空から落ちてくる
やさしいものたちへ

こうしていると
鮮やかに蘇るのは、きっと

傘を忘れ
唇を噛んで
トボトボ歩いた幼い日

胸を弾ませ
両手をかざして
友と駆けた青春の日 ....
空を泳ぐ 羊の群れ

青を連れ去って

どこまでいくの?



え?

あぁ 夏までいくの
同じになったためしがない
あなたを

追いかけて
私は走る

不等号の
その向きに

あなたを追って
 ボク

ボクは、僕といわない。
それは、シモベとよむから。

一羽の蝶が飛んでるよ


  あなたとわたし

わたしは、あなたから生れた。
そして、母も父も
わたしにはいない ....
しらない をおいかけたら
からかうように空をすべった
梅雨のあいまの明るい風に
しらない しらないと
はしって逃げた

いつだって
しらない は遠く
つかめそうな距離でも
生卵のよう ....
砕けた背骨など
切り裂けた肉体など
コルセットで締め上げて
美しく着飾れば
微笑むのは容易い
私は、強い女



人々の喝采も
百万本の薔薇も
救えぬ魂
あなただけ ....
またきたね、匂う夏が、
むせかえる、草叢のにおいのなかで、
ぼくらは、呼吸をする

過剰な、色彩の、
この、感情の、渦に、巻かれ、
色をもたない、ぼくらは、
草色に、染められてく

 ....
道の途中
その曲り角の 節目ごとに
石を埋める
浅く
また深く
土を掘って
掘り出されることを予期せずに
宝石のように
ただの石を地に埋める

その上に霜が降りる
あるいは雨が降 ....
歌舞伎町のプロントで
わたしは人を待っていた
雨が降っていた
隣に一人の男が座っていた
男は真っ青な顔をして
口をつぐんでいた
嫌だなあこいつ吐くんじゃないか
ふとそう思った
湿り気を ....
どのくらいの広さで降っている雨なのか
心は探りに行く
夜に出てゆく

けれど心は気持ちでしかないので
体の外のことは何も感じられない


雨の立てる匂いの遠さと近さ
水の滞空時間
 ....
夏の情熱の裏側に
すらっと伸びた少年少女の
腕がつかみそこねた{ルビ目差=まなざし}を
冷たく崩れてゆく陽炎

囚われた脈動は
透けていく意識となって
{ルビ中性花=ちゅうせいか}の宙吊 ....
たおれるって 
あきらめることでは なくて
おきあがれない こと

かよわなくなった こころ
暗く 憎しみばかりつのる時

灯は しずかに 病みを照らして

今は 夜
ただ ....
わたし

椿の紅のビロウドのような

柔らかさに触れたくて



はなびらに少し

指先を這わせただけでした



椿は 紅を舞わせて地へと落ち

華の美しさを ....
もともと性に合わないんだ

優しくされるのも
穏やかになるのも
まんざらではなかったけれど

もともと性に合わないんだ


じっと見つめてごらん
鉄塔のもっと上

じっと聞 ....
    思いもよらない場所に
    手が くちびるが
    触れてゆく
    思いもよらない場所に


    いるはずのないひとの
    手が くちびるが
    ....
美しい手








君の字が右肩あがりなのは








      残って
    が
   翼
 右の         いるから
つま先で地面にキス





                   ン プ
                 ャ 
               ジ   
              ....
音もなく飛んでいく飛行機見送りながら
君と二人、屋上で煙草吸った午後。
曇り空には一筋の飛行機雲さえ残らず、
君の吐き出す煙だけが
ぼんやりとした一筋の軌跡を宙に描き、
それを眺めておれと君 ....
詩人は
小心者で繊細な癖して
意外とだらしない
ちらかった原稿用紙の上
飲みかけの缶ビール
吸殻だらけの灰皿
空の100円ライター
そして一冊の詩集
ボードレールの悪の華

詩人は ....
君恋し改札口に佇めば嘘つきの空闇に広がり


この街のいつわり愛は面はゆく胸元揺れてなほ移ろえば


みおを引き声のまにまに小舟ゆき行き交う人の波打ち際に


漂いて水面に朽ちた古木 ....
誰もいなくなったプラネタリウムの
暗いドームの下
まるで其処が聖堂ででもあるかのように
ひざまづいて祈る影がある

何を何故祈るのか
誰にも知られることなく
ひとりきり目を閉じて
長い ....
子供が砂場に大きな山を作っていた
僕はただそれを見ていた
砂の山は子供の背丈よりも高くなっているのに
子供は裾野を広げようとせず
ひたすら高く高く砂を積んでいった
あちこちから少しずつ砂が崩 ....
街中を歩いていて
誰が詩人か
ひと目で
わかるのだろか

詩人らしい格好
たとえば
ベレー帽とか
黒っぽい服装に
サングラス?

詩人は
多分貧乏
だろうから
ブランド品な ....
目を 吐き
草を 食べ
今生の 別れに今 抗うものがあれば


砂糖で できた林檎を
黒風呂敷で 包み
きびすを返そう

つかんだ者は やがて堕ち
つかまぬ者は 行ってさ ....
骸骨がブラブラ廊下歩いてく音楽室の鍵は壊れた
 


理科室の匂い取れない制服に誰かの刻印深く押される



日食を見るため屋上集まった魔女が湧いてる魔女が湧いてる



チャ ....
紫の薔薇が咲いている

私の手の中で

薄い花弁は紙で

雨に濡れたら

萎れてしまうのよ

鬱のように
その日
生まれてくる
いのちのために
地球は
美しい嘘を吐き続ける
口吸えば愛は永久にと君は言ひ嘘の眼差し思ひつく間に


タバコ消し苛つく仕草あざとくて値踏みされたか愛の深さを


出ようかと言ふきみの髪かく仕草それでも想ふきみの優しさ


街はま ....
覚えていること
今日覚えていること

財布の整理をしたこと
アロエの葉っぱの伸びように驚いたこと
死ななかったこと
皿を割らなかったこと
急ぐことはないということ
いずれいろんなものが ....
誰もがみな
道の途中だった
そして誰もがみな
人に気づかれることなく歩いていた
人に見られていると
そう思うのはあさはかな傲慢であると
時の風が教えてくれた
深い
森の奥から道へ
わ ....
落合朱美さんのおすすめリスト(2868)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
雨の中で- フォマル ...自由詩5*05-7-11
夏までいくの- 春日野佐 ...自由詩6*05-7-11
不等号(改訂版)- umineko自由詩7*05-7-11
ウソとホント- こしごえ自由詩9*05-7-11
しらない- 竹節一二 ...自由詩805-7-11
自画像の女- yaka自由詩5*05-7-11
- 青色銀河 ...未詩・独白1105-7-11
石を埋める- 岡部淳太 ...自由詩10*05-7-10
歌舞伎町のプロントで- チアーヌ自由詩505-7-10
雨の日のアメリア- 小池房枝自由詩2205-7-10
ドライフラワー- こしごえ自由詩12*05-7-10
- 砂木自由詩20*05-7-10
嫉妬の黄色- 蜜 花自由詩8*05-7-9
紙飛行機になる- 千波 一 ...自由詩13*05-7-9
ノート(35Y・6.30)- 木立 悟未詩・独白305-7-8
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ジャンプ- ふるる未詩・独白6*05-7-8
午後- 大覚アキ ...自由詩405-7-8
詩人の性格- 恋月 ぴ ...自由詩10*05-7-8
新宿_(愛の街角)_第三章- 恋月 ぴ ...短歌4*05-7-7
沈黙の星座- 塔野夏子自由詩6*05-7-7
- クリ自由詩1*05-7-7
詩人- 恋月 ぴ ...自由詩3*05-7-7
棲む- 山内緋呂 ...自由詩905-7-7
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紫の薔薇- 蒼木りん未詩・独白205-7-6
- 角田寿星自由詩605-7-6
新宿_(愛の街角)_第ニ章- 恋月 ぴ ...短歌2*05-7-6
祈り- 石川和広自由詩10*05-7-6
道の途中- 岡部淳太 ...自由詩11*05-7-6

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