宿命でも運命でもなく
それはタンポポ

土手に降りそそぐ
季節の日差しに
僕は目覚める
旅立ちにはもってこいの日だ

風は南南東
ロウソク工場の煙から推測するに
風速は2メートル
 ....
あなたとの通信を遮断する
私は

憎しみを浴びて孤立したい
すずらんの鉢植えを
根元から

引き抜く
踏みにじる
まだ花も咲かせていない
その前に

お前も
そういう運命なの ....
かやの そとは つめたい はれ
もう くらく なるのを まって

とどかせたいと ねむる あさひ
ひるの ひざしに あっせられて

よるに こときれ もう いない
めざめて たむけて や ....
雨が降る。
傘はいらない。

雨が好きな月もあれば、
雨が嫌いな月もある。

二月の雨が、
どちらなのか。

それはこの雨と、
君だけが知っている。

 ....
僕の消えていく闇の名前
石炭ボイラーの匂い
江浦路の路面電車が踏みつける
レールの間で腐っていく{ルビ瓜=うり}の皮
入り口だらけの逃げ場所

擦り切れた人民幣
二十五元五角の片道切符
 ....
さあ
南天
この冬にまだ緑を纏わせて
あなたがいることを知ろう
私が知るあなたというのは
この時節まだ凍てついているはずだが



離れても
違う名を与えられることなどなくて
冷 ....
とおく
でんしゃに
なんじかんものって

そとのけしきは
ぼくにちからをくれるけど
いまは
みたくなくて

たくさんのおもいで
くりかえす

あたたかいきもちのまま
おわるな ....
淡い太陽が
黒い淵にゆっくりと沈みゆく

街は刻一刻記号へと分解されながら
地平の方へ徒歩の速度で遠ざかる

立ち尽くしていると
不意に頭上から降りしきるのは
清らかな絶望
清らかな ....
赤と青を混ぜたら
いつか二人で手を繋いで飛んだ
有明けの紫の空になり


青と黄を混ぜたら
いつか二人で脚を絡ませて泳いだ
底無しの緑の森になる


私と君は
天を指す草原、地を ....
型にはまった言い回しで
誰かが時刻を告げている
競うように流れてくる朝の占いは
いつかどこかで、聞いたことがあるような気がする
十、からゆっくりと順序を数えていくと
決まった場所に電車は来て ....
砂に書いたラブレター
パットブーン
1957年のヒット曲
マツダのオート三輪にも
曲面ガラスが使われだして
戦後も終わったと
みんな感じていた頃の
なんとなく未来が明るく
元気 ....
雨の降る仕事帰りの夜道
傘を差して歩く僕は
年の瀬に冷たい廊下でうつ伏せたまま
亡くなっていたお{ルビ爺=じい}さんの家の前を通り過ぎる

玄関に残る
表札に刻まれたお爺さんの名前  ....
透きとおる真昼に
日常が、消えていく
八月に買った青いびいどろは
もう割れた



観覧車に乗りたいと言ったのは
あのひとのほうだった
てっぺんに着いても
世界はちっとも見えなくて ....
あなたが一番きれいだったとき
しがらみの廃墟に靡く 硝煙を仰ぎ
自由とは このことかと
愛しき髑髏ひとつ 胸に抱き 街を彷徨う


あなたが一番きれいだったとき
一枚のルオーに なりたい ....
求めて止まぬものがあった
そのたびに吐き出したものは
記憶
その彼方に
星になった

明滅する人生とはかけ離れ
燦然と輝いたそれは
暗闇の中で数を増やした
虚空に手を伸ばす

 ....
乾燥した始まりには
どうしても雨が欲しかったから
浅いじょうろを軒下につるして
ただ、揺れるままにしてみる
並べられた靴、窓を開ける順番
この朝も、毎朝と呼びたい

僕の
通い続けると ....
芸術ってなんだろう。
日常をしのぎつつ ふっと思う。
このごろ あれかなと思う。
むすんで ひらいて。
多分 小さな頃 教わって うたいながら
手を開いたり 結んだり。
なにか 呪文のよう ....
あの人を恨むだなんておかどちがい
わざわざ確認するまでもないわ

プライドのない恋なんてとてもできない
だけどそれでも
棘を刺した夜には 
心がざわつくの

あの人を恨むなんて
そん ....
存在

が、{ルビ危=あやう}いので
私は爪を{ルビ齧=かじ}る
以外
存在の端くれを
確かめようがない
ので、爪を齧り続ける

親指を終えた頃
心臓の音が聴こえ始め
次第、次第 ....
うたを綴る
ひとつ ノォトに
うたを紡ぐ
ひとつ こころに
今日の言葉を装い
明日吹く風を纏う

雲に似て
恋に似て
刻々とかたちを変えるその憧憬を
留めるため

小さな引き出 ....
無駄口を叩いている君の側で
僕は電卓を叩いている
端数がうまく積み上がらない
けれど僕の電卓は旧式だから
いつも君の指を叩こうとしてしまう

時計は見たこともない時計回り
僕は長 ....
明日を、呼ぶ言葉は
失われてしまった
先程くべた小さな薪が
二人に残された最後の言葉

炎を囲んでいるというのに
横たわるこの夜の湿気は何だ
天赤道上の星の名を詠んでも
横たわるこの
 ....
  (本日の天気・九官鳥曇り)

天気予報士が少しくぐもった声で言った
昨日の予報では
(スズメのち晴れ)
小さなさえずりは 集まって
高音と 空へ抜ける
清清しい朝に撒き餌して
集ま ....
絵葉書ありがとう
白川郷の秋は色鮮やかに
長閑で穏やかな暮れてゆく
素晴らしい景色です
「観光客が大勢で押し寄せて
バイクを留め置く場所もない」
そんなあなたのお話が
信じられない景 ....
ベッドの上に君が
座った
誇らしげに
座った

理学療法士に
少しばかり
肩を支えられてではあったけれど
ベッドの上に君が
座った

中二のころの
強い瞳の
君が
座った
 ....
春の種をまいたら
水をあげよう

すきまなく潤してゆく
ぎんいろの雨が

わたしの窓にも
あなたの窓にも

芽吹いた想いも
大きく育ちますように
冷え性だからか
この頃、心も凍ってしまったかのようで
溶解温度は何度位だろう
変温動物に変身完了していたのかな
冬の厳しさと一緒に空虚に陥っている
花は咲くのだろうか



     ....
夜明け前に呼吸が足りなくなって
遠い地名を呼びながら目が覚める
ほんの、少し前まで
そこにあったはずの夢に
花を、植えたい
声の鳴る丘、霧降る峠、新しい駅の三番線
いつか出会ったような
 ....
   





例えば人が硝子だとする。
だから人がレンズだとする。

屈折するひとりが見る世界は、
どんなだろうか?。

では、
もうひとりがいるとする。
だから、
 ....
濁った色の運河を
僕の手が流れていく
腫れ物に触るように
どこか遠慮がちな様子は
やはり僕の手らしかった

妻を抱き
娘を抱き
椅子の背もたれを掴み
いろいろな手続きをしてき ....
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タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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