今夜も僕はこれから詩を書くだろう。
     この世界の何処かで初冬の密かな風に震えて
     独り詩情を求めて街灯の灯る夜の小道を歩く
     名も無き「も ....
野を渡る風が表皮をなぞると
確かに私たちからは
生きているものの匂いがする

ひれ状に並ぶ背中の突起物にさえも
既に意味は付与されているのだ

と、唐突に閃光が走り
どこか、と ....
目印になる場所まで引き返そう
そういって 舅は背中を向け 急ぐ
たけのこを ぐちゃぐちゃ 踏み潰していく

私達は 夜明けと共に 山に入れるように
早く起きて
家族で食べるくらいの たけの ....
義父方の祖父の従兄弟の名を忘れ日がな一日オスカルの刑


慣れもせず言う事聞かずつちふまず必死で探す猫の住む家


「ナタデココ下から読んでチェブラシカ」守りたくとも解らぬ家訓


 ....
 まず基本が大切だ
 でも基本がなくても
 我流で生きていくこともできるものだ
 生きてるうちに経験することは
 死んでから役に立つことがあるのだろうか
 経験を人に話す
 それが連鎖 ....
欲しいものが手に入らないと
やっぱ寂しい


下を向いて歩く冬の街角は
何だか寒々しいな


もうすぐクリスマスだし
賑やかに感じる街角を
ポケットに手を入れて歩く


何も ....
パッチワークの森の中
ひとしずくの木漏れ日が恋しい

紅い色が輝いて見えるのは
燃え立つような夏の記憶があったから

忘れられない想いを抱いたまま
しかし突然訪れる冷たい季節

また ....
思い通りに喋れない

言葉が言葉になりきれずに
まるで蛹みたいにうずくまっている

戸惑いや迷いが
細い糸のようにからまって
いつしか自分自身を閉じ込める

繭になる

吐き出さ ....
{引用=澄んだ光の菜の花 そうしてかざした手のひら
数を数え飽きたらすぐに ここまで走っておいで
                                
                ....
愛する女よ
お前は背が高い
  ただ夕暮れるだけの
  木の間に風が吹くだけの
  音楽
  濡れたアスファルト
  という名の酩酊
だから誰よりも影が長い
静電気が怖い、怖い、私の手の平の保湿から
握られた硬貨がするり と逃走しては
自販機の隙間へ乾燥を求めて サヨナラします。


コイン投入口は私の指先から消え去った
お金の代わりに水分 ....
つかみどころのない
明るかったり暗かったりする
不健康な夕空に
てのひらを突き上げてみるのです

とどかないのは
手のかたちなのではないのかと
いくつかの記憶を重ねてみても
やはり手の ....
昨夜の飲み会で終電を逃し
駅前のネットカフェに泊まり仮眠を取った

リクライニングの個室で夜明け前に目が覚めて
出勤時間よりも一時間早く職場に着いたので
シャワーを浴びた後
休憩室の畳の上 ....
青い空

空と大地の狭間に風が舞い
生まれた言葉たちが
透き通った身体で浮遊する
指の先で感情と水蒸気のバランスを測り
言葉の記録簿に記していく

黒い雲

心の急激な気圧変化に
 ....
ベランダは東向きだから
朝はとても眩しいよ

  彼ね
  厳しい審査の結果
  高得点で合格しないと見せないよ
  足の親指を齧ったあとの
  くりん、とキャット半回転

  もう ....
 遅すぎたかもしれない出会い
 僕は遠回りしすぎた
 時刻票なんてみてなかったから
 終電に乗り遅れた
 歩いて帰らなければならない
 誰もいない深夜の曲がりくねった道
 それでも
 ....
{引用=ああ
君は赤い

僕は目をつぶって
一気に吸いこむ


ああ
唇よりも赤い

冷たい空気と巻きこんで
無秩序にえぐる
声、声、


ああ
夕日よりも赤い

 ....
僕が以前働いていた特養で十三年生活していた
身寄りのない K {ルビ婆=ばあ}ちゃんの告別式が老人ホームで行われた日の夜
他施設との懇親会が行われ、
僕は「はじめまして」とテーブルについて
「 ....
闇の中で息を潜めていた種子たちは今 
ざっくりとメスを入れられた裂け目から
差し込む光に晒され 
処女膜のような薄さで
その突き破られる一線の痛みを待ち望み
震えて耐えている

数々の果 ....
大切なモノが何か わからなくて僕は探してた

だけどわかったんだ 大切なモノなんて

探す前にここにあるんだと

辺りを見てごらん 君の側で笑っている人たちや

泣いている人たち

 ....
偽造された朝を押しつけられても
注文どおりの覚醒など出来よう筈もなく
自らを小さく蝕むことで
存在可能な時空をどうにかつなぎとめ
意識はただ浅く笑い
深く滅んでゆく



 ....
  テーブルの上にはワイングラスをふたつ 仕事の帰りがけに買ってきた今年収穫された葡萄で作られたワイン ボージョレ・ヌーボーの栓を開けよう 僕の他にこの部屋には誰でも居ない 君が頬杖を突いて物思いにふ .... じいちゃんが火葬された
あっけなかった

歪んだ炎の真っ赤な色や
煙がひたすら立ち上るところを
なんだかわからないけど想像していた

けれど実際は
でっかい鉄筋の建物の中で
僕が親戚 ....
たった一つの君は
風のように吹いているが
たとえば
コートのフードを躍らせたり
トマトの表面にとどまる水滴に光を与えるとき
微かな掌の温もりに似た質感を残していくのだ
そう 僕らは ....
雲ひとつなく秋晴れの空

父の運転で越えていた峠も
いまならば
自分の運転で越えられる

アクセルの踏み加減でスピードを調節
ブレーキなんか踏まない
でも
思いの外カーブは厳しい ....
氷壁は確保すら危うい
三点支持
命綱は細い電波のように
とぎれとぎれ


辿った記憶だけが教えてくれる
過ぎ去った轍を踏み


体温も
灯りも
声すら
霧の彼方に常に失われ
 ....
ぎゅっとして
きみのむねから
くるしみやかなしみ
でちまったら
いいのにな

そしたら
ふにゃふにゃの
きみをおふろにいれて
あたまにタオルのせて
はぁー いい湯 ....
パラサイトのパラノイア
ポロロッカのミドリガメ
宙返りのキタキツネ
跳ねて捨てられ帰らない

キタキリスズメの笑い声
10月ねずみのノータリン
倶利伽羅峠の小判鮫
ピタリと吸い付く色相 ....
天気予報の通りに 雨
今の季節は しょうがない

手首と 喉元に 水が
少しでも 沁み込まないように
タオルと 手差しを 巻き
雨合羽を 着込む

六尺のはしごが 私には 調度いい
 ....
ぼくが
みぎひざをいためたら
すかさず
ひだりひざをいためてみせる

ぼくが
あたまに
未破裂の動脈瘤をつくったら
すぐに
6センチの脳髄膜腫を
つくってみせる

きみの負けん ....
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