「もも」のような人だった
夏の始まり
胃のあたりにひどい痛みを訴えて
青白くやつれていった
食べものの好みが変わって
「ガン」かもしれないと感じた
不意に 人生の何分の一かを失う と思った ....
梅雨が明ける
青空の隙間から熱い風が吹く
素足を焼けた砂に投げ出せば
背中や肩や胸元に焼きついた記憶と
砂塵とともに行方を知らせない記憶たちが
行き来する
だから
こうやってここで
生 ....
あしもとから吸い上げたあしたの記憶が
葉脈をつたって
四肢に達し
やがて、蒸発してゆく


芽生えを待つからだに
クロスする
光合成の日々
涸れているのは喉なんかじゃなく
わたしの ....
深海に響くサイレン 旋律のようなうねりはやがて波へと


呼吸ひとつ躊躇うほどの静寂に抱かれて眠る幼い嵐


海水に混ざれぬ雨が沈みゆく マリン・スノーの一粒として


なにもかも蒼 ....
オモチャ箱には
彩り鮮やかなブロック
そのひとつひとつを
あちこちから眺めては
思うがままに積み上げる


時にはいびつな格好に積み上げては
夏の終わりを告げる土用波に
あっさり崩さ ....
しずかにたたずむ ひとは
風の流れる さやかな笑みを
薄紅色の肌ですいこみ
未練なく放熱し
終りをうちあけて

やわらかに傾いた
音色の日差しにつつまれ
緑は青青と奇声を発しながら
 ....
線路はふしぎ


どこまでも
行ける気がする


きっと、
行けるんだろう
おかえりなさい、が あったのだよ

ひらけば其処に
おかえりなさい、が あったのだよ


そとから帰って
よごれた手も洗わずに

とってもとっても
温かかったのだよ

 ....
わたしのなかに
流れる川だ
あなたは

たちどまるな と
言いながら
あなたが
流れた

わたしには
方角などわからない
ただ
ここに立ち尽くす

だ ....
枕と扇風機と
鳩のなき声は
味方だった
働きはじめる冷蔵庫のうなりに
あんしんして目を閉じた
夏の朝はいつも
まぶたを透かす白
レースのカーテンが波立って
飲み込まれる

眠らなき ....
上野まで
行けるかしら


イチョウという名の銀杏
黄色がふる


「君と行きたい」と
言ってみてはだめですか


無意味な
意味のあることを
君としたい気がしたのだけれど ....
ときどき
取られたような気持ちになって
「わたしを返して」

思う
または
「わたしを帰して」
かな


おいらはみてのとおり ただの灰皿だよ

なんにもしちゃいないのに

おいらを目の仇にする奴に

とう ....
午前三時。
君はまだ喋ってる。

冷えたパスタを、
フォークで突っついて、
ぺちゃくちゃり。

ワインを、
手酌で注いで、
ごくり飲み干して、
ぺちゃくちゃ ....
あの子の持ってる実、とっても苦い。
だって、「寺田さんはガール度が足りない」ってため息ついてた。

リボンで縛ったらいいよ。

美味しいものはありふれていて、
三半規管が反応して、ゆらゆら ....
タマゴちゃんはちょーかわいい
僕は迷わずにゴマ粒でタマゴちゃんの顔を描いた
茹でたてのタマゴを丁寧にむいて
でもタマゴちゃんの目はもっともっと大きいし
いつもニコニコしていたんだよ

タマ ....
お父さんとお母さんが嘘つくから、
橋を渡ってしまったんです。

−指を切っても、吸ってくれる人がいないのよ。

ボロボロのドレスを脱ぎ捨てても、
髪を金色に染めても、
わたしの意志はそこ ....
日もルーズになりはじめた晩夏
名もわからぬ鳥が鳴く
湿った畳の目だけを
見つめかぞえ
また眼をつむる

夢見が悪かった
人に会いたくない
話もしたくない

すべてに
誰のために ....
曇って
見えない夕陽を
さがしていると
さびしかった時間が
今と重なる

ひんやりとした母の顔
ギザギザにみえて
夕陽道を歩いている
学校の校庭は
黄色い砂漠
ひとり歩く
重い ....
色づいて


色づいて色づい て



会えた
わたし

(現象する
音声に燃えていく
{ルビ紅=くれない}する
空ろな現存の呻き
青ざめる{ルビ夜=よ}

鋭くかげる新月に
引かれる心音のにじみは
血管を震わせて
蒸発してゆ ....
枝に ぶら下がってる
偽者の太陽

発火を夢みて
まどろむ 花弁

かかってくる
濃い 夜の 暗い闇

閉じない 瞳
はずれない 翼

あたたかいのは 私だけ
じっと 冷えた ....
何だか最近こんな感じだね
ちょっと手を伸ばせば
君の優しさに触れられるのに
何故かためらってしまう


あのゲームと一緒かも
無数の穴凹から僕のあたまは
勢い良く飛び出しては
怯えた ....
久しぶりに自転車をこいだ


思いのほか重くって 
にわかに
ふくらはぎが 
注意報

堪え 
堪えて 
焼鳥屋を目指す 
男ふたり



「とりあえずビール」

 ....
夏暮れ
そのようにして僕らは消えていく夏の肌をなぞるようにして
曲がることを許されない光の束に手をかざします
手のひらのどこか、真ん中から赤く発光していくので
吸い込んだものを返還するように
 ....
どこかで 何かを
救わなければ なりません

ひきとめることのできなかった
言葉たち

みんな みんな
振り返ったところに 流れていって
つなぎ止めることのできなかった
言葉たち
 ....
丘の向こうに
花が咲き乱れている風の土地が
あるはずだ

壁の向こうに
人が入り乱れる道の十字が
あるはずだ

空の向こうに
塵が飛び交う真空の光が
あるはずだ

不可視の領域 ....
青い枠にはお花の絵が似合う、と教えてくれたおじちゃん。
わたしはこんな風になってしまったのよ。

見えなくなっても、がっかりしないで。
ちゃんとあの靴を履いて見せるから。
わたしはおりこうで ....
{引用=
約束しないのが
封印された決めごと
矛盾を越えるのが
愛の役目だと思っていた


わたし
ひそかに
日記を付けてたんだ
携帯メール打つふりして
あなたがくれた
ちっ ....
夏が去っていくと
雲の足音が聞こえたりする
道程はうっすらとひかって
わたしの側で
秋はひとりでに語りだす

もの音は静かに出会ったりする
さよならの方角がすこしずれてたりして
ときど ....
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