冷たい風で日の差す路面のアスファルトに
 一台の車の走行音も乾いている

 道の向こう側に閉まっている施設の大きな鉄の門へ
 毛繕いしながらチラッと目をやる
 サバトラ猫の鈴ちゃん

...
ゆめからさめようとするとき
ひき潮のけはいがする

現実にうちあげられて
そういえば
さくばん黒い虫をころしたことなんかをおもいだしている
永遠に置く不毛なことの筆頭にかかげよう
今日が ...
 「新館の二階、また部屋替えあるみたいですね。」

 相部屋なので、入居者同士の相性の問題が生じてくる
 「もめてんのよぉ、永田町。」
 「また××さんと△△さんの派閥ですか?」

 旧館 ...
生まれながらにしてある
自由は
自由とは思えないのだ
自由は
勝ち取ってこそ自由なのだ
生まれながらにしてある
幸せは
幸せとは思えないのだ
幸せは
築き上げてこそ幸せなのだ
首無し
地蔵の
首無しの部分に
巻いてある
布の朱さ
春は
自然ですよというふりをして
人にしか聞こえない言葉で話している
十字架みたいに人生は

僕らの痛みを朝陽に晒す





























...
うぉ~ん うぉ~ん と森が鳴る
樹齢300年のミズナラの大樹を倒すため
ぼくは特大のチェーンソーを抱え
森の奥を彷徨った

腹がへったので
紅鮭、イクラ、昆布のおにぎりと
ロースカツサン ...
  

よこなみ、海はどこに牙を隠す。
目にはみえない太陽がどこに、
隠れているかもわからないままで。

終わった、わたしは、なにもいらない。
わたしは、そんなに悲しくはない。
わ ...


まだ寒いのに
もう立ってしまうのか
立って 先に
行こうとするのか

その後ろ姿を見つめて
僕たちは
ずっと後から
暖かくなろうとするのだが

まだ寒いのだ
もうこんな ...
さざめきざわめく 風の向こう

「今日もまたお寒い一日で」

遥か燦然と風の向こう
光の海原さざめきざわめき

そっと生まれる春の風、

光の海原きっと日毎に吹き広げ
田舎はイヤだ!嫌だ!
年寄りばかりで
見てごらん あの歩く姿を
ふらふらよろよろしながら
スーパーの駐車場を
さまよえる幽霊のように歩いている
といっても俺も年寄りだ
若いときには
年 ...
年を取ると
排泄が大変になってくる
頻尿
寒い夜中に何回も起きなければならない
車の運転中に何回もトイレへ駆け込まなければならない
渋滞しているときは漏らしたくなる
トイレが心配で好きな旅 ...
青い魚が三月、泳いでいた
眼もなく、口もない魚
、と呼べる生き物なのかどうか
みんなはそれを魚かどうなのか
、と疑問符をハンガーのようにぶら下げていた


一途な男の弾丸が放たれるが
...
幻のステージに、
昭和を生きた女がいる

鳥の羽根で飾られた衣装を纏って
ジャズとロックンロールと演歌を混ぜた
──アジアンであり、
──洋風でもあり、
戦争に負けた戦後の日本みたいな
...
  

忘れ去った君のあたたかい肌
不思議な痛みが走る鎖骨の水

朝起きて眠れないから働く
傷つけたいほどの鈍欲を食べて

自然に触れ合いましょってなんなんだろうか
彼女を好きになる ...
深海の水底に眠る者たちよ
我らはいま至福の中で歌っている

君たちは永遠に若く
我らは次第に歳をとってゆく

君らが捧げた{ルビ生命=いのち}は
決して無駄ではなかった

傲慢な思想 ...
  

いくせんまんのやさしさで
あかるいよるを私に頂戴
ジメジメとした闇は好きだわ
なんてゆうのは強がりだから

いくせんまんのあわれみで
すてきなよるを私に頂戴
月がかた ...
& Next then :


 それから、わたしたち二人はどうなったでしょうか。果林とは前よりいっそう親しくなったの? と、聞いた子がいます。どう答えていいのか、分からない。
...
     &


  男の子たちはみんなばか
  あたしを置いて、どこかへ行っちゃう


 果林が奇妙な歌を歌いはじめたのは、それに連なる日からです。
 わたしはディオールの服とかを見 ...
Introduction :


 冬の風がもうひたひたと吹きつけています。そんな季節になったのかと、なんだか意外な思いのように感じながら、書き始めています。いま、コンタクト・レンズでは ...
書きたいことはなにもない
けれど
ここで詩を読んでると
僕も何か書きたいと
そんな気持ちになるのです




のたうつので精いっぱいなのですが

なんとなく
下に行くほどきりがなくて
上に行くほど見苦しい
そんな場所がここにあるよ
お母さん
今朝のカレーは夕べのカレーより
美味しいねって言ったとき
それは
お母さんが一晩寝ずにかき混ぜていたからよ
と言いましたよね
僕はずっとそれを信じていて
逆にカレーを食べたいと ...
丸の内駅のホームで、あなたを見かけたとき、BOSEのヘッドホンから聞こえていた音楽より、脈がバクバク鳴る音のほうがはるかに大きくて、動けなくなった。まるで、両方の靴が触れている地面から、たった今足が二 ... 絶え間なく拡がる透明な浜辺に

渚 黒々と鋭角の境域

思惟の力動 絶えず打ち寄せ

感覚超えた存在達と共鳴し
感覚の残滓打ち捨てながら

舞い踊る舞い躍る

渚 黒々と ...
 雑木林の茂みから車道へ出て来た
 サバトラ猫の鈴ちゃん
 金網フェンスを伝って行き
 施設の厨房がある裏庭を覗いてみる

  昼食の準備が始まっているのね。
  いい匂いがしているわ。
...
 「Uさん、こんにちは!ちょっとお邪魔してもよろしいですか?」
 居室の木戸をノックし在室を確かめて引き戸を開ける
 同室のGさんは先ほど入浴日なので脱衣所へ
 職員に誘導されて行かれる姿を目に ...
金と銀の龍は螺旋を描き
{ルビ蒼穹=そうきゅう}をかけ昇り
久遠の果てまで行ってしまった

アレクサンドリア図書館に
地球の円周を解き
数学者は美しい数式を描いた

ガンジスの行者は
...
ももを食べました
塩で食べました

レバーを食べました
タレで食べました

叔父が余命を宣告されました
ねぎまを食べました
塩で食べました

十人いた父の兄弟姉妹の
最後 ...
日付順文書リスト
タイトル投稿者カテゴリPoint日付
鏡像(9)「Oさんの記憶」リリー自由詩5*24/3/8 12:09
ひき潮そらの珊瑚自由詩5*24/3/8 10:28
鏡像(8)「コミュニティ」②リリー自由詩4*24/3/8 9:54
自由ホカチャン自由詩1*24/3/8 9:36
※五行歌「首無し地蔵」こしごえ自由詩3*24/3/8 7:23
かち自由詩124/3/8 1:59
十字架みたいに人生はTAT自由詩124/3/8 0:09
森の夢レタス自由詩5*24/3/7 22:44
猫のうた秋葉竹自由詩024/3/7 19:12
立春 二篇岡部淳太郎自由詩9*24/3/7 18:10
春の海原ひだかたけし自由詩5*24/3/7 18:10
年寄りホカチャン自由詩1*24/3/7 9:04
排泄自由詩2*24/3/7 7:52
青い魚山人自由詩4*24/3/7 7:31
歌姫atsuch...自由詩14*24/3/7 6:41
こころを撫ぜるうた秋葉竹自由詩224/3/6 22:52
弦楽のためのアダージョレタス自由詩8*24/3/6 22:00
流雲秋葉竹自由詩224/3/6 21:54
いんとろだくしょん&アレグロ③朧月夜散文(批評...2*24/3/6 20:59
いんとろだくしょん&アレグロ②散文(批評...1*24/3/6 20:57
いんとろだくしょん&アレグロ①散文(批評...2*24/3/6 20:52
めもうし自由詩024/3/6 20:18
たどり着いたリィ自由詩2*24/3/6 20:13
一晩寝かせたカレーが美味しいのは花形新次自由詩3+24/3/6 19:06
あなたのかたまりパンジーの切...自由詩524/3/6 18:12
詩想ひだかたけし自由詩424/3/6 17:32
鏡像(7)「コミュニティ」①リリー自由詩4*24/3/6 16:54
鏡像(6)「あだっちゃん」③自由詩3*24/3/6 11:47
夢の欠片レタス自由詩7*24/3/6 2:56
焼き鳥たもつ自由詩424/3/6 0:03

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