夜に
優しく撃たれて
ひとり、またひとり
人は
優しく死んでいく
夜に
まだちゃんと慣れてないから
きみは泣く
これからはじまる長い旅路の
最初に出会った
得体の知れないその不安は ....
好きすぎて格納しても隙の隙に逃げるだろうLoveAI
「あなた ここに入れた梨 知らない?
ここに確かに今朝入れたんだけど?」
「知らないよ!」
「あんた 今日食べてない!」
「食べてないよ!」
「ほんと?
あたしここに確 ....
モリエールからドストエフスキーへ至る僕たちは人間が嫌いだった
鳶から揚げをもらってありがとう。宇宙から見上げれば重量の力を借りているだけそれだけだからこの不安は不安と入り混じれば風船は鳶を ....
冷蔵庫が、さびしい。夜の代理をして、老いの歌を奏でている。かんのんびらきのドアーをひらけば、つめたい晩秋の風にサツマイモさえも干からびかけていて、もうとっくにその賞味期限は過ぎ去ってしまっている、おも ....
風 一吹き、
風景の
すきとほり
あける荒涼の光景の、
わたし何想うことなく只集中し
風一吹きの感触包まれて白手伸ばす、
一ふき風のふとどよめく感情
その内 ....
○「SNS」
S すぐつながって便利な
N ネットだけど
S 正体はわからない
○「情報化社会の混迷」
「良い情報は
悪い情報によって
駆逐されていく」
ほんとうのことが
ますま ....
煙の中で呼吸する人々は光を求めて彷徨い歩き
常に携帯の鳴り響く音が耳の穴で聞こえてくる
それは風が運んでくるざわめきだと知る術もない
いま、お悔やみのメールが届いたね
地球の裏側で暖をとる ....
美人の名残があると言われた
恋人たちのイタチごっこ
ホクロをゴミと間違えられる
美人がおならして気まずい空気
空気読めます!主張が強すぎる先輩
先回りも遠回りも下手く ....
地下鉄の代理人
話をする
針葉樹の先にある
白墨が
フェンスを越えて
生活は届く
少し痩せた体の
影踏み
わたしが書く手帳には
青い空ばかりが
広がっていて
その高さにい ....
平成二十七年三月エディオンアリーナ大阪
椅子席S八千八百円のシートに
午前十時前から座っていた
切落とし牛肉と玉子焼き、コールスローサラダで作った
焼き肉弁当を黙々と食べなが ....
ゆたかな木
夏の雲みたいにわきおこる
しずかに立っているようで
たくさんの声をもつ
ゆたかな木
鳥たちの翼を夜からまもり
どんな風も受けとめ
星のひかりに運ば ....
ふるえるとき、
泣いている、がたがた、さみしくて
ふるえている。
そのとき、
なかみのまま、
外にでていけない。
なかみのとき、
いるとき、
いるように見えて、
いないとき。 ....
優しい崩壊がはじまっていた
あまりにも優しいので
感じるべき痛みを
感じることができない
あまりにも無垢な幻想が
あまりにも無垢なまま
此処を通りすぎることはできず
幾重にも折り畳ん ....
僕は時々自転車で隣町に出かける。そうすることで、色々なものごとを振り切るようにして、走っている。季節を木々の色や葉の色に感じ取りながら、自分の昔そこを歩いた幻影をぼんやりと、思い出している、僕はあれか ....
僕は
潮さいの町を
ゆっくりどこまでも歩いていきたい
繰り返すさざ波だけを聞きながら
ゆっくりどこまでも歩いていきたい
沖を通る貨物船を眺めながら
ゆっくりどこまでも歩いていきたい ....
さみしさがどうにもならないとき、口のなかで爆発する薄荷飴を数えて、
ひとつの動作から、もうひとつの動作へと移ろう、おれは孤立者
いままであったことのぜんぶ、経験のぜんぶを蔑すだけで、
た ....
禁呪草
複雑な
毒の糸口
見えぬまま
まだ大丈夫と
熱にうなされる
ポジティブな人
城壁の草よ
心のオアシスを
そしり採られて
打ち砕けてろ
人の身体は
天然の ....
病院が白いということ
全ての記憶に
カルテのような
置き場があること
始まる命と終わる命が
手を振りながら
点滴よりも静かに
空を見上げてしまう
誰かいないか
何か聴こえるか ....
眠るように死にたい
そう願うのは人間だけじゃない
夜行性の雀蛾や鼬鼠
僕と私
昼寝する象海豹だって同じこと
真夜中に他人目(よそめ)を避けて歩く人々に万歩計は要らな ....
天童木工の図書館椅子を売ってしまった
カーヴした木に吸い付くように座っていたのに
あなたがギターのストラップを直していたときに私は泣いていた
そのせいで多くの言葉を逃してしまった
葡萄を食 ....
一雨ごと秋が
次第に充ちて来る
野道行く行く
さらけ出す
心一つは鋭きものと今更に知る
(西山は しぐれするらし一陣の風渡りたり
道端、草葉にやすむ糸蜻蛉)
....
2023年は
関東大震災から100年である
1923年に発生した震災の第一報を
アメリカに伝えたのは
福島県南相馬市にある原町無線塔である
それが世界各国の迅速な支援に繋がった
100年前 ....
○「人生百年時代」
長い人生を渡っていくには
真面目さや有能さだけでなく
人生を楽しむ力が必要だ
○「宇宙人」
もし宇宙人がいるとしたら
人間の形とはまったく違うものである
と僕は思 ....
テレビに出るくらいの俳人歌人詩人は最近でも解釈は人それぞれ
いろいろあって良いのだという人達が現在でもいるけど、鵜呑み
(お茶の間テレビだからと言って)して、素人の貴方が言ったら
繰り返していう ....
深夜二時に起きて、トイレットペーパー補充して、
洗濯物干して、コーヒーの木に水をあげて、朝食、卵かけ御飯食べて、
テレビ台など、リビングの物を拭き掃除して、それから死にそうに辛く、しんどくなっ ....
三丁目の角を曲がったところで、ふと君の
匂いを感じたとき、なんてことないと思って
いたのに。
電子レンジに卵を入れて、しばらく眺めて
から取り出し、破裂するかどうかを少しだけ
考 ....
爪を剥がす
わたしの指は二十本あるので
二十回できる
それはやさしさの残機
不安に駆られるゆうべは
脳を取り出して洗う
ホームセンターで売ってた一番強い漂白剤に浸けて
洗面台でじ ....
日が暮れてひとりの棲み家に戻る
靴を脱ぎ
1Kのアパートのなか
フローリングに膝をつき
頭を垂れる
声もなく
神すら必要としない
祈り
どうかあしたも日が昇ってください
いや ....
蜩(ひぐらし)の かなかなかなかなかなかなかなかな……と歌う歌声が
空へ心地好くひびく
一人 林の陰に立ち 傷を思う
傷の増えた この銀製の指輪は
あの人が亡くなった頃に求めたものです
....
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