無知な私の闇に
月がてらてら光っていて
青白い私の横顔の
青白い縁は冴えかえり
ひとつの魂
ふるふるとふるえ
人のこころも分からない
故に
人のこころを思うが
ふるふるふるえるばかり ....
「今年の鮎う ちっこおてえ、」
小さい頃から毎年聞かされてきた
親父の秋を告げる声
魚屋の親父だけは
てやんでえ、と言いながら
いまでも娘の帰りを待っている
....
そんなものは信じていないからっぽの樽の影が
言葉のなかに黒々と鎮座して深淵をかかえこんでいる
わたしたちが腰痛を少しでも自由のほうに傾けると
いつのまにか言葉は樽に廃液をつめて腰かけている
....
倒したかったんじゃない 触れたかっただけ
侵したかったんじゃない 去りたかっただけ
避けたかったんじゃない通したかった
透けたかったのでもない助けたかった
思ったと思っても
ことばになる ....
あちら向き
こちら向き
淡いピンクのささめきは あなたと私の様
うす曇りな心に 寄せて消えゆく
秋桜のうた
....
ゆうがた、もうそれ以降は日曜日とともつねにある、まだけっして訪れてはいない月曜日、そのすこしばかり先の未来。その未来からの兵士がつねに鋭い監視の目を徐々に光らせてゆく、鉛のように憂鬱な時間帯はもうすで ....
無知な
私を
ゆるしてくれた
あの人の
こころ
・
自分に
つごうのいいこと
ばかりでは
ありません
空の機嫌も
・
認めないか
認めるか。
認めれば
楽 ....
○「秋晴れ」
観光は光を観るとかく
観光は天気を楽しむものかもしれない
名所も
悪天候なら
つまらないものになる
天気が良ければ
散歩さえも
すばらしいものになる
このところすばらし ....
評価されるということ、
己が承認欲望超え
表現それ自体あり と、
他者に詩想され受け容れられ初めて在らしめられること、
ソレ このサイトにおけるポイントだから重要なんだ。
開いたままのネバーエンディングストーリーを閉じた日
新卒面談のための歩き方から座る仕草、
表情から目の輝きまで
徹底的に叩き込まれて
やってきたというのに
残念ながら俳優には勝てなかった ....
生きるたびに怖いところがふえていくねって
きみがうつむいて
コーヒーカップをなぞりながら、
震える指で、
伏せたまつげを揺らしながら、
他人の「すみません」に肩を震わせる
「音楽をきいてな ....
それから
ごめんなさい
ありがとう
行方不明の
愛のともしびよ
・
味わう
という
生き方を
しないと
もったいないかな
・
冴えかえる
闇の
静かさに
....
長期間痛めすぎたね
ごめんなさい
きょうはお粥であしたもお粥で
○「寂しさ」
秋の夕暮れはやっぱり寂しいね
みんな寂しいんだろうね
寂しさは誰にでもあるものなんだろうね
子や孫に囲まれていたら寂しくないとか
金持ちは寂しくないとか
皇帝は寂しくないとか ....
あの水平線に向かって
自称詩人をぶん投げてやりたい
室伏が投げるハンマーのように
美しい弧を描いて
太陽とともに水平線に沈むところが見たい
地球一周して
また此処に戻って来たら
その ....
あなたの中に
花が灯ると
迷いの森の
出口が見つかる
あなたの中に
花が灯ると
憂いの雲間から
光が射し込む
自分の中に
花が灯ることを
あなたは知らずに
健気に微笑 ....
それから
ごめんなさい
ありがとう
銀河の岸の公園にある
古びた青色のベンチに座り
星々をぼんやり
眺めていると
向こうから小鬼がやって来て
私の目の前でにっこりほほ笑み
「こん ....
もう
どうでもいい
と
放てば
満ちる
*
またね
っ
て
言える
ありがたさよ
明けて静かな正月
少し笑顔の戻ってきた母の顔を見て
また あの青空を思いだしてしまい
それから
僕らのパイロット・プラントを吹き抜ける風は
いつでも同じ音になった
....
あなたを音にする
わたしも音になる
狭いけれど
小さく響き合う
梨の実のように
透きとおった瞼に
指先で触れてみる
それだけでもう
抱きしめている
古い通り
澄んだ廃屋 ....
あすは大事なひとに会う
あかりを落として伽羅を焚く
あすでくるりと生きざま変わる
あかりを落として伽羅を焚く
あすでくるりと生が変わるなら
いまのわたしは今宵かぎり
さいごのわ ....
東京事変の恐るべき大人たちが大好きだ~
そんな気分の秋の夜長だー
あざやかに
ひろがりひびく
次々湧く想い出の
白い花々を鉄空の荒れ地に
投げ入れ放ち突き破り喰い入る
記憶の原初を細やかに辿り遡行する
感じ取ること と、感じ取られたもの 峻別し
....
寂れた町の匂いのする
季節外れの席でビールを飲む
砂粒だらけの赤い足で、
板張りの床を踏んでいた
濡れた髪の女の子が
ハンバーガーとポテトを運んだ
台風が去った跡の景色が、
そのままこの ....
ありがとう
空よ
私の至らない部分が
人のこころを傷つけてしまうのは
私が至らないからです。すると
みんなが至らないよ、と
空は
青ざめてくれる
空よ
ありがとう
いくつかの雲は ....
魚屋の前ではきっと
夕焼けが足りないと
うつ向いてしまうのだろう
戻って来た理由もどうでもいいので
僕も
ほんとにくさいと笑って食べた
世界の全てが ....
相手を嫌えば
自分も嫌われる
相手を好きになれば
自分も好かれる
人間関係お互い様
口で言わなくても目でわかる
口に出して言えばもっとわかる
好きな人嫌いな人苦手な人
人はさまざまそれ ....
あの日の雨は
もう降らないのかもしれない
もう降っているのかもしれない
明日
海を見にいこうと思う
海を、見にいこうと思う
辞書の文字が夕焼けに溶け ....
幽玄の
間合いたたずむ
人ひとり
忘れないでね
忘れるものかと
リズムから溢れる符牒符合をかき集めては
かき集めてはため息ばかりついていないで
今にさよなら半歩先昨日にあばよと階段を
詩を書くことの出来るよぼよぼ歩く老人の
ご老体の影のマス席で韋編三絶繰り ....
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