散り散りと 舞い降りたのは
白い蝶々

風の中に 突っ立っている
加減のわからない 眼に

身ひとつで 超える
天辺から 乞うてくる

切れたものは また生まれて
避けたものは つ ....
夜道を一人歩いていた 
道の先に立つ街灯が 
{ルビ辺=あた}りをほの白く照らしていた 

街灯の細い柱に{ルビ凭=もた}れると
地面に伸びる
薄ら{ルビ哂=わら}いを浮かべた 
私の影 ....
矢車草が咲いた
どこに行くのか
よく判らない
この道の辺に咲いた

青い小さな草は
私の歩みにしたがって
くるくると
風を孕んで
ゆらゆらとゆれる

お前の白い太腿は
この
 ....
ネパールとインドの国境付近は深い密林に閉ざされている。失われれば二度と手に入らない暗闇をはらんだ命の混沌。それがジョグ・アレースの森だ。かつてサファルの月、南下したモンゴル軍が侵攻したときにも、この森 .... にわか雨は窓ガラスを叩く激しさで
海辺の汐臭さをわたしの部屋まで連れて来た
波音のひたひた寄せるテーブルで
いつか拾った貝殻の擦れる音色がする
ハンガーにかけたわたしの白いブラウス
温もりの ....
いや、
もう私が書かなくてもねえ
素敵な書き手の方はゴマンといますね
じゃあやめるわ
読むだけにするわ
と思うときは沢山あるですよ
あるですよってどうよ
けど、
そういう時に限ってなん ....
今夜 私には 
逢いにゆく人がいない 

孤独な夜の散歩者は
アスファルトに響く雨唄と 
ビニール傘に滴る雨垂れの 
二重奏に身を浸しながら 
果て無い雨の夜道を{ルビ彷徨=さまよ}う  ....
ぼくは詩を書きたい

自然がもたらす恵は
人にとって心の糧

今日もまた

朝の散歩をしていると
夏に出会いました

川に沿って続く草花の帯

その中で風が遊びまわる
草を生 ....
衝動買いしたあたらしい
さくら色のミュールは
今日もぽつねんとお留守番
靴箱で雨音を聞いている

いつものズックを取り出して
水たまりもひとっとび
バスぎりぎりまで朝寝坊

 ....
朝の空気の
光に濡れた
清々しい香気に、
私の五感はしとしとと沈み{ルビ水面=みなも}をみあげる重く熟した金属の愁い。

空間をよぎる
不透明な視線は、
無知な陽炎となってさえずり虚空を ....
岬の先の夕暮れ
小さな星を示して
十光年離れているから
あれは十年前の光だ
と、言う君は
教科書のようだ

でも今見えている星は
そのまま今
の、{ルビ一番星=シリウス}

足摺 ....
私の中で水銀が蒸発していくようだ
体温で沸騰して犯されていく肺だ

今日も湿原は私以外のものでできている
鷺の仲間が冷たい水面で啼くのも
空を刺す枯れ草が雲に巻かれるのも
ふいに思い出すキ ....
萎れて帰る我が家の庭に
散ることのない
名も知らぬ紅のもみじ

さわさわ揺れて
ただ
さわさわと揺れて

それは母の
贈りもの

この言葉のどれも
そのもみじを見るわたしのここ ....
夏を知らせに
来たんだよ

始まりは
白だったかな

密の味は
甘かったかな
わたしのカラダ。
植物のツタのようにほそくねじれて、
せかいの天蓋にむけて、
のびていきます。

くるぶしまでのひたる水。
は さざなみのように、
わたしをすくめ。

日のひかりいっ ....
お前の名前は何と言ったらう?

この期に及んで馬鹿な俺は
来世でお前に逢へるだらうかと
やくたいも無いことばかり気にしてゐる

ああ美しかったお前

お前ほど
深く愛した女は
つひ ....
今朝卸したばかりのお洒落なパンプス
爽やかな淡い色合いのパンプス
新人さんと間違えられたくない思いで
ヒールをちょっと高めにしてみた
でもつま先はさっきからストッキング越しに
どこか逃げ道を ....
僕は、女が欲しい
女のかたちではなく、女というものだ
できれば女のかたちに入っていると
うれしいが
それが別のかたちでもかまわない

君がもしも男だとしたら
僕は女というものになりた ....
幽霊の家族が

庭の見える部屋で

絵のなかの少年が動き出すのを見て

笑っていた
まだ暗き
湖のほとりに
銀の鈴ひとつ

小さく小さい音
カップに注ぐハーブティー
白樺林にミント香る

チッチッ、チッチッ、チィ、と何の鳥かな

ほのほのと霧のかかる
湖のほとり ....
耐震強度を偽装した家で
地震計を作っている
冗談のような本当の話をしたら
誰も本当のこととは
思ってくれない
何回言っても信じてくれないから
やっぱりあれは冗談だよと
頭をかいたら
み ....
泥水のような灰色の空が、
切り立つ垂直の地平を蔽い、点から線へ変貌する驟雨は、
藍色の抽象画の顔を育てている。
列車の窓に映る凡庸な景色は、引き摺るように、
後ろ向きに、失われた過去を走ってゆ ....
みてよ みてよ
わたしのこと
って ものほしげな
おはなにも ちゃんと
みずを やってますか
ぼくは詩を書きたい

歌は灯火 詩は心
自然に生あり 人に命あり

今日もまた

朝の散歩をしていると
あじさいに出会いました

今にも雨が降りそうな
暗い空の中
輝くものは鈍 ....
午後の熱に散乱する
私の欠片を
拾い集めているひとがいる

ポケットのなかの綿くずのような
灰色の球が
ふよふよと窓から入ってくる

これが夏だったろうか
こんなのが夏だったのだろう ....
お風呂場に
牛乳色の朝日がさして
白い背中は
どれもみんな
かあさんのようだ
湯船の湯気はぷかぷかと
日曜の朝のスープの湯気だ
温かなおいしい匂いがする

お風呂場に
ぶどう色した ....
誰かと笑い転げる日々を過ごす私
仮面を一枚{ルビ捲=めく}れば 
誰の手も触れ得ぬ「もう一人の私」がいる 

あたりまえの幸福は 
いつも手の届く場所にあり 

浜辺へ下りる石段にぽつん ....
丸みを帯びた光は
瞼を下ろすたび
その裏に
微かな影を描く

碧さを含んだ風が
誘いかけても
膝を抱えたままの両腕を
微動だにしないで


 閉じたままでは
 何も見えない
 ....
ぼくは詩を書きたい

ふさわしい名はつけるのではなく
生まれるのである

今日もまた

朝の散歩をしていると
葵に出会いました

人が生まれるまえから
そこにあり
その葉は人の ....
退屈なものは誰かに任せて
白い帽子をいつも被った
揺らいだ道は長く、長く
熱のこもった視線は透き通る
揺らぐ陽炎、ここでもきっと
長い呼吸は約束されない

ここに来ない人がいた
待ちぼ ....
落合朱美さんのおすすめリスト(2868)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
含まれている- 砂木自由詩7*06-5-28
街灯_- 服部 剛自由詩11*06-5-28
矢車草が咲いた- 黒田康之自由詩606-5-27
第一次発掘報告の未発表草稿- たりぽん ...未詩・独白8*06-5-27
E_minor_7th(きざし)- 恋月 ぴ ...自由詩45*06-5-27
ばかだよねーははは。- ふるる未詩・独白15*06-5-26
夜の散歩者_〜_反射鏡を探して_〜- 服部 剛自由詩24*06-5-26
ぽえむ君−夏風−- ぽえむ君自由詩9*06-5-26
*あたらしい武器*- かおる自由詩10*06-5-26
透過- こしごえ自由詩19*06-5-26
星よ、ほしよ- たりぽん ...自由詩1306-5-25
おまえらでできている!- たりぽん ...自由詩8*06-5-25
散らぬ- 蒼木りん未詩・独白206-5-24
ドロップス- LEO携帯写真+ ...12*06-5-24
色彩のカラダ- 光冨郁也自由詩706-5-24
イマハノキハ- 三州生桑自由詩206-5-24
Blue_Note(斜光線)- 恋月 ぴ ...自由詩27*06-5-23
きみのかたち、ぼくのかたち- たりぽん ...自由詩14*06-5-23
ノート(36Y.11・29)- 木立 悟未詩・独白106-5-22
白樺林- ふるる自由詩8*06-5-22
ニュースの時間- あおば自由詩7*06-5-22
訃報のみずうみ- 前田ふむ ...自由詩9+*06-5-22
そろもん(ガーデニングの話)- みつべえ自由詩306-5-22
ぽえむ君−花玉−- ぽえむ君自由詩10*06-5-22
朱夏の鳥- 佐々宝砂自由詩406-5-22
温泉にて- 黒田康之自由詩206-5-22
「自画像」- 服部 剛自由詩12*06-5-22
落日、溶けゆくもの- LEO自由詩17*06-5-22
ぽえむ君−葵詩−- ぽえむ君自由詩6*06-5-21
永日- 霜天自由詩306-5-21

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