩自由詩1724-12-30
紙星- 本田憲嵩自由詩824-12-16
おむすび- 本田憲嵩自由詩1224-12-1
冬どなり- 本田憲嵩自由詩1424-11-10
スノーマン- 本田憲嵩自由詩924-11-3
「冷やし中華_終わりました」- 本田憲嵩自由詩1224-8-27
はる- 本田憲嵩自由詩1024-3-10
残高- 本田憲嵩自由詩724-1-8
にじゅうごびょう- 本田憲嵩自由詩1023-12-28
ガントリークレーン- 本田憲嵩自由詩823-12-21
- 本田憲嵩自由詩623-12-1
檸檬- 本田憲嵩自由詩923-11-27
冬刀魚- 本田憲嵩自由詩423-11-20
みのり- 本田憲嵩自由詩523-11-3

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