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名前だけは知っていた
絵本でも見たことがあった
くるくる回っているディスクのようだって
カラスに剥がされた青いネットの上でキラキラしているようだったって

映像や音楽が今はもう読み込めなくな ....
 産まれた日の事覚えてるか?
 母親の窮屈な産道通り抜けてその股間からこの世界に
 コンニチワしたときの事さ
 産声あげてへその緒切られて湯で羊水洗い落とされたときの事さ

 そんなの覚えて ....
せかされ
無視され
いじめられ
無神経で
無礼で
非寛容な
残酷な場面に
遭遇した時に
見て見ぬ振りをしてしまう

時に
沈黙は
それら不正を
容認することになる

共感 ....
あんたのことが全然、分からない

これだけコロナが蔓延しているのに

まだGO-TO、止めないのか

まだ緊急事態宣言、出さないのか

まだ特別給付金、出さないのか

地方のほうが ....
死んだあの子がまた夢に出てくる
私が迷子になると
またあの子が夢に出てくる

深海を歩いていると
またあの子が夢に出てくる

ひざを抱えて昨日を見つめていると
またあの子が夢に出てくる ....
二〇一四年六月一日 「偶然」

 あさ、仕事に行くために駅に向かう途中、目の隅で、何か動くものがあった。歩く速さを落として目をやると、飲食店の店先で、電信柱の横に廃棄されたゴミ袋の、結ばれていたは ....
A401
部屋に書かれた数字に
1人ぽつりとそこにいる
2525、そんなパスワードで嗤えるかよって
真っ白、ベッドに横たわる

A401
ホテルの端っこにそれは位置して
そういえば私の ....
{引用=糸くずの
ふりかかる
だまった湖面に
傾斜した
クレセント・{ルビ月=ムーン}が
代入される

みぎも左もわからぬ
夜来の{ルビ湧出=ゆうしゅつ}

妖精により
{ルビ繙 ....
1日が
黒い地平線に
呑まれるように傾いて行くよ

地球は丸くなんかないんだ
確信があるよ
長く伸びたボクの影が追いつかない程に
転げ落ちるんだもの
刻一刻
地面が傾いて行くのが分か ....
理とは何ぞや
ことわりとは何ぞや
運命とは何ぞや
業とは何ぞや

生きていくための
最高の法を求めて

私は行く
哀しみに負けない自分で
私は行く
独りになろうとも
運命を叩き ....
実家の方角から、炊き込みご飯の炊ける薫りのしたような。
晩秋の寂しそうな母の背が、硬い根菜を刻んでいたような。
ずっこけて、転がって、這いつくばっては
立ち上がり(瞳はぎらりと、ぎらつかせ)
またずっこけて、膝擦りむいて、血糊を
なめ、それでもまだ夢を見て、今宵の夢
を見たくて ―この世界に恋がしたくて ....
昼間には昼間の魅力がある
夜は夜の魅力に逢える

星がはっきり見える
都会で暮らしていれば
星の存在すら忘れてしまう

夜が待ち遠しい
都会での生活は止めて
田舎暮らしに変えて良かっ ....
詩を書くにはあまりにリアリストだった

この世を憂うなら
朝7時半の勤労前
誰かの仕事に文句を言ってた

知らない誰かを恨むなら
あきらめるんだ
損得勘定の感情で
切って捨てた知らな ....
とても間違った言いまわしが
ひとに伝わってしまったとしても

とてもお気に入りの財布が
型崩れしていくように
しょうがないことだ

人はエンジンのまわる間は
やすみなく動き廻って

 ....
あの手この手を駆使し
時間にしてほぼ二時間
ぼくは自分がいかにこれまで我慢してきたかを伝える
君は自分もあなたと同じだけ我慢してきたとさらりという
ぼくはこれでもかというくらいほとんど全身全霊 ....
ため息と
その貧しい倫理の置きどころ

この思いをなんと呼べばいい
詩人のみんな

だって
みんなが
すでにしていることが
ぼくがこれから
しようと願うコトだもの

どこにも
 ....
宇宙の切れ端にメモがある
さまざまな筆圧で記された
瘡蓋のような言葉が無数に揺らめいている

宇宙の切れ端は君の真ん中にある
それに気づくとどういうわけか俺は眠くなり
君の真ん中で赤子のよ ....
総理在位最長記録達成記念

 たとえば「アベノオムツ」

なんていいんじゃないか

なんてね

最後の最後まで

いいかげんな政治屋でした








 ....
 表と言われるものが存在していれば

 裏がある

 表を盾として

 楽々とのびのび存在している

 裏を突く
 
 裏を読む

 表からの攻撃も楽々とやり過ごし

 ....
気がつくと
またちんちんをさわっているよ
さみしいからだろうよ
何がさみしいかというと
あらゆる人の記憶から
おのれを消し去ってしまいたいから


あらゆる人の記憶から
消え去ったあ ....
考えても仕方の無いことを
考えても仕方が無いのだが 考えてしまう


考えて書けってなんだ


書くことは常に
考えの外に在るのだ







 ....
私の対内で血が騒ぎ立ててる

うるさい!
煩い!
五月蝿い!

静かにしろ!
お前らに何が解るんだ!
何が出来るんだ?

血液が四十二度を超えたら
その細胞は死滅するらしい

 ....
大きな山だった
立ちはだかったまま青く動かないで
汚れたままの靴と
広くて深い空
その空に追突していった
ま白い鳥が
置いていった羽をくるくるもてあそびながら
雲の上や切れ間を流れる風に ....
まず、南部風鈴の音色がある。それから、木のまな板をリズミカルにたたくステンレス製包丁の軽快音。スリッパの薄っぺならビニール底が台所の床の上でぺたぺたと笑う声。朝焼けのなか、小刻みに振動する洗濯乾燥機は .... 産まれたばかりは
眠っているか泣いてばかりいた

産まれてばかりも
夢を見るのか
見ないのか

記憶は何もない
まるで
無感覚か無意識の
暗闇だったから

誰かに
何者かに
 ....
日暮れ前
誰も彼もが瞑り合掌し
高く掲げた花
   賜りものか捧げものか



            《2020年7月26日》
夜はいい

家人がめくる新聞紙の音
県道を走るオートバイ
二件むこうの玄関ベル
ナツメ電球のだいだい色

夜はいい

電気の下のアイロン台
扇風機の弱
並んだい草のスリッパ
蚊 ....
  

海のいきものになる
瑠璃色のひかりでいきると
遠くの錆びたレールから
らいせ、らいせ、と響く合の間

間違っていた事なり
理由の答えられない境界線
無ではない君の宇宙

 ....
全部あきらめた
と嘯きながら
いくつものことを忘れてきた
(つもり)
甘いのか、苦いのか



{引用=即興ゴルコンダ より、お題は たばすこ氏}
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