古い、小石をモザイクタイルのように散りばめたセメントの路面で、五百円硬貨程度の大きさの蝸牛が踏み潰されている、パン粉みたいに砕けた殻と、透明な血を滲ませた肌色の―ぐしゃぐしゃになった本体、それが、 ... わたし
約束をするために 生まれてきたの
一度きりでいいから 指を結んで
守ってくれなくても いいの
また会おうって 嘘でもいいから

あなたの 人生のうちの
ちいさなちいさな ひとつの ...
舌から舌へ
鈴はころがった
光は溶けた
音は影のよう黙っていた
あなたは三度 
わたしは二度
相槌みたいにまばたきして

天蓋がはぎ取られると
屈葬にされた白骨が二体
愛は愛という ...
【ⅴ】

 自分の引退試合の相手に、事もあらうか田所はじろさんを指名してきた。
 考へてみれば、在學中にも何度か組み手をやつたが、柔術殺しの異名を取るじろさんに、田所は幾度苦杯を舐めさせられた事 ...
晴れているにもかかわらず
雨が降っている天気雨

雨粒が地上に届く前に
雨雲が風に流されて消えたり
別の雨雲の雨粒が強い風に流されて
晴れている場所に落ちてきたものだ

笑っているにも ...
I also want to go somewhere far away.
I want to go abroad where no one knows me.
For some reason ...
〈神學も今日立つ瀬なし春隣 涙次〉


【ⅰ】

 前述の通り、オーギュスタンの一件は莫大な収入をカンテラ事務所に齎した。杵塚にもたんまりボーナスが出て、「さて何に遣はう?」彼は今や事務所の ...
 行儀よくお座りして待っている

 太郎は今日も元気そうでよかった

 ご婦人に連れられて散歩をしている

 柴犬の太郎である

 かってに名前を付けてごめんなさい

 ご婦人 ...
○「老いちまった悲しみ」
老いちまった悲しみに
今日も朝から探し物
老いちまった悲しみに
頭の後ろまで禿げ上がっている
老いちまった悲しみに
体はしわだらけ車はキズだらけ
老いちまった悲 ...
 天気はさほど悪くなく、三日に一度の山スキーが可能な日ではあったが、前回の山行で古傷であった膝の痛みが発症し、さしあたり体を痛める遊びは慎むべきなのではないかと山スキーはやらない日とした。
 ここ一 ...
楽しいって思えるならいいじゃん
楽しくないんだ~

そんな苦しみを
強いたのか

迷惑をかけていいんだ
家族だからだ

家族じゃなかった
ブラザー、アイムノットユアブラザー

...
束の間の寒さこじらせ生きている あなたの知らない星にいる
わたしは昨夜ないていた
どれだけ涙を流して
声を上げようと
知ることのない
あなたは
わたしの知ることのない星にいる

思い出せばついさっきのよう
なのに
...
ベランダに出て
すっぽんぽん
思いっ切り伸びをして
そら仰ぎ見れば
青く青く色づくただ青
気高くも艶やかに
天真爛漫にして
包み込まれ包み込み
見えぬままに力強く
脈打つ思考生命
...
【ⅶ】

 食事のルームサーヴィスも全部カンテラが「毒見」をした。彼の人造の躰にはどんな毒藥も通用しない。だが、日々は徒らに過ぎてゆくばかり。いつ迄経つてもジョーイ・ザ・クルセイダーの襲撃は起きな ...
僕らは涙を堪えてやっと辿り着いた
それなのにまるで紙屑のように
クシャクシャに丸められて捨てられてしまう
何の躊躇いも造作もなく

僕たちは何のために生まれ生きてきたのか
再び涙が波となっ ...
踏みつけぬやう草の間の仏の座

ちらほらと薄日に映ゆる梅の花

けふ新たいちりん赤き寒椿
タタタタタ

黙っていよう
気づかないふりをする
言ってしまうと
死に至る
無意識の動作

タタタタタ

何も言わない事が
人助けになることもある
まるで我が子を送り出すように
赤いポスト口にそっと茶色の長形3号の封筒を差し入れた
中身は頭で捻り出した詩をまずはワードアプリに書き出して
それから所定の原稿用紙に書き写したもの
この日の旅立 ...
テレビの画面上の竜巻警報
思わずギョッとする
表示したかと思えば消え
また表示されてから数秒で消える

「そういえば」
私は思い出す
職場の昼休み
ランチを食べに行った帰り
職場玄関 ...
【ⅳ】

 じろさんの愛車・臙脂色の三菱デボネアを、またオーギュスタンが大袈裟に「おゝ、ビューティフル!」と褒めそやしてゐる間に、クルマは川崎のホテルから中野區野方までじろさん、オーギュスタンを運 ...
冬の窓辺に立つ

枯木立の間から
キラキラ笑いながら
転がり出てくる子供達

寒そうな雲間を
名前も知らない鳥が
矢印になって渡っていく

冬の窓辺に立つ

だぶだぶの
...
 この半年ほど、ジッポのオイルライターを活用している。前は100円ライターを愛用していたが、これをいくつも買っていたら、その費用も馬鹿にならないし、その空のライターの処分に困る。
 ジッポのライ ...
〈万両の紅アカいぶかしむ猫慾しや 涙次〉


【ⅰ】

 ニューアルバム『coffee house thing』の大ヒットがあつて、Radio Red Red Heartは再來日を果たした。 ...
○「死」
人間だれでも
必ず死ぬわけである
しかもいつ死ぬかわからないのである
またどんな死に方をするかもわからないのである
長生きすることだけ考えていると
足元をすくわれる

○「自 ...
自分の顔が嫌いだった
自分の声が嫌いだった
自分の何もかもが嫌いだった

そんな僕は変わりたかった
こんな顔も声も捨てて
クラスの人気者の君に変わりたかった

ある日僕は変装する事に決 ...
「未詩」ならぬ「未句」スレ。連続投稿可。感想も書いてよかです。一度の投句は十句まで。一句でもOK。口語文語仮名遣い表記が自由なのは当たり前で、バレ句も書いてよろし(江戸時代に艶笑川柳のことをバレ句と言 ... 【ⅶ】

 じろさんに杵塚が渡した、倖世の詩- (題名は特にない)

黑い月光が私の躰を洗うとき
あなたはどこに居たのかしら? 
私の坩堝の中
私は夜を嗤い 世を嗤い 邪魔っけな陽光を嗤 ...
雲がゆっくりゆくり移動していく
風が吹いているからではない
自らの意志で動いていくのだ
普き善きもの目指す意志の営み
雲の生活の道筋が
深い山の谷間で生まれ
光の大洋で霧散し天に呑まれ
...
※ クジラ オモタイ オモタイ クジラ
クジラ ネムタイ ネムタイ クジラ

クジラ ユウウツ ユウウツ クジラ
クジラ ヒトリカ ヒトリカ クジラ

クジラ イルカイ イルカト クジラ
...
日付順文書リスト
タイトル投稿者カテゴリPoint日付
いつかも歩いたその道をホロウ・シカ...自由詩1*25/2/1 18:10
指を結ぶみぎめ ひだ...自由詩1*25/2/1 17:52
異端者の鞄ただのみきや自由詩4*25/2/1 16:44
NWSF傳畸ロマン 斬魔屋カンテラ!!『生きてゐた小ノストラ ...髙任勇梓 T...散文(批評...025/2/1 16:25
元気雨イオン自由詩1*25/2/1 16:20
Far away栗栖真理亜伝統定型各...1*25/2/1 15:23
NWSF傳畸ロマン 斬魔屋カンテラ!!『生きてゐた小ノストラ ...髙任勇梓 T...散文(批評...025/2/1 13:03
横断歩道佐白光自由詩3*25/2/1 11:33
独り言2.1zenyam...自由詩0*25/2/1 10:50
なごり雪のような雪が舞う真冬のとある日曜日山人散文(批評...5*25/2/1 6:19
苦楽を共にりゅうさん自由詩125/2/1 6:09
_落とし子俳句025/1/31 22:52
知らない星のやさしい温度唐草フウ自由詩12*25/1/31 21:35
エーテルのこの朝にひだかたけし自由詩7*25/1/31 20:25
NWSF傳畸ロマン カンテラ・サーガ、ピリオド3『泰西堂主人 ...髙任勇梓 T...自由詩125/1/31 20:24
黙示録栗栖真理亜自由詩0*25/1/31 20:03
庭の花を詠むけいこ俳句2*25/1/31 19:39
貧乏ゆすりを止めるな自由詩6*25/1/31 18:59
旅立つ栗栖真理亜自由詩2*25/1/31 18:26
竜巻自由詩3*25/1/31 18:19
NWSF傳畸ロマン カンテラ・サーガ、ピリオド3『泰西堂主人 ...髙任勇梓 T...散文(批評...025/1/31 15:17
冬の窓辺夏井椋也自由詩11*25/1/31 13:23
「クレクレ星人の独り言 30」ジム・プリマ...散文(批評...1*25/1/31 13:08
NWSF傳畸ロマン カンテラ・サーガ、ピリオド3『泰西堂主人 ...髙任勇梓 T...散文(批評...025/1/31 10:08
独り言1.31zenyam...自由詩1*25/1/31 7:02
変装し続けた先に瀧石夢真自由詩025/1/31 6:33
連座 萬草庵 参軒目会議室25/1/30 23:53
NWSF剣豪ロマン カンテラ・サーガ、ピリオド3『からつかぜ ...髙任勇梓 T...自由詩125/1/30 20:17
雲の思考、声のうたひだかたけし自由詩625/1/30 20:02
クジラLet's Go鏡文志自由詩3*25/1/30 19:11

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加筆訂正:
異端者の鞄/ただのみきや[25/2/1 17:13]
修正
異端者の鞄/ただのみきや[25/2/1 17:05]
修正調整
知らない星のやさしい温度/唐草フウ[25/2/1 0:15]
タイトル・内容変更修正しました
3.77sec.