毎日つけているつがいのマスク
人間でいえばもう80歳くらいだろう
一日交代で洗っては干し洗っては干す
135回くらい洗っても毛羽立たない
どんどん肌になじんでいく
ほつれがないわけではない
...
淡く赤く
想い出のような
タイムの花が咲いた

妖精の足音が聞こえる
密やかに
ハープの音のように

私は眠れない星の子供
窓を少し空けたまま
香りをひとりじめして
夢の入り口を ...
お昼休みにだけ
あなたを見つめてた
あなたの借りた本を
いつも次に借りる

あなたの名前の下に
私の名前を書く
ただそれだけで
胸を熱くしていた

転校すると聞いた日
最後の図書 ...
雨上がりの夜
羽根を広げ
月の光をあつめて
命の継ぎ足しをする妖精

丸い雫がいくつも
次から次へと
クレマチスの葉に
泣いてるように流れていく

あした咲く花の色は
今夜の妖精 ...
古い手を繋いで来た約束は
一瞬の風の中を盲目にする
先へ進めないような不安さえ
スライドさせればマントになるよ
放課後を待つだけの時間に
目を細めながら夢を描いた
どこか遠くへ行きたいな
...
自称詩人が
自宅に引きこもるだけじゃ
いつもと一緒で変わんないだろ
それ以上のことをやんなきゃ
自粛になんないんだよ
うーん、そうだなあ・・・
自宅の押し入れに
閉じこもったまま一生出て ...
本当はほとんど途方にくれた本


行き当たりばったりばっかりだったんだ


見るからに大変そうな大変身


お話が終わったあとに話する


憮然として風に撫でられている猫
...
公平と平等
当然ある筈のものがなかった

肝心な人の命を計る物差しにさえ
公平と平等に目盛りが刻まれていなかったと
思い知らされた

それぞれの人には
それぞれの値札がついていて

...
今日もドアを押すと
誰もいない街を 僕は行く 硬いペダルを
誰に会うこともなく踏みしめている そして
通い慣れた道に僕がいた


ラブ・サイケデリコの声
ラジオをつけると彼らは今もそこに ...
壁に残された二年前の嘘
ストラヴィンスキーの神経症的な後味
朝食のベーコンの油のにおいが
因縁みたいに食卓にしがみついてる

ラジオ・プログラムは元気が出る歌とかそんなものばかりで
驚 ...
長すぎる夜に
ほんの少しの朝のきれはしを
しのばせておく
ばらばらになった風景が
夢のなかでぼんやりと
それでも一つに結び合おうとすると
空に向かって曲がりくねりながら伸びて
その先で開 ...
片思いがすれ違う
風のなかに文字がからまって
いっせいに蝶が追いかける
ほどけないと知りながら
だけど放っておけないから
たった二つすきの二文字を
言い訳の海から拾ってくる
大勢の人と一緒に
私の森へ登ってくるあなた
もう忘れたでしょうね
一緒に遊んだのは小さなころ
あなたが空海の名前で
高野山に来ることは
胡桃の預言書で知っていた
小さかったまおちゃん
...
森の花屋は
入り口も出口もない
扉も屋根もない
店員の妖精は
ミツバチに押し売り
花のビー玉が降れば
枇杷の葉で雨宿り
黄昏は甘い香り
閉店知らせる風が
月を呼びに出かける
イカ墨
おーい店員さん
そうね
取り消しで

食べたら
思てんのと違う
微笑みをグラスに注げたなら
傾けて一緒に目を合わせよう
嬉しくて泣ける映画みたいに
薄い涙が夜空を溶かして
青くなるグラスは特注品だよ
幸せだと思った時は
微笑みが揺れる星を拾える
前髪 ...
それは
吹く事を忘れた
風の涙


それは
雲のハンカチで
拭いきれない
空の悲しみ
君は正座をしながら
アイロンをかけている
脂っこいものや甘いものを
食べ過ぎてはだめ
そうやってしわを伸ばしていく
部屋を出るときは
必ず鍵をかけてね
そうやって生地を裏返す
平積みに ...
あの日の詩から目をそらす日々だった


きみだけが昔の名前でぼくを呼ぶ


あの頃の、ぼくの詩に叱られています


見上げれば曇天だって空の色
{引用=インセンス}
火を点けて
饒舌な沈黙の眼差しと
爛熟の吐息で苛みながら
突く牛の潤んだ目
獅子の尾で打ち据えた
定理のない
地獄をひとひら移植して
{ルビ舐=ねぶ}られ食まれ灼 ...
カフカが変身をしてフカフカになったりしないかな。
そのフカフカを海辺に敷き、お昼寝とかしてみたいな。
百均で友達なんて売ってない

暗殺をされたりしない俺なんか

血が吹いたカッターナイフよく切れる

心臓が痛くなったら救心で

毒 薬 人は誰でも合わせ持つ

眩しくて太陽なんて目 ...
背後から呼ばれたような気がした
雑踏に立ち止まり振り返ると
それは自分ではなかった

ぜんぜん知らない誰かが
知ってる人間を偶然見かけたらしい
呼び止めて懐かしげに言葉をかけていた

...
「ケイ、こっちだ」
「どうしたの? おにいちゃん」
「きょうはおかあさんのタンジョウビだから、ケーキをつくるぞ」
「わーい。ケーキだ。ケーキ。おかあさん、よろこぶかな?」
「よろこぶ。ぜったい ...
 
 
 ギョロリ

剝いても剝いでも うろこ

       動きを止めないなら止めてやろうか このやろうか
 ロッコ   
量子論的に考えれば数億個の       「無数」

...
                    掌篇 
 
 わたしが「ソボ」と呼んでいたそのひとは、天気の良い日は大概、オクザシキのエンガワで、かたわらの茶托に乗った蓋付きの茶碗、膝の上の白猫とともに、 ...
ねこのお腹は温かい、ね
アスファルトに倒れて
春を殴った肩よりも

ねこのお腹も温かいね
初めて内臓に触れた朝の陽に
射られ冬を齧った犬歯より

切り裂かれていく弧をえがいて
腹でも ...
私達の足元は儚く
私達の歩みはおぼつかない
私達は
悲しい道を辿っているのだろうか

誰もが予想も出来なかったという
けれど実は
私達は予感していたのでは
ないだろうか
いつか何かが ...
権力者A氏
の妻が
批判されている
ことで
A氏も
コントロールできていないと
批判されている

別人格なのだから
コントロールできないのは
あたりまえ
だけど
A氏はその権力 ...
衣のすれる音がする
明け方の雲にうすく
細い、オレンジ
つまびらかな膚に
そそいで
横目にそれて

意味もなく
十字をきって
さかさまに
花束を放って
その線上にさいごの
星が ...
日付順文書リスト
タイトル投稿者カテゴリPoint日付
マスク木屋 亞万自由詩1*20/4/20 23:29
タイムの妖精丘白月自由詩120/4/20 21:50
自由詩020/4/20 21:50
クレマチス自由詩120/4/20 21:49
カーテンミナト 螢自由詩1*20/4/20 20:34
自称詩人に自粛を促す花形新次自由詩120/4/20 19:37
途方水宮うみ川柳020/4/20 16:39
明と暗こたきひろし自由詩220/4/20 5:44
落ち葉の春番田 自由詩120/4/20 1:01
濁流によって朝は足止めされてるホロウ・シカ...自由詩1*20/4/20 0:29
眼の奥処岡部淳太郎自由詩120/4/19 23:19
ガウラの妖精丘白月自由詩020/4/19 21:45
クマガイソウの妖精自由詩120/4/19 21:44
妖精の花屋自由詩020/4/19 21:44
20200419Naúl自由詩020/4/19 21:43
微笑みミナト 螢自由詩120/4/19 18:35
風の化身自由詩020/4/19 18:05
アイロン葉leaf自由詩320/4/19 16:00
詩かられる水宮うみ川柳020/4/19 14:27
壊疽した旅行者 五ただのみきや自由詩2*20/4/19 13:06
フカフカクーヘン自由詩2+*20/4/19 12:36
俳句十味こたきひろし俳句020/4/19 6:54
傷口が塞がらない自由詩720/4/19 6:12
朝遊び〜「初めてのケーキ作り」トビラ自由詩020/4/19 6:03
メダカというサカナアラガイs自由詩120/4/19 3:50
午睡墨晶散文(批評...2*20/4/19 1:27
冬の虹はありますか?帆場蔵人自由詩320/4/19 0:14
うすごおりを踏むような猫の耳自由詩020/4/19 0:01
令和落書眠り羊自由詩020/4/18 23:52
Morning Gloryむぎのようこ自由詩1*20/4/18 23:33

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加筆訂正:
壊疽した旅行者 五/ただのみきや[20/4/20 11:32]
数か所小修正しました。
4.57sec.