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 雨降りの休日に訪れた西洋館。
 静かな音楽が流れ、時が緩やかに過ぎてゆく。
 思い出すのは祖父の家。
 誰もいない応接間に幼い僕がいる。

 飾り棚に美しい酒瓶、アンティークドール、日 ....
眠れぬ夜に

月から地球を眺めて俯瞰した

私は強かった

 まだ今も人間であるが 愛に飢えているのか
 錆を吐き出せず 溢れている 磁気も強烈に
 男と女の創りの誤差如きに 己で己の ....
眼球のピントは崩れ
右目と左目があさっての方を見る
世界は歪んでいる
その目には確かにそう見える

交通課の事故処理ばかりを目にした一日
救急車で運ばれる誰かの呻き声
深刻そうな顔し ....
厳しい夏の終わり
ずぶ濡れで見上げた黒雲が
不意に吹き散らされ
見る間に西日に
真っ直ぐ照らし出された
濡れて光る道の先に
垂直に



誰かへ知らせよ
バッハのポリフォニー
 ....
辺りを見渡せば意図塗れの言葉を吐いてる魂の貧民窟に住んでるやつら
俺が笑っているのはお前らの自尊心がひどく間抜けで仕方がないからさ
いまその場で誰かをやりこめることしか頭にないんだろう
目先の価 ....
 桜並木が通る町

 花見の宴を開くスペースはない

 静かな通りを歩くのが好きでした

 この町を離れること

 君と別れることは

 どうしてもイコールでしか表せない

 ....
この狂った騒ぎが終わったら
君を港区にある物流博物館に
連れていこう
正体の見えないウィルスで
恐怖に駆られた人達が
狂ったようにトイレットペーパーを
買いあさるドラッグストア
「工場に ....
知らぬまに
小石を投げつけてわたし、わたしに
その水面の波紋は
かたちを歪ませて、きっと
こころとか
生きていくとか
そういうものの足元を崩していく

きいてほしい話は
きいてほしく ....
ここに来て
自称詩人に対する憎悪が
今までの五億倍以上になっている
自称詩人がクソみたいな
自称詩を垂れ流しているその時
一般の人達は
雨が降ろうが槍が降ろうが
ウイルスが降ろうが
必 ....
世界を旅している気分だった

しかし、いつの間にか

誰かの{ルビ冥=くら}いこころと つながっていた
街をつめたい風が吹き
あたりが暗くなって 物のかたちが歪んでくると
人さらいが暗い影とともにやってくる
街外れの電燈もまばらな古い家々のどこかで
妙な臭いの鍋がぐつぐつと煮られ
風に乗ってど ....
自称詩投稿サイトを
一般の人が閲覧すると
気分が悪くなり、死に至ったり
最悪は自称詩人になってしまう
この事態を重く見た政府は
自称詩投稿サイトの
一般の人への閲覧禁止を閣議決定した
同 ....
他の誰の姿もない
沈黙する街を
きみが踊る

午前六時半

部屋の窓から
コーヒーを片手に
眺めているだけでは
飽きたらずに
カップをスマホに
持ち変えたとき

撃たれた白鳥 ....
桜色の海におぼれるかのような夢をみた。
陽だまりの風呂敷に包まれているような
暖冬にこの恋は凍え死んだ。
今宵、記憶の薔薇は咲く
紅い 紅い あの花が

安易なラブソングは好まない
とか
僕はほざいていたけれど
所詮この世は男と女

今宵、記憶の薔薇が咲く
紅い 紅い あの花が  ....
うまくいかないことのほうが
詩になるじゃない
ぜんぶままならないまま
明日死ぬんだと知れば
職場のいやなやつだって
好きになれるし
世界一不幸なことが起きさえすれば
キリストにもなれる
 ....
寒い窓みとったら
みとったばかりの
顔が浮かんでくる
ずる ずる
おうどん おいしいかぁ
ええ音だして
ずる ずる
いわせやんなあかんで
泣く子も
泣き止み
すう すう
寝入 ....
灰色の空を見上げて
最後の雨を待ち続ける間に
きっとアタシたちの歴史は
色褪せてしまうのだろう

気がつけば無音になった街で
みんな空だけを見ている
鳥の瞳で、犬の瞳で、猫の瞳で、
( ....
月光螺鈿の庭で会おう

このかなしみは
悲しみでも
哀しみでもなく
ただ透きとおるばかりだから

ふたしかさの中でしか
結べない約束を
たぐりよせるほかに術はないから

月光螺鈿 ....
青い夜は低温火傷をしたよ
星の光と瞳を撃ち合い
気持ちがほつれたら糸になって
永遠という文字をなぞりたい
内側に誰もいないとしても
輪っかを投げて電車を走らせる
無数の名前と言葉を乗せて
 ....
お店にとってお客は神様だけど
神がかった提供をすれば
お客にとってお店が神様になる

子どもにとって親は神様だけど
神がかった能力を出せば
親にとって子どもが神様になる

人は総ての神 ....
焼き立てのフランスパンを一本抱えて歩く帰り道。
ライフル銃の、その銃口から立つ、香ばしい小麦の香。
いつまで夢を見ているんだろうって
もしかして
まだ少し
親密な気分で、
そんなわけないんだけど
それを夢見る自由も
まだ残されているわけで

真実はいつでも
後ろ手に遠ざかる
私は ....
この冬に
するすると
ほどけてゆくことばを
つむぎ合わせることを
わたしが
わたしとして母に伝えるのは
愛が
愛のふりをして
また愛のようなかたちをして
そして
愛としてのことばを ....
私はまだ鬼なのか。
負いかければあなたは逃げるのか。
何をしても掴まらないから、
あなたが鬼となり私を追うこともなし。
そもそもゲームはまだ続いているのか。
広い広すぎる荒野で立ち尽くす。
 ....
ひらかれたまま
あつめていく
私に似たものを
私に似ていないものを
あつめて
もやして
ふたたび解き放つ
それらはすべて
私ではないもの
それでいて
私をかたちづくるもの
すでに ....
飛び込む奴だけが悪いわけじゃねえぞ、JR!
こんだけ頻繁に死んでんのに
何の対策もせずに
放置しているお前らも同罪だ!
しかもホームアナウンスの不細工な女が
「人身事故で大幅に遅れておりまー ....
君のほっぺた、むにむに、君の太もも、むにむに。
君のむにむに、君だけのむにむに、唯一無二無二。
情報化時代がもたらす
いわれなき中傷に
ひたすら耐えてきた
可愛い見た目にも
関わらず
食材にされた上
未知のウイルスの原因とされた
この私の無念が
お前に分かるか!

いよいよ
 ....
「あの美しい富士山のてっぺんに
 円盤を停めるのも悪くないなぁ」
「はい、隊長」
「よーし、我々宇宙人の征服作戦は
 まずあの日本から開始する
 おい、資料を見せてくれ」
「はい、隊長」
 ....
足立らどみさんの自由詩おすすめリスト(1066)
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