思い出という
言葉は
好きではないが
今は
すべてとつながっている
あさり同士の会話がある海で
海は静かに波立ち
あなたと私は沈黙したまま
水平線の方へ目をやる。
秋の光ぽかぽかとして
雲は浮かぶ
ぽっかりぽっかり
砂浜の向こうの方で
見知らぬ人が ....
イノチガ フト
オモタクテ
窓ヲ アケルト
ヒトツ フタツ ミッツ
カゾエテミタラ
ココロガ カルクナッタ
アカイノ
ホントニ アカイノ
イマニ コガラシガ ....
わたりたり雁の旅路はせつなくも
涙もてただ拝顔すべし秋の田を
心を晴らす種はいずこへ秋の空
牛蒡引く手も借りたしや忙しなく
秋空に思い叶わず暮れるまま
冷たいと思わず手を ....
平成も残り少なくなってきたあまり実感なく通り過ぎる
通学路変える変えない決まらない団地が出来て交通量増え
田畑消え家建ち並び様変わり自然の声はボリューム下がる
県民の森は夏場は濃い緑 ....
置く、ゆびに
わかるあなたのよわひ、
わたしの
永遠に接続できない指輪と
結婚、結婚、結婚、血痕、
映る、くびもとの皺、
見ないふりをして
彼のくれる不等式を
解いた、三日かけて、 ....
○「まちがいや失敗から」
○人生にまちがいや失敗は
つきものだ
まちがいや失敗から学ぶ力をつけよう
「失敗は成功のもと」
「まちがいは成長のもと」
まちがいや失敗は
隠すためにあるも ....
陶器市に行きました
人や犬がいました
いろいろな色や形に
溢れていました
とても手頃なお値段だし
お金がないわけでもないけれど
何を買っても
わたしのものには
ならない気がしま ....
2枚のスライドガラスに挟まれた薄っぺらな紙は
時間軸ごしにみてみると電話帳より厚いのだろう
あなたは未来のあるべき姿で
今はわからず
無為に動いているようだけど
どのパ ....
({ルビ天=てん}{ルビ使=し}の、{ルビ骨=ほね}の、{ルビ化=か}{ルビ石=せき}、じつと、{ルビ坑道=かうだう}の、{ルビ天盤=てんばん}を、{ルビ見下=みお}ろして、ゐた、……)
({ル ....
下半と上半をつなぎとめているのは腰の骨
(やれやれ腰がついに口をききはじめた)
つまりは天と地の神聖なむすび目も腰にある
(口をひらけば不自然な違和感もおきてくる)
神がつかわすロープは言葉と ....
秋雨となりて思いは空に浮かび
留飲を下げて南へ鷹渡る
悲しみに溶けない氷はどこにもなく
どんぐりの転びて惑うわがしるべ
悲しみも秋の宵には消え果てて
木犀の海に沈むは思い ....
○「師とは」
上から目線の指導者に
わざわざ頭を下げて
教えをこう必要はない
師とは
知識や技術ではなく
心の師である
○「自戒」
善い人になってはいけない
善くないのだから
....
さみしくて孤独の先の孤独へと橋をかけては渡っているよ
いつになく憂鬱な日に雨が降りさらにブルーに拍車がかかる
繰り返す日々に少しの曇りさえ見えないなんてそんなわけない
ずっとこう ....
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思い出せない暗唱番号
思い出は走馬灯のように流れてくるけど
意味のない数字の羅列は浮かんでこない
味気ない数字をなにげなくならべてるだけ
....
青き時宵闇に秋葉溶け込んで
身に染むや孤独の病時経ちて
泣きたくて秋の夜には涙の雨
秋の朝しらじらと明け身震いし
柿の実や生らずになってもう幾年
葡萄の実母の位牌にささげ ....
それほど
私の愛は深くは無いので
終わらせてやることは出来ません。
ただ、魂のそばに在るだけ
それしか出来ません。
ああ何故だ
何故
と今は
のっぴきならないことを
問うのは止め ....
なぜでしょうか
思い出、記憶、面影、全てが鮮明に
と思った瞬間、全てが朧げに
帰りのカフェで君を思い出した
つまり
それも かげろう
走り出すと「春ですね」っ ....
冬、まじか
ひとつ枕で あなたの脚に
冷えた足先こすり当て
毛布に顔埋めて 笑う暁の
のどかさよ
ほのぼのと
開きそめし季節のすぎて
髪洗えば抜け落ちる束 悲しきを
湯舟浸かり両の手に 抱く乳房
秋の晩
平成は無かったことに30年
わたしの跳び箱が
静置されている
とん、と
一番高いところから
何も無い水平線が見える
息を紡ぐ
手や足が湾曲した先の行方
命のようだと思い
言葉はまだ拙くても
わたしは生き ....
紅葉、
寒さとはうらはらに、
じんせいという、
かじつの暖色が熟成された、やまやまのジャム、
ジャンパーを羽おった、
老夫婦はなかむつまじく、
晩秋のソウゲンにつがう、
二羽のタンチョウ ....
ふと迷いふと振り返り秋の宵
秋高し目の奥にあるおとぎの国
歳時記をめくって今日も秋は澄む
菊の花人それぞれに花それぞれ
思い出を遠くに手繰る秋の初風
ましら酒自然の奥深さ ....
見知らぬ誰かも愛おしい
くるってる
くるったままがいい
知らないお爺さん
今日も虚言癖愛おしい
くるってる
のは私
楽しそうだから
すごいすごいと
話に入っていった
私は明日から大 ....
なにになるのかわからぬまま
船を漕ぎださなければならない
河岸を変え
肉に刃を入れ
針を刺し
名をあらため
これまでの日誌は燃やした
空は暗く北極星もない
羅針盤はくるくる回り ....
月
冴えかえる
しろがねいろの
横顔はつぶやく
「ありがとう」
今様のマーケッター的先みる目
宝探しは負け方探し
わたしの中に雲が生まれた
雲は雨を降らせ
雨は涙となって流れてくる
悲しくて泣いているわけではないのです
そんな貼り紙をおでこにするけれど
前が見えずに歩くのが危険なので
今日は一 ....
ひよどりの姿を見ては振り向いて
痛みを越えセイタカアワダチソウを見る
眠れぬ夜アメリーの乳房と人は言い
あとは打つだけの稲田で緘黙し
秋の田や眠れぬ夜に沈みゆく
流れ星星 ....
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