喜びは誰に捧げるのだろう、肉付きのいい母親の頬は弾けていた。携帯の写真を覗いては閉じる。チョコレート色に焼けた力強い腕。ながれる汗は距離を忘れ、遥か故郷の土を抱きしめていた 。

できるだけ ...
日々燦燦と照りつける太陽の中
甘く立ち込める脂汗
眼鏡が黄色く反射し
ランニングシャツが透けている
人造人間達
靡く黒糸の幾つかが
悲嘆を奏でている

煌びやかな街を覆う
口から這い ...
 



 彼は「ヤマダヒフミ」という名前でネット上に投稿していた。投稿する内容は、詩、小説、批評などであり、彼は自分で文学に対するある程度の造形があるのだと考えてた。彼は日常生活では、桐野龍 ...
片方の指の半分が
いつまでもいつまでも濡れている
むらさきの
二重の光

そっと頁の上をおさえる
小さなけものの前足が
沼のような暗さを湛え
土を少しだけ歪めている

...
人生の本質に近づくのは難しくない
悲劇はそこら中に転がっている
だいたい人間が人間の形をしていること自体
悲劇だ
見えないのか
私の
君の癡さ
苦しみ
哀しみが
見えないのか
今生 ...
足跡を捨てながら
帰り途を急ぐ
その歩数と
掛け算するように
夜の密度が
濃くなっていく

粘度を増して
重く絡みつきはじめた
暗闇の
後ろ姿だけしか
もう見えない

姿の見 ...
今日(2007/1/7.Sun)私が私の友人を見つけたので、私はとても幸せです。
彼らは、私の頭の中にいます。
私は、あなたもそうであるように醜い(でも構わない)原因です。
我々は、我々の ...
昨日と同じような
なんでもない今日

やっぱりあなたを

思い出してるのは

明日や明後日とか

その先の先の先の

永遠に続くような

遠い未来でさえも
...
〈雨天から降ってくる雨という憂鬱〉
世界が世界一つ分狭まると雨が人々の庭に侵入してくる。
人は歩けない以上に歌が歌えない。
声は口に達する前に雨によって沈められてしまう。
電車が遠くを走ってい ...
反転した蛍 
朝せっせとヒカル
誰にも知られずに
太陽に焼かれる 
せめて似たようなものが 
同じ場所に落ちますように 
反転した世界を 
ともに眺める少しの時間が
与えられますように ...
傘さした影もひとりぼっち ひとりじゃ辛い夜に波の音雨の音 夢から堕ちていく開かない傘 笑って過ごしても一日
泣いて過ごしても一日

同じ一日なら
笑って過ごしたいね

時間は巻き戻せないのだから
泉の底は 緑の湖につながっている
透明な砂 さらさらと音をたてて
樹液の雫 ガラス細工のように
あたしの言葉は 沈黙 拒絶する

森や小川は
たくさんのことを囁きかけ
眉間のあたりが ...
僕は散歩でよく会う
その人の名前を知らない
顔見知りなので
すれ違えば挨拶ぐらいはする
でもその人の名前は知らないのだ



僕は15歳の初夏に
初めて見た絵に描かれている
その物 ...
日常のなか
その特別性が
はからずも失われゆくものを
調度品といいます

ちょうど、
郷土と響きが似ています

つるりと光をなめらかに着て
都合のいい解釈に
身を委ねます

...
風を孕んで舞ってきた
我が家の庭木で休んでいた
台風をやり過ごしたレジ袋
ワタシを見て名乗をあげる風来坊
家柄も出生も申し分ない家出袋

台所の片隅で
日陰の暮らしを送っていても
...
20℃設定は
さすがに直接当たると
ひんやりする
だから
上に一枚羽織る

カーディガンが丁度いい
おでんを食べるときは
脱げばいいから

夏に向けて
新しいカーディガンを
買 ...
私にもようやくわかってきた
一番粗末にしてるものが
一番大切なものなんだと


水、空気、光、国、家族、そしてリコ(犬)


手の届かない所にあるものは
たとえどんなに輝いて見えても ...
「さようなら」

もの言わぬ 愛たち 真砂を踏みしめて

近きに渡る この小舟の 向かい合う綺麗な笑顔は飛び立ち
然か または自らか そんな事も忘れてしまった
とても大切なもの あなた ...
「白蓮」

文化祭で地獄の迷路みたいなのつくってさ
(つまりお化け屋敷ね)お化けの格好してク
ラスメートのF君とセックスした帰りにコ
ンビニの前でペットボトルの水をのんで別
れた。クラスメ ...
海上がりの塩辛いビール

オウオウ 夜の帳の訪れだ
オウオウ 僕らのロマンティックな夕べ

夕日は昇り 波は沖へと打ち寄せる
砂浜は熱い陽射し素足では歩けない

僕らは波に乗る
...
夜中の公園
顔の無い人が二人
ベンチに腰掛け
ただずんでいる

僕はというと
犬の散歩に来ていて
遠目にその様子を見ている

二人はびくともせずに
手を重ね合わせ
顔を伏せ
小 ...
 

 小説というのは科学の一種ではないか、という事を以前に書いた。今、もう少しその事を詳しく説明しておきたい。


 小説というのが科学の一種というのは、別にふざけて言っているわけでは ...
まだ眠っていたいのに起きる朝

飲みたくもないコーヒーを飲む朝食

やりたくもないことをこなす昼

たいして美味しくもない昼食

クタクタになりながら作る夕飯

早く眠りた ...
外出

生き生きと二人そろいて電車乗るあたりの人は薄着に夏はきぬ

しろくもにくろくもまじる空見上げつつ初夏の一日妻と遠出を

聖書に学ぶ人のためのボランティァー妻の手は日焼けてお ...
明日が来るのが怖くて
眠れない 安心できない
よそ見してる間に違う場所に行ってしまいそうで
眠れない 安心できない

けど
宇宙船に乗るんだと思って
違う宇宙へ
旅するカウボーイ気 ...
病室の窓を開けると

干し草の香り


夏休みの匂いがする

と女房は言った。
土砂降りの雨のなかを
蚊柱が
狂ったように うごめいていた

誰かが
地上の火を
消そうと
とてつもなく
大きなバケツをかたっぱしなから
ひっくり返している

抗えないものをか ...
日付順文書リスト
タイトル投稿者カテゴリPoint日付
サウダージ No.アラガイs自由詩8*14/6/11 18:19
velvetsopus自由詩014/6/11 16:15
ヤマダヒフミの消失yamada...散文(批評...2*14/6/11 15:26
ひとつ ひもとく木立 悟自由詩514/6/11 13:30
超える渡辺亘自由詩114/6/11 11:17
樹晶夜  【縦書Ver.】ハァモニィベ...自由詩1*14/6/11 10:57
記憶はるな自由詩214/6/11 10:31
永久に続くように永乃ゆち自由詩4*14/6/11 9:29
人へ葉leaf自由詩514/6/11 5:43
こいち自由詩014/6/11 2:57
傘さした影もひとりぼっち北大路京介自由詩6*14/6/11 0:51
ひとりじゃ辛い夜に波の音雨の音自由詩214/6/11 0:51
夢から堕ちていく開かない傘自由詩314/6/11 0:51
時の日chihar...自由詩8*14/6/10 23:14
緑のソネット藤原絵理子自由詩5*14/6/10 22:47
チョコレート粉砕機と田中さんichiro...自由詩11*14/6/10 22:43
調度品千波 一也自由詩414/6/10 22:28
レジ袋イナエ自由詩11*14/6/10 21:56
村上れんじ「冷房」花形新次自由詩214/6/10 21:19
 祈りアンドリュウ自由詩214/6/10 20:59
棘の囲む 空の道黒ヱ自由詩214/6/10 19:24
いくつかの散文左屋百色自由詩7*14/6/10 19:24
僕であってほしいモティーコ自由詩014/6/10 15:36
顔の無い人たちの憂鬱opus自由詩214/6/10 13:59
人間の本質を露呈させるものとしての文学yamada...散文(批評...2*14/6/10 13:30
真実の在処すみれこ自由詩014/6/10 13:23
外出生田 稔短歌114/6/10 12:48
スペースシップ・スキッパー竜門勇気自由詩114/6/10 11:35
朝の病院……とある蛙自由詩11*14/6/10 9:54
蚊柱そらの珊瑚自由詩18*14/6/10 8:39

Home 戻る 最新へ 次へ
2190 2191 2192 2193 2194 2195 2196 2197 2198 2199 2200 2201 2202 2203 2204 2205 2206 2207 2208 2209 2210 2211 2212 2213 2214 2215 2216 2217 2218 2219 2220 2221 2222 2223 2224 2225 2226 2227 2228 2229 2230 
3.67sec.