すべてのおすすめ
手はさわり
落ちていく
あたらしく
たどりつく波
その波のかたち
平日の空気を
涼しい寝台特急は泳ぎ
車体を残して
溶けていく
あなたは積木の
手本をしている
手は繰 ....
今も
一つの
存在が
無くなった
ここにお墓が
出来る。ここに
拳位の大きさの
丸い石を置いて
その存在のお墓としよう。
丸い石を置かれて
お墓となった
ここは
しるし
生き ....
歯痒い思いをしたのか、それとも、迫り来る死に抗おうとしているのか、群青色の蛇がバ・ダ・ダン、バ・ダ・ダン、と、鞭のようにしなりながらのたうち回っている、俺は、リズムとしては一貫性の無いそれを、パン ....
私の
こころは
清濁で
満ちている
だから私だ
○「他者理解」
☆自分の心のコップを
空にしなければ
相手の心は入ってこない
☆相手の心のコップに
勢いよく
自分の心をつぐと
ぜんぶコップから飛び出してしまう
☆喉が渇い ....
毎日毎日
目にしているのに
行ったことのない場所がある
立ったことのない土地がある
踏んだことのない石がある
電車がやって来たけれど
それは反対側のホームだった
知っているのに知 ....
やられたら
やり返すと
君の言う
誰にやられた
わかりまてん
わからないけど
とりあえず
誰をか殴り
誤爆の
嵐
もう帰る
家はどこにも
ありません
何やってんの
....
鳥たちに怒られながら、桑の実を摘む
抱えたボウルに次々とほうりながら
これは私のものよと、何度言っても怒られる
何度も何度も、鳥たちは同じことを言う
こちらも負けじと言い返す
だけどすぐに疲 ....
また戦争の時代が始まっている
ウクライナで
パレスチナで
人間のもっとも愚かで悲惨な戦争が
また起きている
日本では
マラソンだ!ゴルフだ!野球だ!と
スポーツに熱狂している中で
テレ ....
日の暮れ方の川辺り、{ルビ湯女=ゆな}の手の触るる神の背の傷痕、
──その{ルビ瘡蓋=かさぶた}は剥がれ、金箔となつて、水の中を過ぎてゆく……
({ルビ魚=いを}の潰れた眼が、光を取り ....
食べることは生きてる証し
我が人生は、食べることが目的
──でもないけれど、
事実は、かなりそれに近い
さて、今日は何を食べようかな?
中華そば大好き
煮込みハンバーグ激ウマ
....
その塊は例えるならば
草原に紛れた矮小な虫
誰をも妨げること無く
誰をも咎めること無く
そこに在る証といえば
微かな呼吸でしかなく
誰もが気付かずに居て
穏やかに楽しむばかり
....
観葉植物に餌をやり忘れて
餌はやらなくていいんだよ、と
言葉で教えてくれた人がいた
階段のよく晴れた踊り場のあたりにも
エタノールの匂いがしていて
その間、何本かの準急列車に
乗り ....
目覚めた時にすでに憂鬱
カーテンを斜めに開いて落ちる雨に憂鬱
「ごめんなさい」が言えなかった昨日の自分が憂鬱
下駄箱を蹴っ飛ばして靴の踵を踏んでいる自分が憂鬱
土砂降 ....
この度
自称詩人を身内に持ち
多大なる被害を被っている
家族が結束し
自称詩人被害者家族の会を
結成することになりました
目的は自称詩人を止めさせ
社会復帰させることと
自称詩人の温床 ....
永遠と思ったことが
後悔でしかない
春先の霞が澄み渡る風に飛ばされ
蒼然と光が落ちる
青さを一層増す丘陵地帯
あ、あの、あのね
ね、その
それ、 おきて
居ないものを見た
居 ....
藤井聡太が21歳で
8冠に輝いたというのに
私は還暦を過ぎて
自称詩人をやっています
どうせあと5、6年の命なので
今更他のことは出来ません
私はこのまま死ぬまで
自称詩人でいいのでしょ ....
友だちは欲しかったけど
仲良くなると怖いから駄目
正しいことは知っているけど
息が苦しくなるからお終い
薬じゃ治らない恋をした
私から私へと手に手を握って
大丈夫だよと言って欲しかった ....
さまざまな
物事は
一概には言えませんね
それぞれがそれぞれだ
でも地球は一つだけ
何をやるにしても
やる気がなければ
上手くいかない
続けることが難しく
途中で止めたくなってしまう
自分を信じる
やる気が湧いてくる
やることが上手くいく
その流れが続いて ....
貴方と逢っての帰り
雨雲が 電車を追うその先
西山へ落ちかけた陽が鮮やかに薄紅で
大きい
稲の穂先に むせながら
田の中を歩き
やがて深い竹林に入った時
....
海と山に挟まれた街の
湾を照らす黄金色の夕日
風の流れる音が聞こえる
鳶の群れが警告を与えている
世界の底にその街はある
虹の彩りが世界を縁取る
空は人の脆さを ....
最低気温も11℃。
台風15号は900hPa。
明日、金曜は13日。
昨夜食べた秋刀魚は莢より細く…
重ねてきた61の秋。
希望はこれでいい。
その無はしかたがない。
コーヒーもまた ....
北半球で大陸が
あかくもえはじめる
地球儀を横切る
オレンジのすばやい牡鹿よ
君の足は細かったね
ツノは複雑で立派だったね
くるぶしから覗いても
隙間は無くなっていて
何も見えない
....
魂という命は
絶対ではないけれど
大切であることには
変わりない
愛
めざめ
なにか黒っぽい
いくえにも重ねた
すき間だらけのガーゼ的なにかに
ゆっくりと眠りは
溶かされ絡まりながら
そろそろ吐きだされそう
視界の芯 ....
試着をし続けている間に
ぼくらはすっかり
年を取ってしまった
兄は定年退職を迎え
父と腹違いの叔父は
ベッドから起き上がれなくなった
会津に帰ると言って聞かないのよ
叔母が愚痴を ....
さやかなこまかなことばさきとどかぬのならそまず散るだけ
おとしぶみおとした文の子守唄
せきをしてもひとりよりすこしふかい秋はひとり
焼きいも売りの声すこしたかく
石黒くなりショパン ....
死生観のような雨を避けて、廃墟ビルの中で壁に背を預けて座り込んだ、雨音は右心室で染みになり、睡魔に負け始めた俺は次第に薬物中毒者みたいな微睡みの中へと溶け始める、小さな火がそれ以上広がりもせず、だ ....
川を越えて
戻ってこなかった
砂利になった言葉ならば
ひとつかみにして 気のすむまで
玩んでいられるのだが
駅の屋根に
ふる雪のかなしさ 静かさ ....
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