壁に穿たれた
  美しい釘のそばで
  うしなった言葉を私たちは捜す
  古臭い絵には茂みが描かれている
  垂れ耳の犬のながす 白く長いよだれ
蒸発しそこなった昨日の雨は
道路の上で
小さな鏡になり
今日を映している
赤犬がうわずみを飲むたびに
現れるさざ波は
やがて左岸に消える
わたしは
人生において しそこなったことの
...
先輩!吉田先輩!

「ん?」

ボカッ バサッ

ハア、ハア、ハア、
思い切って告白します
あたし、吉田先輩のこと
ずっとハンマーで殴りたいと
思っていたんです

言っちゃった ...
「生きて 在る」 ということを想えば
やはり不完全だ 
「生きて 在る」 ただそれだけでは 
感じ 考え こうして思念で交信する以外
何もできることはない
私たちはどんな姿をしているのか
...
いつものように電車に乗った私は
日差しを見ていた
未来の約束されていない
この街が過ぎていくということを
刃で
切った左手
痛みが、
手から背中
脳髄に達するまでの
みじかい時間
はじめて、
檸檬の酸っぱさを
知った。
左目がつぶれていく
顔が崩れそうになる味
...
あなたを焼く炎は
煙さえ立てることなく
空に消えて

後には
黒枠の中で
ほほえむあなただけが
残っている
  
空に
光りの砂 
さざめき

大地に広がる
夏草の波
...
何故きみが
僕の腕を枕に
眠っていたのか
眼を開けて
「素敵だった」
などと言うのか
「ずっと一緒」
などと言うのか

思い出せない

思い出したくない

腕の血流が
完全 ...
どんなに醜い人でも
人を愛することができる
愛することに資格は要らない
愛は誰をも美しくする

どんなに迫害を受けている人でも
人を愛することができる
傷だらけの愛には
傷 ...
神社に行くのが好き
大木が神社を見守っている

力強さだけではなく
癒やしと安らぎをくれる
母なる存在

昔から大事にされている

抱きついてみた
惜しみなくパワーをくれる
惜し ...
みやこどり
そのなをおわば
あくがれの
わがなとどけよ
きみがしとねに
 雨音がすべての音を掻き消していた。
 この町に人はまばらだが、誰もが何か特別なことが起きるのを待っていた。
 不謹慎極まりない人々なのだ。
 小さな町では誰もが監視されている。

 
  ...
 すっかり改装された応接間に白い光が差し込む時、
 僕は思い出の中で横浜の匂いを嗅ぐ。
 まだ何も知らなかったあの頃の幸福は
 クラリネットの甘い音色が包み込んでいる。

 庭に抜ける大 ...
透明な
透明なさかなになった夢をみた
泥酔いの眠りにしては
少しはましな夢をみた
オレは上流を目指して
虫を食み明日を追う

梅花藻をすり抜ける快感と
冷たい水流は美しい

み ...
灰かぶりすべてがもどる海と山

鉄クズを研ぎ澄ましては夢をみる

縄文の炎のごとくわれ焼き尽くし

オレンヂの熾火に酔って明日想う

犬を追い猫を追いては天地を駆ける

醜きを ...
暇つぶしに付き合う鳥の
羽にまみれて椅子に座ってる
マッチを擦る真似をする
苦心して葉巻を探すふりをする

君の服を褒めるつもりで
あざとい言い回しの引用文を探した
嫌われてるふりを ...
僕等の罪は

5次元で積分され

判定される

だれが判定するのだろう

神だろうか


勝手なもんだ


僕等の罪は

5次元で積分され

判定される

だれ ...
眼球に化けたる女朧月 タモリ似の人面瘡や蛍狩 蜃気楼背にして仮面はずしけり 手をとりあって
いちばん深い風の吹く場所へ行こう

其処には音楽のような樹と
祈りのような泉がある

手をとりあったまま
いちばん深い風に浄らかに吹かれて
たたずんでいればいい

...
こころに色があるならば
わたしが失くしたこころは 金の色

みずうみの底ふかく
沈んだ金の色の こころを
探しだしてください

いえいえ それは メッキの剥げた はがね色
わたしの ...
うすみず色のかなしみを
あなたは あなたの絵の具で塗り変えようと
悩んでる
何色差したら
ピンク色になるのかと

うすみず色のかなしみに
すこし赤を 添えてみる
それは くすんだむ ...
                          150618


どこか静かなところでと誘われたのがとあるマンションの一室
確かに壁は厚く、窓は二重窓、衣擦れの音も煩いほどなのだ。
時は ...
やらなければならないこと
「やりたいこと」に変えていけるかどうか。
「やらなくていいこと」に変えていけるかどうか。


工夫に
工夫を重ねていけば
変わらないこともない リスク と ...
大きなくぼみ 大きな水たまり
いつもはみな素通りするくせに
雨が降って 水たまりになれば
嫌そうに避けてゆく

たくさんの雨粒が
わたしのくぼみに入って
今にも押しつぶしそうな
灰色の ...
かけない
生活は滞りなく進む
不安げに防寒している
夏なのに
汗じゃない涙は
あまりに信じてもらえない
悲しいわけではない
変化
日々成長するわが子
わが身などどうだっていい ...
私は虹が嫌い 混ぜると灰の色になるから
どっと降った雨のあと 照りつける太陽

水たまりを避けて歩く人々
ぱちゃぱちゃと遊ぶ子供達

反射する青色の空
さっきまでの大雨が嘘のように
憎 ...
月の夜に
踏切わたる
影ふたつ
なみだに震える
かすかな歌声

背負われて
下る坂道
肩越しに
昇る満月
怪しくにじむ

帰りみち
路地を漂う
夕仕度
カレーの香りに
...
終わりに言葉はいらない
さよならと言わず
ただ、手を振ってほしい
日付順文書リスト
タイトル投稿者カテゴリPoint日付
美しい釘草野春心自由詩215/6/20 14:46
紫陽花の季節そらの珊瑚自由詩1315/6/20 14:32
告白は先に花形新次自由詩015/6/20 13:53
『望めても選べない』  卵から始まるはな詩③ただのみきや自由詩18*15/6/20 13:17
朝の山の手線番田 自由詩215/6/20 12:10
檸檬あおい満月自由詩815/6/20 9:26
夏草イナエ自由詩21*15/6/20 9:04
その朝、ベッドの中で花形新次自由詩415/6/20 8:33
葉leaf自由詩315/6/20 8:21
大木夏川ゆう自由詩315/6/20 5:53
業平橋レタス短歌015/6/20 3:36
疑心ヒヤシンス自由詩6*15/6/20 3:36
横浜自由詩6*15/6/20 2:59
水流レタス自由詩015/6/20 2:00
新々石器時代俳句015/6/20 1:38
アコーディオンガーデン竜門勇気自由詩115/6/20 1:03
勝手なもんだ吉岡ペペロ自由詩315/6/19 23:54
眼球に化けたる女朧月北大路京介俳句215/6/19 23:54
タモリ似の人面瘡や蛍狩俳句115/6/19 23:54
蜃気楼背にして仮面はずしけり俳句315/6/19 23:54
恢 復塔野夏子自由詩6*15/6/19 23:16
こころに色があるならば南無一自由詩315/6/19 23:06
うすみず色のかなしみは自由詩415/6/19 23:05
うるさい静寂あおば自由詩8*15/6/19 22:34
左に万変鏡 右に万幻鏡komase...自由詩3*15/6/19 22:20
水たまりとプリズムじまさん自由詩315/6/19 22:03
脱ぐかんな自由詩4*15/6/19 21:49
七色のプリズムじまさん自由詩315/6/19 21:36
母にレタス短歌215/6/19 21:31
またねリィ自由詩2*15/6/19 21:06

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加筆訂正:
『望めても選べない』  卵から始まるはな詩③/ただのみきや[15/6/20 13:23]
何文字か修正しました。
3.58sec.