街は震える。
街は震える、僕を揺り落とすほどに。
寂しく、恐ろしく
震える。
真っ黒に濡りつぶされた窓が
少し開いて、
赤い針が何本か投射される。
その骨ばった手指。
不揃いな歯。
...
見ろよとうとう列車がやってきた
あれは取り残された者だけが
最後に乗り込める列車なんだ
何も請け負ったつもりはないが
この国に生まれたからには責任をとれと
指を突きつけてくる連中がいる
...
昨年、父が庭に植えたハナモモの樹(桜の時期に前後して紅白のにぎやかな花を咲かせる)がはからずも倒木の憂き目に遭った。特別、大風が吹いたわけでもないが、黒々としたその幹は人知れず根元からボキリと折れてし ...
刺すような寒さとは
まだ刺されていないのに
おかしい
なぜ皆知ってるんだ
刺されたときの痛さを
何か私に隠してるのか
もしかして
刺すような痛さは
刺した時の痛さだろうか
胸 ...
{引用=内から喰われる}
くちびるから離れる熱い器
つかもうとして膨らんだ白い手は光にとけ
網膜にしみる青さをかもめが掻っ切った
上澄みだけ日差しに毛羽だった
時のよどみ底なしの 泥夢―― ...
昔馴染みの店長がいる
地元の古書店へ行った
店長とはたぶん15年以上の付き合い
ひさしぶりにみた店長の声は
若い頃のままだったが
見事な白髪へと変貌していた
梯子を昇り
15年前と配置の ...
マスクに隠れた病
ai
親愛なる友よ、君と10年前、出会ってから、人生は大きくガラリと変わってしまった。君が、安らかに眠れることを祈る。私があまりの重苦に耐えられなくら死んだ時は、よろしく ...
人の噂も七十五日
ひとつの季節が過ぎる頃には
噂も忘れら去られるから
それまでの辛抱だった
ことわざは人を救ってくれた
それがネット社会になって
検索候補一覧に
サジェストキーワード ...
自分は次の世、どこで存在しているのだろうか?
また、同じ人格を保ったままなのであろうか?
でも幸運であったのは、ウルトラマンと出会えたことだった。
ソクラテスを知るまえに、「正義」を知り ...
職場でお寺の話になって
昔あなたと行ったお寺のことを思い出した
名前も場所も憶えていなくて
ネットで調べていたら
手が滑ってあなたの家を見てしまった
恐ろしいことに十数年の移り変わり写真 ...
私はカフカの変身を読んだ記憶はありません
小林多喜二の蟹工船も倉橋由美子のパルタイも読んでません
ただ書店で何度か本を手に取った記憶はあります
私は芥川龍之介の芋粥は完読しています
太宰治 ...
{引用=ふしあわせという名の猫がいる 寺山修司}
印象という名の椅子
音楽という名のハンモック
概念という名の少年
恐怖という名のカクテル
経済学と ...
たくさんの記憶がある
嫌な記憶が邪魔して
前に進めないこともある
気持ちは前を向いていても
何故か途中で進めなくなる
嫌な記憶が
徐々に薄まっていく
夢を観ていた
良い ...
プールの底からみえる
陽にゆれる水面
一篇の詩さえ
書けないってどういう事だろう
浮上とは何です、この場合
ミューズよ
捨てられないもの増え過ぎて
ひっくり返したバックギャモン
雨降って固まった理想
もう崩せない砂の城
鼾五月蝿いの何とかしてよ
部屋着代わりのジャージのラインと
並べて焼いた目玉焼き
ハン ...
荒野に一つ
かがやくそれは
ぼくの悩み事をぶちやぶって
窓に張り付く次の夜から
マカロニはしるしになる
やってきては不幸をなげき
とばりの隅に隠れている
宇宙にひとつ
かがやく ...
けだるい夏のサンセット
若いヘルパーがカミングホーム
お前のママの素敵なディナーを
作ってくれるぜナウイッツタイム
その時を狙ってさらいに行くぜ
その時ママが元気だといいな
それならお前も ...
段ボール、衣類、びん、缶、ペットボトル
段ボール、衣類、びん、缶、ペットボトル
月曜の夜に呪文のように唱える
明日は段ボールの日だから
古新聞と雑誌とチラシは来週ね
そう決まってるの残念なが ...
冬の道に蛾が落ちてきた
大きな桑子だ
冬をやり過ごし
羽を朽ちさせた太い蛾は
冷たいアスファルトに震えていた
二月
妙に暖かい日に
それでも凍てた道路に腹と羽を震わせた蛾の
末路は知ら ...
正十二面体たちの綺麗な街
水星に彗星おちる 修正を
物語の上を流れていった紙
作品のように夕陽は固まった
空が茜に染まってる方が西
今ってところで宇宙のどの{ルビ辺=あたり}
ハシバミ弾けて心臓が痛い
いみなく死んでうまれて散って
いつとはなしに猫ばかし
時それは非生物だ
ああ
深海魚コーナーになりたい
さて前回予告したとおり「俺、モザイクキラーを手に入れるの巻」である。あれは二十三の頃だ。しがない日払いの派遣バイトで食いつなぎながらプアーな一人暮らしをエンジョイしていたロスジェネ丸出しの俺はある日、 ...
ねぇ、帰らないでよ
君の自転車の反射板の光、
今すごく良い感じなんだよ
青と黄色が溶け合ってて美しいんだよ
だから帰らないでよ
僕とここにいてよ
こんな、しがない夕方だけれども、
コ ...
壁
拳
殴
殴
殴
血痕
壁
夜に沈みながら
踏みっぱなしのアクセルに
ここはどこなのか
問う術もなく目を見開く
絶望という文字が
幾度も浮かんでは消え
(急カーブに
飛び込む
夢を
見る)
真っ暗闇 ...
街はいま
傾いて
春を呼ぼうとしている
四角いからだを
丸く嵌めようとした
壊しながら
(しかもそれを
愛と
呼んだりも
した)
うずうずと
傷む
気持をして
...
夏
中学の教室では前席のおんなのこのブラウスは下着が透けて
授業か終わり起立礼の時に前がふくらんだスボンを
クラスメートに気づかれないかと
ヒヤヒヤした事度々あったよ
俺は
尖ったコン ...
綿の毛が風に飛ばされ
小麦の穂は枯れていく
見よ、紙幣と言われた紙屑が宙を舞う つまり
誰かがシュレッダーにかけてビルの屋上から撒いたのだ
これは、ま ...
ひさしぶりに古本屋にいき
古本をみてまわった
買う金がないのでおやじと話をした
ひさしぶりに人と話す
しかも本のことがわかる人と話すのは
何年ぶりだろう
数年前の岩波文庫の充実ぶりを褒め
...
土を飼っている
従順で賢く我が強い
麦を好みパンも嗜む
時節をよく見極め常に冷静
時に激しく自己否定する場面も見受けられる
芸術に造詣が深く音楽や絵画はよく語るが
文芸は理解するに及ばず
...
日付順文書リスト
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
デキストリン
由比良 倖
自由詩
1
21/2/6 23:28
夢のファンキートレイン
紀ノ川つかさ
自由詩
1
21/2/6 23:06
映画『赤ひげ』と父の思い出
道草次郎
散文(批評...
3*
21/2/6 22:30
刺すような寒さ
木葉 揺
自由詩
3*
21/2/6 19:53
眼のない光
ただのみきや
自由詩
4*
21/2/6 18:58
馬齢店長
道草次郎
自由詩
2*
21/2/6 17:06
マスクに隠れた病
a i
散文(批評...
1*
21/2/6 16:18
人の噂も七十五年
イオン
自由詩
0
21/2/6 15:32
生まれてよかったこと
ナンモナイデ...
自由詩
2*
21/2/6 13:35
運命の分岐
mizuno...
自由詩
7
21/2/6 7:47
私は私以外の何者にもなれません
こたきひろし
自由詩
3
21/2/6 6:51
Die Alone
墨晶
自由詩
6*
21/2/6 6:06
記憶
夏川ゆう
自由詩
4
21/2/6 6:01
問い
道草次郎
自由詩
6*
21/2/6 1:27
ブラックジョーク
妻咲邦香
自由詩
0
21/2/5 23:17
まかろに
カマキリ
自由詩
3
21/2/5 22:40
One Hour Dream
紀ノ川つかさ
自由詩
1*
21/2/5 21:22
火曜日
ひかわゆきお
自由詩
1*
21/2/5 21:09
蛾
黒田康之
自由詩
3
21/2/5 20:57
かたい
水宮うみ
川柳
2*
21/2/5 20:19
水族たちに囲まれて
道草次郎
自由詩
1*
21/2/5 20:09
喜多川歌麿 肉筆画 「女達磨図」
TAT
散文(批評...
3*
21/2/5 18:56
帰らないでよ
クーヘン
自由詩
2*
21/2/5 16:05
悔
ヨロシク
自由詩
0
21/2/5 8:12
ナイトドライブ
ひかわゆきお
自由詩
1
21/2/5 7:06
ものごと
はるな
自由詩
5
21/2/5 6:56
文房具ではコンパスが好き
こたきひろし
自由詩
7
21/2/5 6:51
シリーズ「詩人たちの末裔」
アラガイs
自由詩
12+*
21/2/5 3:21
古本屋来訪
道草次郎
自由詩
7*
21/2/5 0:21
土竜
妻咲邦香
自由詩
4*
21/2/4 23:22
760
761
762
763
764
765
766
767
768
769
770
771
772
773
774
775
776
777
778
779
780
781
782
783
784
785
786
787
788
789
790
791
792
793
794
795
796
797
798
799
800
加筆訂正:
眼のない光
/
ただのみきや
[21/2/6 21:18]
誤字修正
3.49sec.