猫はネズミを捕る
と決まっているわけでもないだろうに
きみときたらネズミをくわえて
クリスマスには早いわたしの枕元
スズメの時もあれば
夏にはカエルだったね
食べる為ではなさそうだけど
 ....
 西日を受けて近づいてくる、
 金属であるがゆえに
 慢性的な疲労、
 付着、
 線路のレールの切っ先が、



 遮る菱型のフェンス
 歩く私は
 ただ切られ ....
すき。
つらつらと
窓硝子に透明な静脈
いつしかの雨
ちいさな胸にけむり
せつなさ響くぬけ殻の
透過する自殺

すき。
その精神
クシャグシャにくずれそうな
物理的に映らず視覚さ ....
ある現実に落とされた
一粒の出来事は
どんなに大きな波紋を描こうとも
より大きな現実に吸収されてゆく

私たちはそれを
受け止めたり
跳ね除けたりしながら
けれど
その波紋の消えゆく ....
言葉は
最先端に行くと
初めに戻ってしまった



閉じているのである
最後の赤を脱ぎ捨てた
紅葉の合間から冬の声が届くと

過ぎた年月は
あどけない写真に
痛々しく画鋲の痕をつけながら
かなしみを、ときめきを、
なつかしさのオブラートに包み込む


 ....
ひっそりとした雨で
灰色に染まる
視線までも
{ルビ一色=ひといろ}に濡れる
雨垂れに
声が
くっきりと響く

そっと
ちらつく姿に重さを重ね
落ちる雫に映りこむ
吐息は熱く
 ....
じんわり汗ばむ首筋を
ハンカチーフでそっとふき
夕陰草をみつめる手許

無風の文字は ただれてしまい
あてどなくもたれかかる
夕影の一輪挿し

やがて雨薫り
境界 薄く煙る
雲の流 ....
黒髪の視線が伸びてゆき


瞳が羽化をすれば


艶やかに空を含み


風と交わる
{引用=さぼりぐせのある小学生でした
うそつきでした




さんかくじょうぎが さみしくて
青の奥
散らかってゆく雲
君がつくえに立ってふざける
ちいさな教室


きいろい ....
 
子供のころ
父さんの行きつけの床屋さんで
髪を切ってもらっていた

そこのおばちゃんは私の髪を梳かしながら
「○○ちゃんの髪はほんと硬いね〜、櫛が折れちゃうわ」 って笑うから
いつも ....
あしたは
きみの旅立ちの日だから
きょう、ぼくは
青い鳥の羽根を
洗おう

すこしばかり疲れた
青い鳥の羽根を
洗おう

ざぶざぶざぶざぶ
きれいにきれいに
なんどもなんども
 ....
風の筆で残す暗号は
地図のため息と
おたがいの足跡をかくして
いつも同じかたちに戻ろうとします

その度に行方は
なぎさに吹き寄せられて
波に、雨に、さらに細かく
見失ってしまい

 ....
つめたい予兆
つきぬけた青
零落した透明がふきぬけて
静寂の時が閃いた

冴えた旋律ふりそそぎ
ふるえる細胞 光を放つ

はてしない星の覚醒
あたたかい血の記憶
染まるための レッ ....
彩るうたを{ルビ口遊=くちずさ}む

こんな命があるかしら
{ルビ水=み}の{ルビ面=も}に蝶が浮いている
ちらともせずに浮いている

こんな命があるかしら
あすを知りえず浮いている
 ....
ピュウピュウ北風吹けば
寒くて唇が乾くので
つい唇を舐めてしまう
舐めるうちにカサカサになって
赤く腫れ上がった
僕のたらこ


リップクリームを塗ったら
気にしないのが一番
だけ ....
きみが目を閉じても風は草原を夜空を海を旅してまはる








涸れてゆく泉にきみの瑠璃色の絶唱とわに不滅の予感


雨の駅、雨のバス停、雨の庭。きみが ....
石ころの一つ一つに


木々の一つ一つに


雲の一つ一つに


名前なんかない


本当は犬や猫にも名前がない


無論人にも最初は


名前がない
 ....
銀杏の枝に 月が
ひっかかって ゆれているから
それとなくわかる 風の道を
じぶんのいない 未来のことまで
しのんで あるいてきた 
ラーメン屋のカウンターで
長い廊下にぐるぐる巻きにされる
あなたも厨房で
ぐるぐる巻きにされている
狭いお店のいったいどこに
こんなに長い廊下があったのだろう
聞けばあなたはこのお店の店長 ....
空の虚点をついて
O脚の
うしろから貫かれたままの
あなたがあらわれた
私の傘は肋骨にひびが入っていて
私の肋骨には傘がつきささっていた
生まれ変わったのに蛭だった
あなたのふくらはぎに ....
遠い冬に生まれた夏が、またこの冬に巡る
僕はあなたの手にそっと触れ、

けれど
僕はあなたに触れることができたのだろうか

夏が 自ずからの素晴らしさに耐え切れず
崩れてゆく幾つもの午後 ....
ときとき と 痛む胸
憧れなのか
せつなさなのか
見上げたら 空が青かった
冷たくなった風に
私の心がついて行けない

まだ
そんなに確かじゃない
決められない
このまま冬になろう ....
あったかいご飯に
かつお節をかけると踊る
ように踊りたい
と思うのだけれど
音楽がない
そういえば
動物園の温室では
数百もの蝶が飛んでいて
ダチョウは飛ばない
ゾウも飛ばない
ア ....
冷たい雪の降る夜に

わたしのからだは凍えてゆくから
わたしのからだは
小さくなる

わたしはわたしを抱き締める



冷たい雪の降る夜に

わたしのことを
わたしのほかに
 ....
底ひ無く
心 沈む
みあげれば あおい闇

青ざめてゆく風のなか
声も無く笑った

雨の夢は白らかに咲く
虹のもと影ろふ立ち姿

底ひ無く
心 沈む
みあげれば あおい闇

 ....
得た と思うと同時に失う

林檎の皮を剥いていく
螺旋が皿に垂れていく
果物ナイフに映る甘いかおりに
私は涙を告げる

何も動揺することはない
唇はかすかに震えているが
芯は蜜を湛え ....
人は夜に音になって
躓かない程度に囁き合うらしい


朝が夜に向かうように
ページを手繰り寄せる
薄い絵の具を
筆の先で伸ばすように心音を
澄ませていく
夢を見る、ことを覚えてからは ....
重力に
負けそうなときは


2センチぐらい
地球とお別れ


ティンカーベルの粉
ひとさじ
ふりかけて
二人して棒を片手に庭を行く今日は兎のパイを食べる日


街中を泳いでいます可笑しいでしょう?だれもわたしをしらないんです
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