生きていれば、時折 
苦い薬を飲むような一日がある 

目の前を覆う{ルビ靄=もや}のような 
掴みどころの無い敵が 
心の鏡に映っている 

靄の向こうのまっさらな 
日々の舞台は、 ...
コンビニの銀行にカードを入れたら 
先月よりも数日早く、今月の給料が入っていた 

新たな職場に移っても 
相変わらずの安月給ではあるが 
ATMの画面に増えた金額を見た時 
今迄とは違う ...
心に棘の刺さった時は 
真綿のように包んで 
黙って何処かへ流れゆく 
雲の旅人になろう 

あの空から地上を見れば 
大きな荷物を背負った人も 
小さい蟻に見えるだろう 

あの空 ...
さくほ のざらし せに まいわき
みおり みずお くらり めにおつ

んゆらま こひ えあぶり しずき
むつて たかれ おりもひ すずろ

ぬかるむ つのり けしのむ さち
ゆむひ もる ...
どこかの飼い猫みたいな男が
知らんぷりして
去っていく。

                「あの子が欲しい。」

いびつな骨がコートを着て、
耳に残る、首輪の鈴の音だけを追ってしまう。 ...
わからなくていいことが
多すぎる気がする
わかったふりするだけで
一日が終わる

ふる首よりも
うなずくほうが楽でしょ
異論唱えて空気変われば
どっちへぶつかるか
予想できない

...
番になれなかった蝶々結びがひとつ。

咽の頭が
ひとつふたつ飛び出して
あてのない渇きを訴えている。

共に立ちえない辺の先が
行方知れずになりたいと訴えかけてきた。

叶わない全体 ...
糸を巻く手を止めてはいけない

私ができる唯一のこと

糸を巻く手を止めてはいけない

金のために食うために

糸を巻く手を止めてはいけない

自分に呼吸を許すため

糸を ...
今日も、仕事帰りに、
鈴本へ行った。
もう中入りで、締め切りの看板が出ていたけれど、
おばちゃんに、立ち見でもいいと言ったら、
まだ席が4つあるけど、割引はなしね、と入れてくれた。

小三 ...
廃園なんてない
庭はいつもそこにある

木の国
虫の国
蟻の国

幾つにも幾重にもひとつに
空のもと
風の中
ひとがいなくても
いなくなっても

おかえりという言葉が
時々 ...
 
夜を吸わないでいると 朝を吐きだせないので
重いまぶたをつりあげて 寂漠のけむりを一本 くわえています

やぶれた羽根 まだ鳴き止まない
みえないおもりを突き刺して
透明な視界のうらが ...
役割を終えた蝉は
ジリジリと焼け付くアスファルトの上で
天仰ぎ、横たわる

蟻はその命を繋ぐため
ワラワラと死骸に上りくる

それが自然の摂理よ

今も昔も変わらず繰り返される
生 ...
 
 
低いベッド 
壊れた水平線を 
修復する 
年老いた水夫 
子どもたちは 
遊びまわる 
紐状のもので 
いたるところで 
フェンスの中に 
迷い込んだ 
夏の蟻が 
...
色鳥の彩(いろ)美しき姿かな

虫の音は生命(いのち)の調べ闇照らす

彼岸花畦道の縁飾りゆく

日常の喧騒忘る花野道

秋の燈やひとり静かに瞑想す
  俎板に
  茄子があるのを
  きみはじっと見ている
  ぼくの
  右の掌のうえで



  きみの
  ながい髪が
  穏やかにきらめく
  素晴らしい午後

...
はじまりの舟 今漕ぎ出す
それぞれの意思 繋ぎ合わせて

荒ぶる魂たちが集う 決意の空よ
澄み渡る青色は 純粋(すなお)さの証

描く未来は同じなれど
ぶつかり合う想い 譲り合えぬ野分の ...
  血まみれたチェーンソーを手に
  キラリと笑うきみ
  カワイイね
  絵になるね



  総理大臣の指を断ち
  大統領の首をとばした
  血まみれたチェーンソー
...
普通の女の子の日常を見て 熱いお茶を飲んだ 優しい気持ちになれる。 動物の言葉を理解できている対岸にある原発施設

飼い猫の名を何回も呼んでいる好きなエンゼルパイを食べ合う

爽やかに草花揺らす風が吹く夏の記憶はいつも快晴

真っ青になりたい空が泣い ...
乾き始めた体が
 
今 欲するのは
貴女と云う名の海
 
ただ 名も無い
いまの“わたし”では
 
ただ 同じと
海鳥が鳴いた
 
ボクとキミとの共通因子だからと言って
皮かむりで括られてしまうのは心外だ
同じ括弧の中にいても
キミとは上手くやっていけそうもないもの
ましてやボクとキミとを足したって
2ポコチンになりはし ...
そうやって大切な「もの」を失ってゆく

失ってゆくのはいつも「もの」だ

ぼくが「もの」にしてしまった「もの」なのだ


年甲斐もなくSMに溺れたのは

二十も離れた女と

ふた ...
ヒガンバナが今年も灯る
曖昧を許さない輪郭で
そのくせひどい曖昧を宿す

秋に咲く大輪は葉を持たない
何もなかったところから花火みたいに
茎だけで伸びて

夢見がちなひろがりではじけて、 ...
ひるまの電車はがらがらで
まるでちがう人生みたいな顔をする

はれていて
あかるくて
がらがらで

まるで
ちがう人生に乗り込んだみたいな

わたしが
わたしだって
だれも ...
ボックス席のような芝生に
投げ出された四本の裸足
滑って行く

青い単線
わたしたちを吸い込む
白い山々
爆破寸前の
たっぷりとした夏

見上げた
網棚の
麦わら帽子のなかは宇 ...
村に晩年は無かった。

母の喪服
「科学だ。」
「つまりは科学なんだよ。」
喪服は飛ばない。
飛行機はいない。
「プランク定数」
「量子力学?」
だから飛ばない、そういう科学だった、 ...
足などというものなどは蹴るために素足あたためラブホテル出る

生ぬるき水道水を飲むグラスただの水とは思わずに飲む

ボトルの形が変わったお茶などのペットボトルに年月あるか

防水のプラスチ ...
さて あのすすり泣き
深夜不気味な静寂の中
心の中を踏みにじる
遠吠えのような鳴き声と
嗚咽を漏らしたすすり泣き

寝静まった街の中
街路樹に風 だけがざわざわと
聞こえぬふり ...
 とうめい/だった

―.

透明だった、でも紛れなかった
やわらかさを感じて、温度がある事を知った

それぞれが違う形をしていて
それでも丸みを保っていた

誰か、が
誰か ...
 
いつもの景色を傾けて

いつも置き去りの気持ちは 時々 やはり うずく

さよなら を 何度 経験しても

痛みに強くはなれなさそうだ

言葉があって よかったと思う

感じ ...
日付順文書リスト
タイトル投稿者カテゴリPoint日付
鏡の世界 服部 剛自由詩311/10/6 23:25
給料日 自由詩311/10/6 23:11
雲の旅人 自由詩311/10/6 22:58
え な しずか砂木自由詩9*11/10/6 22:56
無題sham自由詩311/10/6 22:35
理解しません朧月自由詩211/10/6 22:20
水を得ない海辺にてyuugao自由詩4*11/10/6 22:08
糸巻きゆべし自由詩011/10/6 21:56
40代の仕事帰りはだいろ自由詩111/10/6 21:29
庭にはいつも小池房枝自由詩811/10/6 20:24
零と壱四帰自由詩111/10/6 20:23
秋風菜穂自由詩1*11/10/6 19:10
不定たもつ自由詩311/10/6 19:06
虫の音は洞野いちる俳句511/10/6 19:00
茄子草野春心自由詩2*11/10/6 18:55
はじまりの舟洞野いちる自由詩611/10/6 18:54
チェーンソーガール草野春心自由詩3*11/10/6 18:50
短歌山岸美香短歌211/10/6 18:39
原発施設夏川ゆう短歌111/10/6 18:33
渇望の抑止徘徊メガネ自由詩411/10/6 17:21
因数分解花形新次自由詩0*11/10/6 16:59
宿命吉岡ペペロ自由詩911/10/6 16:51
秋の炎はあまね携帯写真+...1911/10/6 14:41
ひるまの電車はるな自由詩211/10/6 14:25
ブルーライン伊月りさ自由詩511/10/6 14:04
指揮者がいない榊 慧自由詩211/10/6 13:51
ヌード撮影 2011.9.9短歌6*11/10/6 13:10
夜の唄……とある蛙自由詩7*11/10/6 12:37
やわらかくあたたかくとうめいなものつみき自由詩411/10/6 10:34
選択山崎 風雅自由詩111/10/6 10:12

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