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おんなたちがあの崖から飛んだんよ
つぎつぎと
あの美しい波濤に
着物の端が消えてったんよ
おんなたちの背後にはなにがあったんか
なにをおそれて飛んだんか
波間の白い泡
地上では生きれ ....
いま生きながら埋葬されている
あなた
血の滲んだ手で墓掘りのスコップを握ってる
それもあなた
あなたのお葬式は
だれも知らないうちに行われる
正しい名が呼ばれることもなく
墓標もない ....
わたしが死んだらねわたしのお骨を砕いて毎日たべてね
とおかあさんは言った
わたしに根を下ろし生きたお墓にしたいおかあさん
でもね
わたしはあなたの土じゃないの
あなたが赤ちゃんを産んだら ....
なにひとつ持っていかぬという気持ちで
日々、靴をはき
仕事をし
夕飯の買い物をして
靴をぬぐ
思い出も悲嘆も後悔も
生き残った人たちのもちもので
三途の川の向こうには持ち越せぬ
....
わたしは壁のなかに育った
壁の外に
出たことも見たことも聞いたこともなかったが
外があることを知っていた
夏、庇の下に燕がやってくる
燕は夏に来て冬に去る
燕が冬を過ごす地がどこかにあ ....
もの言えば唇寒し秋の風
というのは芭蕉の句
けれど、秋の風の吹きやんだことがあっただろうか
なんだかずっと暴風雨のなかにいるようで
誰もが服の下に
生々しく湯気の立つような
肉の腐った ....
血を吸うな吸血鬼
おまえは蛭のように
皮膚にとりつき離れない
おまえは不幸なことに
好いた人間の血しか吸えぬと言う
血を吸うな吸血鬼
おまえが好いた人が死んでも悲しむな
それはお ....
深夜、明かりを落としたベッドの横に
弟の友の顔をした妖怪が困り果ててやってきた
助けてくれという彼に
たまごスープを提供し
添い寝した
小声で尋ねる
ねえ、あなたは他人の顔になって生き ....
あなたはわかる、と言いました
わたしはわかられた、と思いました
花が咲き乱れ、天国の鐘がなる
果てのない全能感、無敵です
もはや孤独ではないのだから
なんでもできることでしょう
背 ....
足立らどみさんの凍湖(とおこ)さんおすすめリスト
(9)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
崖
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凍湖(と ...
自由詩
4
24-12-5
いつしか百年がたち
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凍湖(と ...
自由詩
12
23-9-23
わたしを生きたお墓にしたいおかあさん
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凍湖(と ...
自由詩
3
23-3-12
向こうの花畑だけが
-
凍湖(と ...
自由詩
12
22-12-11
わたしは壁のなかに育ったが
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凍湖(と ...
自由詩
5
21-10-29
ただおそれてる
-
凍湖(と ...
自由詩
1
21-10-23
血を吸うな吸血鬼
-
凍湖(と ...
自由詩
4
21-10-21
訪問者=妖怪
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凍湖(と ...
自由詩
1
21-8-28
わかる、あなたとわたしはおなじ
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凍湖(と ...
自由詩
5
21-6-18
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