それから(あ…

涙のさめる速度で
失ってゆく
かつての海原へ
予感する視線がまっすぐ立ち
地軸のかたむきをなぞる
そっと
(夢を瞳の奥に燃やしている核心
のぼっていった少しばかりの ....
そこに花がある
名前は知らない
けれども
その花にしかない色がある
それだけあればそれでいい

そこに鳥がいる
名前は知らない
けれども
その鳥にしかない翼がある
それだけあればそ ....
旅程、 それは
気体としての体の呼び名
約束は山嶺のむこうで
鼓動が、 「遠く」と嘆く
あなたの住む町に
なごりを凍らせて
肌の温度で流れ出す
液体としての心

  はるか、 はるか ....
あの日、僕は光の中にいた
何もかもが眩しくて
光を受けず、光を放っていた
夏の中だったのかもしれない

あの日、僕は光の中にいた
何もかもが輝いていて
光に当たらず、光を照らしていた
 ....
     1

漆黒の夜を裂いて、神楽の舞が、
寂びた神社の、仄暗い舞殿で、
しなやかな物腰を上げる。
右手は、鈴の艶やかな音色が、薫る。
あとを追う鳥のように、左手の扇子は、鈴と戯れる。 ....
{引用=
あれはたしか小学生のころ
ちいさな花をいじめたことがあった
冬がカサリと音を立てはじめたある日
お母さんがお庭でいっしょうけんめい
そだてた花を


「しゃんとしなよ」
「 ....
ふるわされた小紋の
遅い続き

とりつけられたままの
フレーム

切り落とした爪だけ
泣いてる

どこにいければ
そこは どこなの

力づくと
開けられたものに
かぶる 溶 ....
「そらは晴れて」

議事堂は広い
アルプス並みに広い
両手を口に添え
皆が
いっせいに叫ぶ

やっほー
ヤッホー
聞こえませ−ん
ひっこめー

やっほー
ヤッホー
アルプ ....
  夕暮れのスケートリンクすみれいろ映画のフィルムにひとすじの傷





                     吹きさらしお腹の弱い星たちが
                    ....
眠りに落ちると
いつもそこは凍夜
誰にもじゃまされず
暗闇を独り占めする

   外ではひどく激しい気流
   雲で空に恨み言を描き付けて

あのころって、いつだ?
わたしたちって、 ....
雪ん子舞い散る故郷から
童子たちのまぶしい笑顔が消えた
あの頃の笑い声は
顧みることを忘れた古いアルバムのなか


北風ぴゅうぴゅう寒かろう


すっかり刈り取られた稲田を望む
古 ....
初めて彼の実家にお邪魔したとき感じた
他のひとにとっては些細なこと
それでいて我慢出来ないこと
緊張して過敏になっていた訳じゃない
踏み入れてはならないもの
その家の家族だけが安らげる
ど ....
山になった洗濯ものの回りで
君は
春のような
スキップを踏む
  {引用=おうちを買わなければ、よかったね
だって、お金持ちだったんでしょ?
たた、たたん}
ちいさな袖をそろえて
重 ....
雨の糸の隙間に
夜は満ちて
ストーブの熱が
そこだけ幸福とでも言いたげに
ほんのり春を創っている

きみと並んで傘をたためば
二人の水滴は
余分な約束事のように散らばって
冷えた ....
冬めきてラディゲ読む夜の重さかな

幻滅と悔い残してや恋の冬

この星に我ひとりなり冬の雨

黙々と落ち葉掻きやる白痴かな

吸ひ殻と誇り捨てたり枯れむぐら

老媼の叫び響くや空ッ ....
{引用=
クラヴィ・ヴィエイヤールは小さかった

どのくらい小さいかというと あなたのまぁ 半分くらいで


俗に 小人と呼ばれる 種類の人間だったのかもしれなかった

けれど

 ....
なにがあろうと
時間はすぎてゆきます。
けれど
私はいまでも青年、少女
夜空の星をみあげるとき
風にゆれる花をかぐとき
山の小川で口をすすぎ
鳥の声に耳をすますとき。
そのとき、
こ ....
ようやく晴れた青空に
風船がひとつふたつ みっつ
きっと誰かの夢にちがいない

あそこの空からも
風船がひとつふたつ

いつの間にか
空には風船でいっぱい
大きいものや小さいもの
 ....
お隣の洗濯物も
そのお隣の洗濯物も
そのまたお隣の洗濯物も
ふんわり今日は乾くだろうと
あったかい陽射しに
目を細めずにはいられない
冬だというのに
春の匂いがするのは
あなたの
洗 ....


 今、僕の手元には、「{ルビ思推=しゆう}」 落合朱美 という{ルビ凛=りん}とした縦書きの
文字が記された一冊の詩集が置かれている。朱色一色の表紙には、
白い輪郭で描かれた一輪の薔薇の ....
 僕が現代詩フォーラムという詩のサイトと出逢い、自作の詩を載
せ始め様々な人の詩を読むようになってから三年の月日が過ぎた。 
自分の詩作について言えばまだ課題はあるが、只、間違いなく言え
ること ....
季節はもう冬支度なのに
たんぽぽの綿毛になるんだと
あなたは言った
過ぎ去った日々を惜しむかのように
ひとびとは
大きな樅の木の下に集いだす
そんな季節に
たんぽぽの綿毛になるんだと
 ....
ふりしきる雨
雨してしまう
雨の
冷たい
季節
星夜

さく{ルビ夜=や}




影もなく
灯る
灯台の夜が
流体にひそみ
その吐息にふれれば
はち切れて ....
あたたかな深い世界と
冷たく閉ざされた陸地の
あいだにおかれたからそれは
あなたに触れたときの私の肌
のように、あしもとでざわめく
むねのどこかで
小さなちいさな六分儀が
あやふやに極星 ....
昼飯が終わって席に帰ると
閉じたパソコンの上に電卓があった
そんなところに置いたつもりはなかったが
なんだか光って見えたので僕は手にとってみたのだ
いつも使い慣れた電卓は実は僕のものではない
 ....
 今、時計の針は、午前二時半を回っている。この深夜に、何故か
僕はあなたに手紙が書きたくなった。(あなた)というのは、特定
の誰かを指しているのではなく、今、この手紙を読んでくださって
いる(あ ....
森の小さな滝は
冬とともに
時が止まる
滝は白い線となり
静かに眠る

森の小さな川は
冬とともに
音が止まる
川は白い玉となり
ゆっくりと休む

森の小さな湖は
冬とともに ....
携帯電話を持たず 
運転免許は取らず 
国家試験も受けず 

やりたくないことには目もくれず 
自分のやりたいことのみ精を出す 

いかなる{ルビ流行=はやり}に流されず 
いかなる派 ....
かみ合わない歯車に、また少しだけ時がずれる

秒針のきしみは それでも
壊れたメトロノームのように 私を、
追うから
逃げ込んだいつかの雪原で 私は、
細雪がわずかに切れる夢を見た

 ....
弄月無詩友
憂人惜暗香
秋宵如百歳
秋韻更千霜
月下詩情絶
星移大志荒
何時生一句
遮莫但醒狂


月を弄(もてあそ)べど詩友なし
憂人 暗香を惜しむ
秋宵 百歳の如し
秋韻 ....
落合朱美さんのおすすめリスト(2868)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
流舞結晶_〜冬のクジラとさいかい〜- こしごえ自由詩26*06-12-10
名前は知らない- ぽえむ君自由詩24*06-12-10
旅程、もしくは別の呼び名で- たりぽん ...自由詩15*06-12-10
あの日、僕は光の中にいた- ぽえむ君自由詩12*06-12-9
蒼茫のとき—死の風景- 前田ふむ ...自由詩32*06-12-9
冬の庭- まほし自由詩27*06-12-9
そえひわ- 砂木自由詩14*06-12-9
国会せれなーで’06- umineko未詩・独白6*06-12-9
【短歌祭】雪の降るふるさと- ふるる短歌22*06-12-8
凍夜- たりぽん ...自由詩15*06-12-8
雪ん子のうた- 恋月 ぴ ...自由詩28*06-12-5
におい- 恋月 ぴ ...自由詩25*06-11-29
はだかんぼう- 佐野権太自由詩45*06-11-28
漆黒の髪を愛する- 銀猫自由詩42+*06-11-27
冬めきて- 三州生桑俳句7+06-11-27
クラヴィ_ヴィエイヤール- もも う ...自由詩59*06-11-26
おどるとき- こしごえ自由詩13*06-11-25
空には風船- ぽえむ君自由詩20*06-11-24
so_feel_good- LEO自由詩26*06-11-23
詩人・一期一会_〜其の一・落合朱美詩集「思推」を読んで(上) ...- 服部 剛散文(批評 ...11*06-11-22
詩人・一期一会_〜序章・誰も知らない一本の大樹について_〜_- 服部 剛散文(批評 ...19*06-11-22
「さよなら」はもう言わない- 恋月 ぴ ...自由詩50*06-11-21
鮏_(さけ)- こしごえ自由詩19*06-11-20
波、とはもう呼ばない- たりぽん ...自由詩18*06-11-12
電卓は- 黒田康之自由詩406-11-12
詩友への手紙_〜僕とあなたの間に一篇の_詩_を〜___’06 ...- 服部 剛散文(批評 ...15*06-11-12
春を夢見て- ぽえむ君自由詩11*06-11-11
時代遅れの男_〜はっとりんぽえむ・その2〜- 服部 剛自由詩15*06-11-11
ささめゆき- Rin K自由詩45*06-11-10
秋宵思- 三州生桑伝統定型各 ...306-11-2

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