膨らんでゆく不安を感じていた
知らない人とすれ違うたびに
増してゆく孤独があった

遠のいてゆく誰かの背中に
思いつく限りの名前を呼んで
立ち止まらせたいと思ったのは

それが優しさだ ....
日常にくたびれた玄関先で
茶色のサンダルが
ころり

九月の夜気がひんやりするのは
夏の温度を知っている証拠

おまえには随分と
汗を染み込ませてしまったね
サンダルの茶色が
少し ....
電池が切れた。
電池は切れていた。

もうずっと前から、
電池は切れていたんだ。

嘘を付いていた、
まだ動くから。
切れてない、
演技していた。

怒る ....
あんまり静かに

雨が降るものだから

傘を忘れて濡れている私は

霧吹きをくらった鈴虫だ

りーんりん、とも鳴かない
車と車のあいだに
紙袋が泳いでいる
青信号が
すべてを引き裂いてゆく


地鳴りの夜と
静けさの夜のあいだに
やがて売られてゆく木々が
育っている


もう動くこと ....
「ふう、暑い」

小さい秋を

掴まえて

名残りの陽射しが

傾いていく
頑張る という言葉に替わる何かを

ずっと探していたのだけれど。



上を向いて 足に力を。
沸かしている。

こんな朝には、
カフェインが欲しい。

紅茶が飲みたい。
紅茶は飲めない。
願を懸けているから、
飲んではいけない。

だから、
珈琲を ....
 得意げにまわってる
 あの子は
 何も話せないから
 おどけてるだけなんだよ
 水色の音楽の真ん中
 はしゃぎ過ぎて
 黄色のスカーフが
 ほどけて
 落ちた ....
 揺れるカーテンなんぞに感傷を重ねて
 俺はマンホールの世界にしがみついている
 堤防の下の壊れた冷蔵庫の中から生まれた
 有刺鉄線に刺さったアゲハ蝶を見上げている
 役割を終えた ....
 炎天下の国道で生まれた俺は本能的に四つ足で生きる
 燃える街路樹は火力を増して
 国道を走る車の後部座席を焼き払う
 揺らぐアスファルトの先で生まれた幻影を打ち破る視力を
 ....
わたしたちは
もう離れないと誓いました
空に
風に
緑の木々に
そして
大きなビル群にも
これからは
飛び立つのもいっしょ
羽を休めるのもいっしょ
暑い夏
アスファルトの照り返し ....
銀の針に
雨糸通し縫い合わす
宵の衣の白さ哀しき


空揺れる
ブランコ振り子に
時忘れ
むかしと今を行きつ戻りつ


約束も出来ぬきみ待つ日も翳り
小さき溜息
風にさらわれ ....
手を離せば、
自然に落ちてゆく。

それは抵抗もなく、
するり簡単。

しがみつく、
醜い姿。

向こうに鏡。

お前を落とす、
引力に惹かれてる。
 ....
各駅停車の鉄道がはたらいている
ひとの数だけ
想いの数だけ
星空のなかで
各駅停車の鉄道がはたらいている

天文学には詳しくない僕たちだけれど
きれいだね
しあわせだね
このままでい ....
いつもより早く目が覚めたので
まだ薄暗い庭へ出ました
体に沁みこんでくる空気が
私をここから救ってくれるのだと
そんな気がしました

空中を飛ぶ小鳥を眺めながら
なぜ人間は飛べなくなった ....
微かな水滴が
雨の存在を地上に示す

磁力線に沿わず自由な思想で
舞い落ちる雨粒は
落下する意思そのもの

季節の移りを告げてまわる風が
鈍色の雲を次の季節に追いやり

残り火がわ ....
僕のカラダには裏山がある

街を自転車で走り抜けて
裏山が虚ろなる音
こだまする

君達とすれちがい
顔が痛い
裏山の木木がざわめく
鈍いろの
横たわる裸の老人
新聞に囲まれて
 ....
風が吹いておりました
風が吹いている日に飲む野菜ジュースは哲学の香りがするのです
そんな日は詩を書きたくはないのです
空があまりに無知なので

わたしの青春としての位置づけは
もう随分と前 ....
バスの回数券を一枚ずつ切り離す
私たちの遊びは既に失効している
終わりがないプレイルームで
延々と始まりだけが続き
つまるところ距離が無いという意味の部屋で
初めて見た虹を汚らし ....
そしてまた世界は
からっぽに明るくなる
このいたずらな明るさの中では
何かを見分けることなど出来やしない

事象たちが書き割りのように
意識に貼り付く
歩きたい道を見いだすことも困難なの ....
森の中に聳え立つ
巨大なホテル
とてもメルヘン
入り口には着ぐるみが立っているの
「いらっしゃいませ!」
くま
うさぎ
ねこ
いぬ
ありがとうありがとう
わたしとあなたは
すっか ....
あのひとのまちは
晴れるだろうか
あのひとのまちは
曇りだろうか
あのひとのまちは
雨だろうか
………

あのひとの季節には
どんな花が
咲いているのだろう か




 ....
冷たい朝がある
それは今日も、昨日もでした
重ね着をする時間はどこに、あるでしょう
時計の、静かに通り過ぎる時計の裏を
揺らしてみても、なにも落ちてこないので
腕を組んで、息を吐きます

 ....
九月
雨が多いのは毎年のことで
それはさしてめずらしいことでもない
のかもしれない

秋というにはまだ早く
ちょうど残暑という言葉があてはまる
そんな晴れの日も多い
九月


家 ....
肩が
うっすらと重みを帯びて
雨だ

気がつきました
小雨と呼ぶのも気が引けるほど
遠慮がちな雫が
うっすらと

もちろん
冷たくはなくて
寒くもなくて
そのかわり少しだけ
 ....
歌えなくなってしまったの。
声が届かないの。

あの看板を見ると泣いてしまうんです。
おじいちゃんと昔よく食べにいった、牛丼屋の看板。

掻き毟った場所には
泡立った石鹸水が気持ちいいん ....
変動を予見する者微熱持ちひとはひそかに囁き交わす 

自爆テロ現場に残る指先の紅あざやかに風を掴みぬ

メッセージカードいちまい落ちている楽屋にランプシェードの黄色

柔弱でありつづけるこ ....
  
  「本を読みなさい」
  

   その人はそう言って
   夕暮れて図書館が閉まるまで
   わたしの隣で静かに本を読んでいた


   映画を観なさい
   音楽を聴き ....
たゆたうみたま
いずこへむかう
いぶきゆらゆら
ほどけてきえん

いしくもいちずに
まもるまなこは
かがりびゆらゆら
うつしてきえん

かなしかなしや
いわけなきこえ
ことのは ....
落合朱美さんのおすすめリスト(2868)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
スクランブル交差点の真中で- ベンジャ ...自由詩10*05-9-15
九月のサンダル- 千波 一 ...自由詩18*05-9-15
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すずむし- たりぽん ...自由詩5*05-9-15
ノート(夜のあいだ)- 木立 悟自由詩605-9-14
西日さす- LEO携帯写真+ ...6*05-9-14
吸気- 半知半能自由詩205-9-14
「_沸騰しない。_」- PULL.自由詩11*05-9-14
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当たり前に死んでいくだろう- カンチェ ...自由詩5*05-9-14
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銀河鉄道- 千波 一 ...自由詩31*05-9-14
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夜空の幻灯機- たりぽん ...自由詩10*05-9-13
ここにあること- 石川和広自由詩5*05-9-13
振り返るとき- tonpekep自由詩18*05-9-13
禁じられてない遊び- たもつ自由詩1205-9-13
九月の黙示- 塔野夏子自由詩17*05-9-13
非常時- チアーヌ自由詩305-9-13
花のひと- こしごえ自由詩7*05-9-13
冷たい朝がある- 霜天自由詩805-9-13
夏からの手紙- ベンジャ ...自由詩14*05-9-13
やさしい雨- 千波 一 ...自由詩20*05-9-13
代償- 浅野 す ...自由詩4*05-9-13
塑像- 白糸雅樹短歌9*05-9-12
十月の空を見なさい- 嘉野千尋自由詩25*05-9-12
ゆらゆら- 自由詩3*05-9-12

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