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よく晴れた日の空から
黒百合を見たことがない
するどさに似た曲線は
忘れたふりで 眺めたりした
真似た楽器を奏でても
すこし怠惰だったせいで
合掌する 風がひびく 火がひらく
すこし ....
残るのはからっぽの部屋と、開かれた扉だけが、正しい それでもいま、ここに 破水したのは 空のほうだった みっつ折りのまま 寝返りを打つ 網のあいだで、骨が増え うしろむきにあったような 子宮の ....
これは海の味がするな
どっかしった気がある星座
それともきのう
耳がひとつ、余る。
あまるみひとつ
つきをみにわたる墨で
かすむ おろか あかり
隙から。陽だまりエコー。
ぼたぼた ....
いつか小指ほどの白蛇を飼っていた、カゲロウが
とぐろを巻いたもの 口吻を繰り返し、もうずいぶん
月燈の楽団から{ルビ暈=カサ}なり、さぞや張り詰める
うつくしいよにあれば、これはぬくもりと崩れて ....
大海を眺める男女が つつがなく
{ルビ史環=シワ}に さすらいまどう しゅんかん
あなたのテンには鏡、草原に ....
減らず口を残らず
てのひらで見送るよう
ちっとも
塡める。想像の先。灰の
色 涼しくもない
さきっぽに もうすぐに
うまれては、きえるもの
なにも腐った頭がちょっとも
まわ ....
なみせんを もがき ふけることは
およげない たましいの あぶくたちの
うまれたら いいのだろうと きりのない
もやのなか で あって しまったことです。
えらく傷ついた古鯨の少しの命を垣 ....
モノノケ準え、型紙だけが戯けている
薄情な者ですが姿だけを残していきます
そのうち、枯れるでしょうが
煌びやかなリネンの死体袋に
薄紅の陽の欠片を加護めた
面影を散らした数、樅木の鐘が鳴 ....
一面の希望が寝返りを売って
転じて興ざめする
傍らの空の花瓶が床に散らばる
合成繊維の解れた藍色
白目を剥いて割れたグラス
ひたひたに吊る炭酸水面上のハナヒラ
変容を遂げた紋白蝶の死
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