liquid crystal
soft_machine

倒したかったんじゃない 触れたかっただけ
侵したかったんじゃない 去りたかっただけ

避けたかったんじゃない通したかった
透けたかったのでもない助けたかった
思ったと思っても
ことばになる寸前
浮かびきれ
沈みつくす
指示にくり返されるだけで
何したかったのだろう
像の淡さが
星団だったらよかった
澄んだことばのままで
見つめ合えたとしても
引き過ぎればちぎれることも解ってた
もっと悪い予感も

愛したかったのだろうが裁いた
積みたかったのだろうが崩した

欲しいものは美しくまとまるんじゃない
だったら出ていくしかない
野原がやたら騒がしかった今日
都会の喧騒こそ燃やされる明日
中途半端な息苦しさを
胸から背中のほうへと
吸っている吐いている

遊びたかったんじゃない、答えたかったんじゃない
問いたかったんじゃない、笑いたかったんじゃない
嫌いたかったんじゃない
炭酸が切れたのでもない
温めたかったのだと思うし連れていたかったのかとも思う

さよならしかない、けれどさよならじゃない見かけ上は
半透明の羽撃きが谺してくれる
不安をくれる 結晶してくれる





自由詩 liquid crystal Copyright soft_machine 2023-10-29 14:22:35
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