この生命保険は
六十歳になったら保障額が
六千万円が六百万円に変わる
判っていたがその通知が届いて
自分の価値が下がったことを実感

定年を迎えての再雇用では
給与が半減すると判っていた ...
深まる闇に誰も気付かず
忍び寄る足音にも誰も耳を傾けようともしない
偽善の仮面を被った悪魔は聖職者の身形で白々しく
神の言葉を説いて回る
まるで我こそが真の聖職者なりと虚栄心を募らせながら
...
「ごめんや」
虚ろな眼差しで
そっと握る祖母の手は
ほっこりと温かくて
懐かしい香りがした
独裁者が命を絶ち狂った世界が終わりを告げて
世の中に平和が訪れると信じていたのに
違う形の独裁者が再び現れて横暴を振るう

もし本当に世界が変わるなら
意味もなく人を傷付けたり
ひとつのモ ...
気が狂ったか……
と思ったら
全てが
おかしかった

詩の中で
冬の蝉が死んでいた

史料館に
古銭、十銭が展示され

エッセイの中に
ユングの影が

夢か記憶か

観 ...
満員電車の窓に映る
よれたスーツと、冴えない顔
「パパ、がんばってね」
息子がくれたピカチュウのシール
名刺入れの裏に、ひっそりと貼ってある

雷を放てるわけじゃない
敵を倒せるわけでも ...
 
 パパが夜帰ってきて

 自分へのごほうびと笑いながら

 ビール飲んでる横で

 麦茶飲んでた幼い私



 なんかだんだんわかってきたよ

 ほんとうは

 生き ...
お前がベッドに腰掛けたまま
俺に批判がましい視線を向ける
俺はそれが鬱陶しい

悪いのは俺じゃない
お前に対してうんともすんとも言わない
俺のジョニーが悪いのだ
いや、ジョニーが悪いとも ...
 
 涙の跡を指でなぞり
  悲しみに、もう一度ゆけと言う

         ──羊文学






青空をひとつ残して蝶別る

青空の下に別れて蝶ふたつ

風聴いても ...
廃れた土地
命が終わる
俺は見た
何も言えず

裂ける絆
崩れる平穏
巣を破壊された
蟻のように

権力者の踊り
そのリズムは永遠に
搾取の唄
その調べは永遠に

地獄の ...
わたしが眠るのは 夜を越えるため
青い目をした狼が 林の奥で睨んでる
黒ざめた毛皮は 荒々しくなびき
木の根のように 重苦しくたたずむ

生きていれば 喰われるので
わたしは目を瞑る
死 ...
白い紙に
芯の尖ったエンピンツが
くにゃくにゃ動くたびに
変な模様が浮き出てくる

ボクの素直な
今の気持ちを
魔法のように
代弁してるようだ

それを見た人は
何かを感じてるよ ...
瞑目意識の光り輝く視界の最中に
薄っすらと次第に鮮明に
真青な海原の拡がりいく

時流の一瞬一瞬の
波打ち撓み間の広やか
過去も現在も同じ一間に
揺蕩う意識の陶然と静やか
拡がる真青な ...
沖縄戦の終焉に向かう極限の中で太田實中将が自決した
6月13日から60年が過ぎて東京都大田区で産声を上げた
「太田」と「大田」音が響き合い言霊が時を超えて交差して

太田中将が遺した言葉――
...
 
街をゆく人たちを
みながら僕は道端のオブジェに腰をおろす
楽しげに笑う学生たち
せかせかと歩く働く人たち
スラリと日傘をさす女性たち
なんだか訳のわからない人
あ、それは僕だ ...
雨はそこまで叩きつけなかった
私は幾分 疲れていた
あなたにまた会いに行く
車のワイパーが しずくを両端に振り払う どこへ向かうかも追えない

「ごめんね」
何にごめんなのかわからないけど ...
○「独居老人」
散歩してたら
また捕まって
話を聞くこと一時間
老いても舌だけは健在だ

○「梅雨」
落ちた梅が雨に打たれっぱなしだ
雨も二三日ぐらいならいいが
長く続くと
洗濯物 ...
蹴散らせ
蹴散らせ
虫の群れ

うじうじ
わらわら
いや、やめて

ちょっと
蹴散らせない感じですか

えぇ、これだけ量が
多いとどうも

ファイヤーバーン!

と、我 ...
境とは細い線のようなものではなく
どこまでもどこまでも続く長い道のりのどこかにあるまぼろし

どこかで今までの着物を焼き捨てて
河岸を変えなけりゃ
この旅行きは終わりやしないが
そもそもど ...
 愛想がないのはもともと
  説明するのも苦手で

       ── kanekoayano

 




 黒柳徹子(さん) 四句

夏の朝徹子の部屋に来る徹子 🧅🚗

...
胸の膨らみ
秘匿されながら
初々しく微笑んで居た
出会い頭の
貴女と云う人の 、

 崩れぬ死顔よ 永遠に
ナパーム弾のような雨が止んで気の抜けた夜の街路、そこいらに張り付いた雨粒がネオンライトで嘘と同じ綺麗さをプロデュースする、この世は鼻で笑えるくらいがいつだってちょうどいい、何かを始めようとするとき ... 冷たい肌で引き裂いた滲んだ鉄錆の味が苦く口に残った
まるで罪を罵るかのように

あゝ、どんなに振り返っても君はいない
君の醒めた横顔が瞼の裏に映る
見込み違いの幻が僕を責め立てる

どう ...
元カレが詩人デビューした。

「風の叫びに耳澄ます夜」とかいう詩集を出して、意識高そうな書店に平積みされてるのを偶然見かけたとき、思わず飲んでたスタバのラテが鼻に入りそうになった。

……風っ ...
慰めさえ効かないぐらい哀しいときは泣いたらいいの
我慢するときほど悲しいことったらないわ
ただそばにいて寄り添ってくれるだけでいい
背中撫でて頭撫でて何も言わないままで

時間すら忘れてひと ...
雨露な濡れた葉を止まり木に羽を休める揚羽蝶
何を考えているのか
何をしたいのか
騒ぐ風が大きな羽をユラユラと揺らしても
不安定な足場の上でか細い脚を踏ん張らせ必死に耐えている
仲間が近くを通 ...
 
 今朝、電車の中で

 いい詩が思い浮かんだんだけど

 帰る頃には

 すっかり忘れてるな

 何だったかな

 昨日見た夢は

 好きなコと喋ってる夢

 二人で ...
我が罪を思い返すは桜桃忌

梅雨寒に震えて舌を噛み千切る

蜘蛛の巣に絡み取られて息絶える

黴臭い汚部屋の中の蝋人形

早乙女の後ろ姿に勃起する

襟足に舌を這わせて夏衣

...
とほい
自らが自らに
とほくとほくなり
いく折 、

ひとり人の抱え持つ
夜ごと寄り添う安らぎの
深く刻み込まれた
星々からの記憶の許、

 いよいよ不断に
  別れ離たれいく
...
コメが高いなら
コメを食わなければ良い
アワでもヒエでも
食えるもんなら何でも
文句言わずに食え
どうせ碌でもない
働きしかしねえんだからさ
自称詩人に食わせるコメなんて
端からないだ ...
日付順文書リスト
タイトル投稿者カテゴリPoint日付
妻と毒イオン自由詩4*25/6/13 22:24
地獄ヶ淵栗栖真理亜自由詩225/6/13 22:20
祖母の手自由詩4*25/6/13 22:16
世界が変わるなら自由詩4*25/6/13 22:13
六月キョウメイ奥畑 梨奈枝自由詩1+25/6/13 21:56
ピカチュウ無名猫自由詩325/6/13 21:34
星空おやすみ自由詩425/6/13 20:44
自称詩人になる動機にだけ傾聴に値するものがある花形新次自由詩025/6/13 20:35
深呼吸森田拓也俳句11*25/6/13 19:22
働き者のゆくえ自由詩11*25/6/13 18:40
眠るのは、なぜ?みぎめ ひだ...自由詩2*25/6/13 18:00
文字はフシギだ多賀良ヒカル自由詩125/6/13 14:18
時の裂開、意識の変容ひだかたけし自由詩7*25/6/13 14:18
6月13日に生まれて足立らどみ自由詩2*25/6/13 8:31
耳をすませて秋葉竹自由詩125/6/13 7:33
6月9日唐草フウ自由詩7*25/6/13 7:16
独り言6.13zenyam...自由詩3*25/6/13 6:52
蟲毒りゅうさん自由詩3+*25/6/13 5:52
越境者凍湖自由詩325/6/13 3:11
徹子のヘア 〜たまねぎおばさんの日常森田拓也俳句7*25/6/13 0:25
祈りひだかたけし自由詩625/6/12 22:06
道に吐いた唾が忘れられない模様を描き出すみたいにホロウ・シカ...自由詩1*25/6/12 21:58
今は愛なき幻栗栖真理亜自由詩225/6/12 21:53
ちいかわ無名猫自由詩525/6/12 21:52
赤い傘の女栗栖真理亜自由詩2*25/6/12 21:50
梅雨と蝶自由詩4*25/6/12 21:47
恋人おやすみ自由詩425/6/12 20:20
ブライダル句集花形新次俳句225/6/12 20:16
解き放たれる刻ひだかたけし自由詩525/6/12 20:02
自称詩人はヒエを食え花形新次自由詩325/6/12 19:50

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