走り梅雨右眼の視界鮮やかなる
五月尽家去るとふ人さびしらに
紫陽花や水飲み干して承諾し
葉脈の無疵なままに柿若葉
落ちきらぬ日に照り返す柿若葉
Summertime
Only I
Here
クリームシフォン食べ妻はにこにこ
よいお天気の窓開けっぱなし
おこずかい帳つけてためいきひとつ
小さな旅としてショッピングへ行く
まだ時間がある中原中也文庫版ひらく
....
卯の花の崖に枝垂るる峠道
峠道両手に掬ふ岩清水
(歯長峠をゆく)
霧の賭場
巣にガムテはれ
燕の弧
若葉雨閑けき社の門くぐる
しめ縄をかけし新樹や小糠雨
厨よりほのかに匂ふ豆の飯
豆飯のほろほろ溶ける口当たり
朝風や豆飯の湯気立ち昇る
勝ち五万おろしたローソンは涼し
種蒔くや自給自足の真似事なる
風の香や檸檬の花のこぼれ散る
僕らが散って残るのは
変わらぬ愛の歌なんだろうな
── Vaundy
冬 一句
ひとひらに始まりてのち雪景色 ❄️
春 六句
....
無我夢中 無季無句無形 夢の向こう
川端の野薔薇咲き満つひそやかに
陽のさせば照り輝ける松葉菊
新緑やしずく残して雨あがる
二度三度訪ひし小川の野ばら咲く
アザラシや昆布が絡む傷のあと
糠雨やラジオを聴きつ横たふる
手術後の四度の点眼若葉萌ゆ
「しがらみ」と乏月歩む老夫婦
朝起きて今日のながさを想う
朝一番に小銭を数える
レシートの山そのままにしておく
こわれた財布持ちどこへ向かう
寝室片づける春の朝
窓開け放つ、春の山
軍手片手 ....
太平を偲びつ見遣る城の春
ものぐさに福ありて生ふ春の草
花水木天まで届け喪の館
星が近い
ボラの跳ね音
正しかろ
ゆるぎなき城山の城春日和
薄ら陽の曇りガラスや花曇り
満開の白藤愛づる池畔かな
白藤の見頃なるとて急(せ)きにけり
弓型の藤棚覆ふ藤白し
朝に迎えられて元気に句作する
妻が起きて朝が動き出す
天に身を預け今朝も詩のおりくる
今日はなにもしないと妻が言う
今朝は元気であれこれテキパキ片づける
昨日はおかしかっ ....
黄昏て独りの春を愁ひけり
春眠や暫時の夢のあとをひく
辛夷咲く閑けき夕や鳥発てり
清張のサスペンス観る花曇り
モカ色にカーテン替へて春来たる
仰ぐ身に零れ散るなり山桜
坐してあおぞらを頭中におさめ
じっと見つめる、鏡がこわい
顔洗いあげてさっぱりしたここち
やっぱり長くゆったりだなぁと歩をすすめる
ここちよい疲れに温水あびせている
....
冴え返りにして雨の春は冷えるな
皿洗い終えてひとり音楽聞く夜
ジャズ・ギター熱くつめたく弾かれている
問題ないとじぶんに語る炬燵のなか
神と罪とぜんぶじぶんで持ってゆく
山並みは霞がかって森静か
なかなか目が冴えない 起きて一時間
囀り ベランダで腰を屈めている
スリッパやっと見つかった
やっと落ちつけてふりそうな空見ている
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【俳句】季語を含む17音律「5.7.5」の俳句と、その形式を崩した自由律俳句、無季俳句などの俳句作品のみ受け付けます。俳句批評は散文のカテゴリへ。
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